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惑星の周期の法則を簡単に導く方法は?
ニュートンは惑星の周期が,太陽からの平均距離の1.5乗であることを証明していますが、もっと簡単な方法、中学生程度の数学で導く方法を知っている方がいましたら、教えてください。
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- 中村 拓男(@tknakamuri)
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多分、中学では無理で、高校レベルになってしまうと、思いますが、 初等的な数学と基本的ないくつかの法則で算出することはできます。 まず、軌道長半径(楕円の長軸の長さ÷2)をa 太陽からの近日点までの距離を R, 太陽から遠日点までの距離を r とします。 R + r = 2a の関係になります。 近日点での惑星の速度を V, 遠日点での惑星の速度を v とすると、 ニュートン力学の中心力による運動の法則、面積速度一定の法則(ケプラーの第一法則) の使用を許していただくと (1/2)VR = (1/2)vr 従って、v = (R/r)V 一方、近日点と遠日点で力学的エネルギーは変わらないので (1/2)mV^2 - GMm/R = (1/2)mv^2 - GMm/r (M: 太陽の質量、m: 惑星の質量) 従って、V = (2GMr/(R(R+r)))^(1/2) また、楕円上の点は2焦点からの距離の合計が一定であることを利用すると、 近日点と遠日点での2焦点からの距離の合計^2=(r+R)^2 = ((r-R)/2)^2 + b^2 (b: 軌道短半径) 軌道短半径は b = (rR)^(1/2) 面積速度は h = (1/2)VR = (1/2)(2GMRr/(R+r))^(1/2) = (b/2)(GM/a)^(1/2) 楕円の面積は πab 公転周期 T = 楕円の面積/面積速度 なので T = 2π(a^3/(GM))^(1/2) というわけで、「軌道長半径」の1.5乗に比例する が正しいです。
軌道が真円、かつ、太陽が惑星より遥かに重くて惑星の公転で太陽は不動だとすれば、比較的容易に出せます(太陽系の主要な惑星では成り立っていると考えて可、特に地球などの内惑星)。 惑星の質量をm、太陽の質量をM、公転半径をr、公転角速度(1秒当たりの回転角度)をω、重力定数をGとすれば、遠心力と重力が釣り合うと考えて、 mrω^2=GMm/r^2 が成り立ちます。これを整理してωを求めると、 ∴ω^2=GM/r^3 ∴ω=(GM)^(1/2)/{r^(3/2)} となります(「^」は何乗の乗で、エクセルでも使える記法)。周期Tはラジアン表示で2π(=360度)回るのに必要な時間なので、角速度ωとの関係は、 ωT=2π ∴T=2π/ω ですから、上で求めたωを使えば、 T=2π/ω =2π/[(GM)^(1/2)/{r^(3/2)}] ={2π/(GM)^(1/2)}r^(3/2) となります。{2π/(GM)^(1/2)}は太陽の質量を含め、カッコ内は全て定数ですから、カッコ自体も定数となります。見やすくするために、{2π/(GM)^(1/2)}=C(Cは定数)と置けば、 T=Cr^(3/2)=Cr^1.5 となり、周期が半径の1.5乗であることが出ます。