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刑事責任という語句は日本語として成立していますか

noname#2804の回答

noname#2804
noname#2804
回答No.5

 もう少し議論を深めましょう。   前提として刑法上の責任とは『反規範的意思』を持つことであると言われます。ですから一般の『責任』という言葉の使い方とは異なります。また刑罰の重大な要素となるものですからこの場合にはあくまで法的なものであって、道義的なものとは区別されるべきです。   >刑法は守るものではなく、犯罪者にたいする、司法の行動や判断の基準ではないでしょうか。  鋭いご指摘です。では犯罪者がなぜ処罰されるのか。それは犯罪者が判断の基準たる規範(刑法)に反し、不法に、法益を侵害したからに他なりません。重ねて申しますがここにおいて『責任』は法的なものであり、かつその内容は処罰にあたって検討せざるを得ません。  責任はすべて道義的なものであるから刑罰においては考慮の対象にならない、という考え方を採れば、犯罪を犯した時点で責任能力を問わず自動的に処罰されるようになります。また人を殺したということになれば、人を殺す意思で殺した場合も、未成年の思慮の浅さゆえ殺してしまった場合も、車で事故を起こして殺してしまった場合(過失犯)にもすべて同じ殺人罪で処罰されるということになるでしょう。しかしこのような結論は本当に妥当でしょうか。  刑罰の目的に反規範的な意思を持たないように市民を誘導し犯罪を減少させることにあるということを挙げるとすれば、反規範的意思を持つことのできない者(責任無能力者)を罰しても彼ら及び市民が規範を重視するようになるとは考えられません。そもそも責任無能力者に必要なのは刑罰ではなく治療又は教育であって、彼らを罰したから犯罪者が減るということにもならないと思われます。  いわゆる過失犯も故意犯と全く同じように罰することにも問題があります。危険な状況を認識していたからといって故意犯で罰するということになれば、およそ危険な行為は行いえません。そうすると車の運転や医療行為も危険な行為に入るわけで、そうしたものがストップすれば国民生活に重要な影響を与えます。国民の基本的人権をも制約しかねません。さらに軽過失でも厳しすぎる罰を与えると、却って国民の規範を守ろうとする意識を低下させ、有害です。  なお >第三十九条の心神喪失及び心神耗弱の条項は、犯罪の不成立及び刑の減免を意味するものではなく、刑の方法を問うべきものであるはずです。犯罪者が、精神鑑定を受け、第三十九条の心神喪失により、犯罪が不成立になることは、市民権を得た精神病患者への差別と偏見をしていることになります。病によって、心神喪失にある者が、犯罪を犯したときに、例外なく平等に裁かれることが必要ではないでしょうか。    精神病患者さんが社会からのケアを必要とされる方々である以上、状況に即した対応がなされるべきです。例外のない平等とは形式的なものであって、憲法上要請される実質的な平等の確保という観点から考えられるべきであると思われます。責任無能力制度も肯定的に理解されるべきでしょう。

98ibucms
質問者

お礼

get-miyakoさん再度のご教示ありがとうございます 早速ですが、 >刑罰において道義上の責任を考慮の対象としないことは、犯罪を犯した時点で責任能力を問わず自動的に処罰されるようになります。(要約) まず、道義とは、「人としてふみ行うべき道」ですが、心神喪失の状態は人間ではないとして、その責任を問えないとすることは、病気によって心神喪失や心神耗弱である人は、人間にあらずということになり、彼等に対する基本的人権を阻害するものではないでしょうか。 >車で事故を起こして殺してしまった場合(過失犯)にもすべて同じ殺人罪で処罰されるということになるでしょう。しかしこのような結論は本当に妥当でしょうか。 犯罪を犯した者が、基本的人権を制限されたり剥奪されるのは、国家が科する制裁であり、その量刑を判断するときに、過失犯であるか故意犯であるかを問題にするべきではないでしょうか。 第三十九条の第一項 の「心神喪失者の行為は罰しない。」の条項は、病気によって心神喪失や心神耗弱の人達に対する基本的人権を阻害するものでしかありえません。 保安処分に関してですが、保安処分は、隔離政策は、差別を生みますし基本的人権を阻害します。刑罰の目的はその犯罪加害者が二度と犯罪を起こさないように再教育をし、 社会復帰をはかるようにするためであれば、精神病の犯罪者は、一般社会と同じように、健常者の犯罪者とともに、刑に服しながら、社会復帰のための精神治療をすればいいのではないですか。 結論として、第三十九条の心神喪失及び心神耗弱 と、第四十一条の責任年齢の条項は、削除するべきと考えます。第三者の基本的人権を阻害したり奪う行為をすれば、その行為者は、基本的人権を制限されたり、剥奪されるという原理原則を持つべきと考えます。

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