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経済学を素人がどう見るか?
- 給料が上がらず不安な日本の経済について、経済学を学びたいが自然科学とは異なる性質に疑問を持っている
- 経済学は人の心理や移り気に左右される側面があり、科学ではないと感じている
- 経済学に否定的な考えを持つ私に、経済学の肯定的な意見やアドバイスをいただきたい
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地球シミュレーターで大気の動きを計算しても、天気予報はなかなか当たりません。だから流体力学なんてものはしょせん科学ではないのでしょうね。 運動方程式は F=ma ですが、千円札を落とすと風でひらひらと舞って、複雑な動きをします。これをどうやって計算しましょうか?運動方程式なんてものは所詮科学ではないのでしょうか? これは沢山の方向から不規則に変化する沢山の力が加わっているため、計算するためのFについてのデータを集めることができないため、計算できないのです。すべての時点でのFがわかれば計算できるはずです。 さて、「経済の本」ですが、これには大きく分けて2種類あります。それは理論としての「経済学」の本と、その理論によって実体経済を分析した結果をかいた「市場経済」の本です。 経済学の本というのは、力学の教科書であって運動方程式の導出とその解法、ラグランジェ方程式やハミルトニアンなどを解説した本です。これに対して市場経済の本というのは、千円札を落としたときの力の加わり方を、様々な手法で予想をしようとした試みを記載した本です。 千円札を落としたときの運動は、たとえばその紙幣にどんな折り目がついているのか、によっても変化してしまいます。ですから、折り目がついていないものとして計算しましょう。 ちょっと待ったあ!紙幣なんだから折り目がついていて当たり前だし、ゆがんでいる場合もあるんだから、真ん中に折り目があるものとして近似すべきだろう! いやいや、どうせなら四つ折にしたとして近似すべきだろう。それにゆがんでいるから、円筒の一部として近似しよう。 とんでもない、円筒よりも放物線を平行移動した法物面のほうが実際に近いんじゃないか。 いやいや、それを言うなら双曲面のほうがいいだろう。 などと百家争鳴になります。 市場経済の本は、理論ではなく、上記のようにどのような近似をしたらああなったこうなったという議論であり、そして数十億人が勝って気ままにあっちへふらふら、こっちへふらふら動くのを予想しようとする試みですから、当たるはずがないのです。 では運動方程式はどうでしょう? まず、運動するのは(現実には存在しない)質点であり、力も(現実にはありえない)たった一方向だけで変化しないとしたらどうなるだろうか?という「理想的な状態」で方程式を作ってあります。 経済学でも、まず最初に、社会にいるのは消費者と生産者だけであり、消費者は無数にいて金銭的な損得のみで行動をし、生産者も無数にいて金銭的な損得のみで行動する、という「理想的な状態」で市場の動きを考えます。 しかし、実際の社会では消費者も生産者もいろいろな嗜好で行動します。ですから理想的な状態(これを完全競争市場と呼びます)からどのように変化するのかを考えなければなりません。それは千円札に加わる力をどのように近似するか、を摂動で計算するのと同じです。 まずは、経済学の理論について解説した本かまたは、裏づけとなる経済学の理論を解説しながら実体経済を分析しようとする本を読むことをお勧めします。
その他の回答 (2)
経済学の基本テキストを、なんでもいいのですが、読んだら、興味のある、あるいは否定的な、ふざけてると思った分野に分け入ってみるのがよろしいかと思います。その分野の本を読みながら、考えてみます。自分だったら、こう分析する、こう解く、その議論の前提は何かと。 工学系だったら、日本経済をシステムと考え、状態方程式を作り、伝達関数を求め、金融政策によって入力として貨幣量を増やすと、出力として例えば国内総生産量がどのようになるのかを分析するのも面白いかもしれません。 最後に、自分の生活がどうなるかを知るために、学問を利用するというスタンスは間違いです。どんな学問でも、現実に対して無力です。むしろ首を切られた時に、再就職するためには何が必要かを考える方が大切です。心の備えこそ、重要なのではないでしょうか。
- dsdna
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>こんな私の経済学に対する否定的な考えを打ち消して肯定的にしていただけるような(目からウロコのような)ご意見、アドバイスいただけるとうれしく思います。 ええっと、経済学の基本は数学です。しかし、どうして経済学は文系にカテゴライズされているのでしょうか。そこを理解しないと、経済学は分からないと思います。
補足
早速のご意見に多謝。でも数学は経済学の「手段」ではあっても基本であるとは到底思えません。もしそうならば数学できっちりと計算し立案した計画経済を実行した共産主義経済がすべて破綻し消滅してしまうことはなかったと思います。 (私が経済学と言う時たんなる学問としての経済学ではなくもっと人間生活に密着した社会経済という意味でとらえるからこんなふうに思うのかもしれません。) やはりわたしには経済学においては人間の行動心理学のほうが数学より大切のように思われますが、どうですか?
補足
詳しくご回答いただき有難うございました。貴回答を何度も読み返しましたが、私の経済(学)に対する認識がまだまだ未熟だというのがよく分かりました。あなたのアドバスのようにもう少し系統的に経済学の初歩からスタートして実態経済の解説本を読んで見ます。なお現今の経済についての解説本であなたが初心者に薦められる本があればお教えください。 なお自然科学を学んだ一人として、貴回答の導入部『地球シミュレーター....科学ではない.... 運動方程式....科学でない...』あたりについての私は『科学である』とはっきり言い切ります。問題は残念ながら人間の英知がまだまだ自然界の法則すべてを解明することが出来ず、また解明できた法則であってもその法則を用いて事象解明をする方法、手段(例えばコンピューター)がまだまだ事象の複雑さを解明できる程に高度に発達していないだけのことです。