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光や電磁波は何を媒体にして伝えているの?
iapetusの回答
- iapetus
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ロングです。また、他のご回答者の主張と、重複することは、お許し下さい。 音波(空気中、水中、金属等の媒体)、水面波(液体が媒体)など、地球上で見られる波動現象には、人の目で見える「媒体」があるのに、なぜ、波動現象の一つである「電磁波」には、目に見える媒体が無いのか、或いは、確認できないのか、というご質問に言い換えられるのでしょうか?。 波動現象の物理特性は、伝播速度、波長、周波数、振幅、振動方向、媒体が均質である場合の直進性、回折、干渉、と言ったところでしょうか。 そして、電磁波もまた(媒体の存在・不存在の証明が成されていないとしても)これらの性質を持っており、波動現象に間違いないのです。 このうち、伝搬速度は知識として30万km/sであると知識で知っていらっしゃるでしょう。 しかし、真夏の陽炎や、炭火が揺らいで見える、度の強いレンズの周辺程、像の一部に虹色の縁取りが見えるなどでで屈折の現象は視認できます。 また、両刃のカミソリの刃を水面に浮かべ真上から点光源で光を当てると、水の器の底に映る刃の影に、縞模様の縁取りが出ます(水深を調節するとよりハッキリ見えます)。 また、真黒な薄い金属板などを、真っ暗な部屋に点光源を用意して、これを遮る位置に置くと、非常に見えにくいはずですが、実際には、非常に細い光の縁取りが見え、光が金属板の縁を回り込んで(回折している)いることが判ります。 これらの実験によっても、電磁波が波動現象であることは、視認が可能です。 また、電磁波は、光電効果という現象(太陽電池パネルが発電できるのはこの現象)により、粒子性も兼ね備えていることが判っています。 そして、波動性が、ビームの波動性を生んでいるものと考えられます。 でも、電磁波が、波動現象でかつ、粒子の流れである、というのは、どういうことなのでしょうか?。 しかし、それを人間が直感するのは、かなり難儀です。 なぜなら、先に述べた実験で、マクロ視野的・間接的にその性質が確認できているだけで、粒子性、波動性という現象は、超ミクロサイズで起こっているのであり、人の目には見えないから理解し辛いことに他なりません。 そして、電磁波以外の波動現象に、媒体があるのだから、電磁波の伝播にも媒体があるはずだ、と昔の物理学者も考えたのです。 なぜかというと、物理現象は、似たような現象は、同じ物理量を持つという単純さで成り立っている、という経験則があるからです。 光だけが例外などと言う事は「無いはずだ」とし、空間は光の仮想媒体「エーテル」で満たされているアイデアを考えました。 結局、マイケルソン・モーリーの実験などにより、エーテルの存在は否定されることになり、現在は、空間そのものが、電磁波の媒体であるとする説が有力になっています。 空間(真空であるか否かに関わらず)は、ただの「空虚な場」、ではありません。 量子力学が進歩したお陰で、真空の空間とは、電子と陽電子が、対生成と対消滅を繰り返している高エネルギー状態の空間、と定義されています。 だとすれば、そこに「何かある」のですから、空間が媒体として電磁波を運んだとしても、不思議ではないでしょう。 但し、本当に空間そのものが電磁波の媒体なのかどうかは、「そうである」とする意見が優勢なだけであって、それ以外なのかすら、未だに良く判っていないのです。 従って、ご質問の答えは、『恐らく「空間」を振動させながら伝播してく』、と言う事になると思い案す。 また、余談ですが、人が明らかに「物質粒子」として認識している電子、ニュートリノといった軽いレプトンや、陽子、中性子といった重いバリオンですら、波動性を持っていることも、注目すべき事象でしょう。 物質粒子にしろ、エネルギー粒子にしろ、全て、粒子性と波動性を併せ持った、「重ね合わせの状態にあるはずだ」というのが、現代の有力な仮説となっています(これを、コペンハーゲン解釈、といいます)。 無論、波動性と粒子性の重ね合わせの状態などあるはずがない、とする仮説もあり、それを「エヴェレットの多世界解釈」といい、これらはいまだに論争が続き、決着に至っていません。 何れにせよ、たとえ、それが「人に理解し辛い現象」であったとしても、素粒子の世界では、それが「当たり前」で真理なのであって、多くの物理学者が実験で得た結果を鵜呑みにするしかないのです。
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