地方国立大の工学系教員です。
そんなことを言っているとは、何ともあきれた人ですね。
結論から言うと、もちろん違います。
国立大への編入は、高専や短大・一部の専門学校など、「その先」がない教育機関を出た学生に、同じ分野で、さらに高度な教育を受ける機会を確保するのが、本来の目的です。ですから、4年制大学に在学中の学生が、在学中に他大学に編入する、ということは、本来は想定されていませんでした。
当然、編入先の専門分野も、編入前と同じ、という大前提がありました。そうしないと、編入前に取得した単位を編入後の大学で認めることができない=所定年限で卒業できない、となってしまいます。
ところが、その後、編入の規準が緩くなってきて、4年制大学の途中から別の4年制大学に編入できる、といった、何ともあきれた・おかしなことが、可能になってきてしまいました。
しかも、さらにあきれたことに、特に、文系、あるいは私立では、編入後の専門分野と編入前の専門分野が異なっても良い、といった大学も現れているようです。まあ、そういった大学は、学生集めに四苦八苦しているのだと推測しますが。
このサイトでも、時折、「第一志望に合格できなかったから」、あるいは「今の大学では自分がやりたいことが出来ないから」、との理由で、2年後に編入を狙うことの是非に関する質問があります。
また、あきれたことに、回答者の中にも、そのような編入を薦める回答をする人もいます。
いずれも、編入という制度の趣旨を取り違えていますね。
ということで、少なくとも神戸大は、上で書いた「学生集めに四苦八苦している」ような大学ではないので、本来の編入学の趣旨に則った編入試験をすると思います。その人も、単なるリベンジのつもりだと、苦労する事になると思います。
蛇足ですが、私の所でも、「制度的には」4年制大学の途中から編入してくることが可能になってしまいました。もちろん、入試に受かることが前提ですが。しかし、実際に編入学してくる学生は、ほとんどが高専で、あと、短大や専門学校がごく少数、といったところです。
うちの場合、4年制大学からの編入だと、過去に1人だけです。その学生は、他の国立大工学部から編入してきたのですが、結局、成業できませんでした。