独居の高齢者「孤独死、身近に感じる」6割 内閣府調査
独居の高齢者「孤独死、身近に感じる」6割 内閣府調査
誰にも看取られることなく、亡くなった後に発見される「孤独死」を
身近に感じる――。
60歳以上でひとり暮らしの64.7%が、こう感じていることが、
内閣府の「高齢者の地域におけるライフスタイルに関する調査」で
明らかになった。
調査は昨年10~11月、全国の60歳以上5千人を対象に実施。
3484人(69.7%)から回答を得た。
孤独死を「身近に感じる」のは、回答者全体では42.9%。一人
暮らしに限ると割合は60%を超え、夫婦ふたり世帯だと44.3%、
二世代同居などそれ以外の世帯では37.0%だった。
「身近に感じる」人の割合は都市部程多く、大都市では46.7%、
町村では36.4%だった。身近に感じると答えた人が挙げた理由は、
「一人暮らしだから」という理由が30.1%、「ご近所との付き
合いが少ないから」という人が26.1%などとなっている。
地域で困っている高齢者に対して、何らかの手助けをしている人の
割合は29.0%。内容は「安否確認の声かけ」が15.2%、「話
相手や相談相手」が12.3%。また、すでに手助けしている人も
含め80.3%が、今後手助けをしたいと考えている。意欲があっても
実際の活動に至っていない人が多い点について、内閣府は「きっかけの
有無もあるだろう」とみる。
この他、「健康状態が良くない」と答えた656人の内12.2%が、
身体介護やちょっとした買い物、通院の送迎などで手助けやサービスが
「必要だが受けていない」としている。
(朝日新聞 2010年4月3日)
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死が何時どのような形でやってくるかは人それぞれに違うし、その時が
来てみないと誰にもわかりません。それ故に死は恐怖に感じられるのです。
特に高齢者にとってこの不安は切実なものです。しかし、この数字を
見ると、60歳以上でひとり暮らしの64.7%がこう感じているのに
対し、夫婦ふたり世帯だと44.3%、二世代同居などそれ以外の世
帯では37.0%とのことですが、これでいいのでしょうか。
夫婦ふたり世帯でも二世代同居などでも、高齢者が一人ですごす時間は
意外に長く、同居者が不在だったり目を離している間に亡くなった例は
多く有ります。
私の大学の先生は、奥さんが朝ご飯に呼びにいったとき、一人で座布
団に座ったままの姿勢で亡くなっていたそうです。
私の母親は、入居者が五百数十人もいる大規模有料老人ホームの浴場で
転倒し、2時間近く誰にも気づかれないまま放置されている間に心肺停止、
死に至りました。大規模な施設ほど、職員の手が回らず、一人でおかれる
高齢者が多いのです。
問題の根幹は「住まい」に帰着します。物理的なバリアフリーだけでなく、
高齢者に目が届く住まい、母親の言葉によると、「何かあったらすぐに人が
駆け付けてくれる」住まいが必要なのです。母親はそれを大規模有料老人ホ
ームに期待しましたが見事に裏切られました。
現在注目されているのは住み慣れた地域で自宅の延長のような存在になる
宅老所です。制度に縛られるのではなく制度の方が早くこのようなニーズに
追いついてもらいたいと思います。
皆様は、どう思われますか。