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法定地上権の成否について
- Aが自己所有の土地上に建物を建築し所有していたところ、土地の上にGのために抵当権を設定した。その後、Aが建物をBに譲渡しAB間で土地の利用権について合意がなされたところ、Gが抵当権を実行しCが土地を競落した。この場合、土地利用権が存続するのか、法定地上権が成立するのか、あるいはBは建物を収去しなければならないのかを教えてください。
- 土地利用権が存続する場合、なぜ利用権は抵当権に対抗することができるのか、また、法定地上権が成立する場合、本件では「(抵当権)の実行により所有者を異にするに至った時」とは言えないのではないかということについて考察してください。
- Bが建物を収去しなければならない場合、それはBにとって酷であり、一方でGを優遇しすぎではないかという点について説明してください。
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法定地上権が成立する,というのが答のようですね。 これについては,大審院大正12年12月14日連合部判決・民集2巻676頁という判例があって,これがなお判例としての効力を維持していると考えられます。これは,模範六法にも掲載されています。 さて,この判例について,私の手元には解説書がないので,明確なことがいえないのですが,うろ覚えの知識では,法定地上権は,地上建物の保護を目的としているところ,土地と建物が同一所有者の場合には,建物について土地利用権を設定することができないが,債権者が土地のみに抵当権を設定した場合には,建物が存続することによる負担を容認していると考えられ,建物のみに抵当権を設定した場合には,建物が競売された際には建物が存続することに利益を有していると考えられ,土地所有者もそのこと(建物が競売された場合にも建物が地上に存続すること)を容認していると考えられるので,抵当権設定後に,土地又は建物が譲渡されたとしても,土地所有者は,建物が存続する負担を引き継ぐことになるし,建物所有者は,建物が存続することについて期待権を引き継ぐことになる。といった理屈であったように覚えています。 すなわち,抵当権設定時に土地建物が同一所有者であったことは,原則として登記簿により工事されていて,誰でも知りうることで,法定地上権の成否は客観的に明らかであるし,そうである以上は,土地や建物の一方又は双方が第三者に譲渡されることによって法定地上権の成立が否定され,建物が存続し得なくなることは,建物所有者に不当な不利益を与え,土地所有者に不当な利益を与えることになる,という利益考量の結果からの判断ということになるようです。 たしかに,表面的な条文の文言からは,そういった結論を導くことはできませんが,明治の法律は,条文に書いていないことが多く,それを解釈(条文が拠って立つ法理論)で補うことはよくあることですので,こういった結論になるものと思います。
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- tk-kubota
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法定地上権が成立するか否かは、建物所有者から見た場合です。 今回の例では、同一所有者当時土地のみに抵当権を設定し、後に、Cが買受人となった場合なので、Cの立場で考えますと「法定地上権を負担して買い受けた。」と言うことができます。 (このようなことは実務でもあります。) 当然のこと、Cは、A・B間の契約内容に左右されることはないし、抵当権設定当時土地建物所有者が同一人であった関係で、Cは、Aに対して建物収去土地明渡請求はできないです。
お礼
回答ありがとうございました。 実務でもそのように運用されているなら法定地上権が成立するということで間違いありませんね。ご指摘ありがとうございます。
お礼
回答ありがとうございます。 >たしかに,表面的な条文の文言からは,そういった結論を導くことはできませんが,明治の法律は,条文に書いていないことが多く,それを解釈(条文が拠って立つ法理論)で補うことはよくあることですので,こういった結論になるものと思います。 文言そのままでは適用できないので、類推適用されるのでしょうか。いずれにせよ、法定地上権を成立させるという意見の方が多数であったので今後はそのように理解していきたいと思います。 文言からは導けない結論である点をふまえて回答して下さったのでベストアンサーとさせていただきます。 ありがとうございました。