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物質と反物質の間には斥力が働きますか?

物理の素人です。 以下の質問をさせていただきますので、わかるところだけで構いませんので、教えてください。 (1)反物質は、負の質量を持っていますか? (2)反物質と物質の間に働く力は、引力ですか?  それとも、斥力ですか?  それは、実際に観測されたのですか? (3)物質粒子とそれに対応する反物質粒子がぶつかれば対消滅してエネルギーが残りますが、  対応関係にない粒子同士、例えば陽子と反中性子、陽電子と中性子などが衝突しても、  何も起こりませんか?  それとも、各粒子を構成するクォーク単位で対消滅が起こりますか? (4)私たちのごく身近な空間(例えば部屋の中)などでも、常時、もしくは時々対生成が起こって  いますか? (5)ニュートリノは何とも衝突しないのですか?   ならば、ニュートリノと反ニュートリノがぶつかって対消滅することはないのですか?

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noname#212313
noname#212313
回答No.5

 #4です。 >そうすると、対生成や対消滅とはどのようにつじつまを合わせればよいのでしょう? >真空から物質と反物質が対生成する場合、エネルギーと質量も等価であるとする E=mc2の式に従って、両者の質量の和に相当するエネルギーが吸収された、つまり供給されていたということになりますが、一方が正、一方が負だから、質量は実は合計0であるとなると、対生成時に吸収されたエネルギーはどこへ行ってしまったのでしょう?  反物質はエネルギー的には正、質量も正です。したがって、物質-反物質反応では正のエネルギーが出ます(E=mc^2)。  なお、何もエネルギーを加えなくても、常に至る所で対生成・対消滅は起こっています。それは「短時間ならエネルギー保存則を破ってよい、ただし後で帳尻を合わせなければならない」という量子力学の結論によります。  さらに不確定性原理があるため、ミクロの世界は安定していません。無からエネルギーを前借りして対生成が起こり、直ちに対消滅して借りたエネルギーを返します。  負の質量は負のエネルギーを持ち、それがエキゾティックな物質などと呼ばれています。エキゾティックな物質が普通の物質と反応するかどうかは分かりません。なお、未発見の超光速物質タキオンは、実は負の質量を持つ物質です。静止質量は虚数になるんですが、常に光速度を超える速度のため、負の質量になります。 >運動エネルギーの合計が0になるという根拠は、正の質量と負の質量は、加算によって相殺できるという前提に立っておられますが、それで本当によろしいのですね?  そうですよ。ニュートンの運動エネルギーの式を使えば、  (1/2)mv^2+(1/2)(-m)v^2=(1/2)mv^2-(1/2)mv^2=0 となります(なお、運動量も同じく0)。ただ、質量0の物体は特殊相対論的にちょっと問題が出ます(計算上、常に光速度でないといけなくなる)。 >あるいは、本当はエネルギーなど無くても、対生成は可能なのでしょうか? >対消滅の場合も同様ですね。  上記の通りです。 >そもそも、負の質量とは何なのでしょう?  上記の通り、タキオンがあれば負の質量の物質となります。他の候補は、ちょっと分かりません。 >正の質量との間にマイナスの万有引力、つまり斥力を生じるものと説明する人もいます。  正の質量と負の質量の間に働くのは斥力です。やはりニュートンの重力式で見てみましょう。質量Mの地球(地表の半径r)と、負の質量-m(m>0)のりんごだとします。Gは重力定数です。  F=GM(-m)/r^2=-GMm)/r^2<0  重力による力がマイナス、つまり斥力です。しかし、負の質量のりんごは普通のりんごと同じように地表に向って落ちます。ニュートンの有名な式で見てみます。重力によるりんごの加速度をaとします。負の質量のりんごに働く力は上記のFになります。  F=(-m)a=-ma ∴a=-F/m>0(なぜなら、F<0だから)  加速度がプラスです。普通のりんごと同じです。つまり、負の質量のりんごは、地表に向って落下します。 >それとも、運動した場合、負の運動エネルギーを持つ物体が持つ質量ということなのでしょうか?  その通りです。 >すると、負の運動エネルギーとは何かということになってしまいますね?  そこが先の回答で申し上げたものでは、0からプラスとマイナスが生み出せてしまって大丈夫なのか、ということと関係します。今のところ不明な問題です(初期の宇宙ではそういうことが起きたという説もある:インフレーション仮説)。

torukimuOK
質問者

お礼

ありがとうございました。

torukimuOK
質問者

補足

反物質は質量が負、物質との間には斥力が働くが、質量も負なので、負と負が掛け算されて結局物質と反物質の間には、引力のように見える力が働くということなのですか? さっぱりわからなくなってしまいました。 実験結果が楽しみですね。

noname#212313
noname#212313
回答No.4

 #1です。 >反物質では、時間が反転している可能性があるとは、いったいどういうことなのでしょう?  反物質の理論的発見は、量子力学を特殊相対論で書き直して、副産物として出て来ました。電子の時間を逆行させてみた数式解がプラスの電荷の素粒子を示したのです。最初、陽子ではないかと思われましたが、よく調べるとそうではなく、電子ようで反対の電荷を持つ何かということが分かりました。実験してみると、そのようなものが得られ、反電子、さらに陽電子と名付けられました。  陽電子があれば、陽子の時間を反転した反陽子もあるはずで、実際にありました。反物質は、そのような量子力学レベルでの時間反転の数式解で記述されるような物質です。素粒子レベルで時間反転しているとして、目に見えるような大きさの(マクロな、と言ったりする)反物質の物体の時間はどうなるか、興味あるところです。 >時間とは、全宇宙でひとつのものが共有され、観測条件や運動状態などによって、その経過の速さが変化しているように見えるだけ、というわけではないのですね?  ニュートン力学の時代では全宇宙で一つの時間という見方でした。今は全く違う見方をしています。たとえ反物質がマクロのレベルで時間反転していないとしても、相対論が明らかにしたのは、時間は人(観測者)ごとで異なるということです。同じ時間だと言えるのは、互いに静止しているときだけです。 >これは私にとっては初耳のことで、想像を絶することなので、まださっぱり意味がわかりません。  日常では経験できませんから、それで普通だと思います。相対論的なことなら、光速度に近いスピードでないと経験できません。反物質の素粒子レベルでの時間反転なら、とても目に見えないようなミクロの世界です。どちらも、人間が実際に経験するのは、現在の技術ではまだ不可能です。 >2個のりんごが互いの間の重力であたかも等しい外力を受けているかのように一定の加速度で並進運動するんですか?  その通りです。 >エネルギー保存の法則はそうなってしまうのでしょうか?  保存します。二つのりんごの質量を足すとゼロです。質量がゼロなので、二つセットで考えると、運動エネルギーを持たないのです。  ただし、1個ずつからなら運動エネルギーは取りだせてしまい、無から有が出てくることになります。もしこの宇宙に負の質量の物質が存在しているのだとすると、この宇宙は目一杯縮めたバネのようなものである、とでも考えるしかありません(※そういう宇宙は不安定だと考える人もいて、だから負の質量の物質は無いと主張したりする)。  仮に負の物質が作れると楽観的に仮定した試算では、りんご程度でも宇宙にある恒星全てのエネルギーの百億倍などという、とんでもないエネルギーが必要なようです。そうだとすると、例えば負の物質を多少食い潰しながら運動エネルギーが出てくるとすれば、特に問題にはならなさそうです。 >実際に起こるなら、どんな原理なんでしょう?  以上のようなことは、まだ未知の世界だと申し上げるしかありません。物理学者も、それよりずっと手前にある大問題(量子重力理論など)が山積していて手一杯の様子で、夢みたいに上記のようなことを語ってはくれますが、現実的、実際的なことは一向にでてきません。

torukimuOK
質問者

お礼

ありがとうございます。

torukimuOK
質問者

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>(エネルギーは)保存します。 >二つのりんごの質量を足すとゼロです。 >質量がゼロなので、二つセットで考えると、運動エネルギーを持たないのです。 そうすると、対生成や対消滅とはどのようにつじつまを合わせればよいのでしょう? 真空から物質と反物質が対生成する場合、エネルギーと質量も等価であるとする E=mc2の式に従って、両者の質量の和に相当するエネルギーが吸収された、つまり供給されていたということになりますが、一方が正、一方が負だから、質量は実は合計0であるとなると、対生成時に吸収されたエネルギーはどこへ行ってしまったのでしょう? 運動エネルギーの合計が0になるという根拠は、正の質量と負の質量は、加算によって相殺できるという前提に立っておられますが、それで本当によろしいのですね? あるいは、本当はエネルギーなど無くても、対生成は可能なのでしょうか? 対消滅の場合も同様ですね。 そもそも、負の質量とは何なのでしょう? 正の質量との間にマイナスの万有引力、つまり斥力を生じるものと説明する人もいます。 それとも、運動した場合、負の運動エネルギーを持つ物体が持つ質量ということなのでしょうか? すると、負の運動エネルギーとは何かということになってしまいますね? 謎が更なる謎を呼んで、ますます不可解なことだらけになりますね。 のめり込んでしまいたくなります。

回答No.3

反物質を構成する反粒子は、ディラックによって理論的 に予測され、のちに発見されたものです。 どのように予測されたかというと、通常の素粒子は、エネ ルギーを放出して低い状態に落ち込み、静止してそれ 以上落ち込まなくなるが、理論的必然性から想定される 負エネルギー状態(連続してはいない)に、量子論的効 果によってジャンプして、どんどん落ち込むはずであり、 我々の観察する通常粒子の世界が安定して存続してい るのはおかしい、という指摘から始まった。 ディラックは、「どんどん落ち込」んで全ての負エネルギ ー状態がふさがった結果、それ以上落ち込めなくなって いるのが現状だと推測し(ディラックの海と呼ぶ)、その 証明として、“何もない所”にエネルギーを集中する事で 負エネルギー状態からたたき出された正エネルギーの 通常粒子が発生すると同時に、びっしり詰まった負エネ ルギー状態に空いた穴が、正エネルギーの粒子として 観察される・・・・ただし「穴」なので、通常粒子の反対の 性質(電荷やスピン、粒子数)を持った「反粒子」として。 ここには通常の素粒子の他に、負(エネルギー)粒子と 反粒子が登場している事に留意されたい(よく混同される)。 「負の質量(重力で引かれる事で遠ざかる)」を持ってい るのは負粒子である。 負粒子が斥力を持つ事で、その穴である反粒子は通常 の引力を持つ(これは反粒子発見当初(霧箱の中での 素粒子の軌道の観察)からの基本である)。 また「クォーク単位の反粒子との対消滅」は、当然起きている。 通常の対消滅が起きている時、それは実際はクォークの 対消滅なのだから。 ただ、クォーク単体では現れないので、『クォーク単位の 対消滅』を目にする事はないだけだ。 >私たちのごく身近な空間(例えば部屋の中)などでも、 >対生成が起こっていますか? 真空といえども、局所的に限定すれば、大きな量子エネ ルギーを発しえ、真空は無数の通常粒子―反粒子の対の 対発生&対消滅の場である。

torukimuOK
質問者

お礼

ありがとうございました。

torukimuOK
質問者

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P型半導体とN型半導体を接合した時の話を思い出しました。 物質と反物質は、電子と正孔(ホール)のような関係だと、天才のディラックさんは考えたということなのでしょうか? であるならば、反物質とは、正孔同様に物として存在するものではなく、仮想的な存在でしかありえないということなのでしょうか? ということは、宇宙のどこかに反物質ばかりが集まっているなどといったことは、あり得ないということなのでしょうか?

回答No.2

>(2)反物質と物質の間に働く力は、引力ですか? > それとも、斥力ですか? CERN ALPHAチームが測定中 反水素の自由落下実験。 引カの可能性が大きいようです。

torukimuOK
質問者

お礼

ありがとうございました。

torukimuOK
質問者

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わくわくする実験ですね。 早く結果が知りたいですね。 しかし、反水素を造るのが超大変な上に、できてもわずかな数でしょうから、ちょっとした攪乱要因ですぐにデータが訳の分からない者になってしまいそうで、測定は容易ではなさそうですね。 鬼が出るか蛇が出るか、ホント楽しみです。 期待してます。

noname#212313
noname#212313
回答No.1

>(1)反物質は、負の質量を持っていますか?  いいえ、理論上は正の質量を持っています(正のエネルギーと言う方が、より正確)。ゆえに、 >(2)反物質と物質の間に働く力は、引力ですか? は、理論上は引力です。 > それは、実際に観測されたのですか?  いいえ。観測できたのは、最も大きい物で炭素原子十数個程度。重力を観測するには軽すぎます。反物質は時間が反転されていると考えられています。素粒子レベルではない反物質が時間反転の性質を示すかどうかなどは、興味ある研究題材です。しかし、重力の数式は時間を含まないため、重力の反対の斥力が出るとは全く予想されていません。 >(3)物質粒子とそれに対応する反物質粒子がぶつかれば対消滅してエネルギーが残りますが、 > 対応関係にない粒子同士、例えば陽子と反中性子、陽電子と中性子などが衝突しても、 > 何も起こりませんか?  対消滅は起こりませんが、通常の素粒子での衝突と似た現象は起こります。これらは、粒子加速器実験で観測されています。 > それとも、各粒子を構成するクォーク単位で対消滅が起こりますか?  理論上は起こらないと考えられています。クォークは単体で観測できないため、実験・観測で確認されたことはありません。 >(4)私たちのごく身近な空間(例えば部屋の中)などでも、常時、もしくは時々対生成が起こっていますか?  常に起こっています(はっきりと観測されたことはない)。 >(5)ニュートリノは何とも衝突しないのですか?  確率が非常に低いですが起こります。だから、スーパーカミオカンデなどで大量の水を利用して検出が行われ、質量があることが確認されたりしています。 >ならば、ニュートリノと反ニュートリノがぶつかって対消滅することはないのですか?  理論上は対消滅すると考えられています(はっきりした観測例はまだない)。  負の質量の物質(エキゾティックな物質、エキゾティックマターなどと呼ばれている)は理論的には存在し得ると考えられています。  負の質量のりんごがあるとします。普通のりんごと同じように、地表では落下します。それは、負の質量のりんごと地球との間には斥力となるのですが、負の質量であるために斥力を受けると加速度の向きが反対となり、力を受ける方向に加速するためです。もし引力を受けると逃げて行きます。  しかし、負の質量を使って面白い推進器が作れます。エネルギーを全くしようせずに加速するものです。それは、(絶対値が)等しい質量の負の質量の物質と正の質量の物質を近づけて置いてやることで可能になります。  負の質量のりんごと正の質量のりんごを、例えば無重力の宇宙空間で、近づけて置いてやるとします。  すると、負の質量のりんごと正の質量のりんごの間には斥力が働きます。正の質量のりんごは斥力により普通に受けた力の向きに加速します。  負の質量のりんごは斥力を受けて、しかし質量が負であるため加速は普通と反対の向き、つまり普通のりんごのほうに向います。  そのため、負の質量のりんごと普通のりんごは、最初と同じ間隔を保ったまま、二つ揃って加速して行きます。

torukimuOK
質問者

お礼

ありがとうございました。

torukimuOK
質問者

補足

負の質量 あったらすごいことですね。 人間の常識を根底から覆しますね。 反物質では、時間が反転している可能性があるとは、いったいどういうことなのでしょう? 時間とは、全宇宙でひとつのものが共有され、観測条件や運動状態などによって、その経過の速さが変化しているように見えるだけ、というわけではないのですね? これは私にとっては初耳のことで、想像を絶することなので、まださっぱり意味がわかりません。 2個のりんごが互いの間の重力であたかも等しい外力を受けているかのように一定の加速度で並進運動するんですか? エネルギー保存の法則はそうなってしまうのでしょうか? かなり難解で、さっぱり理解できません。 実際に起こるなら、どんな原理なんでしょう?

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