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過去の電車暴走事故に対する疑問

過去に起きた電車暴走事故で、なぜその電車を止めることができなかったのかを疑問に思うものが2件あります。 長年機会があればそれを知ろうとしてきましたが、未だにその理由を見付けることができていません。 かなり古い話ですので難しいとは思いますが、もしその理由をご存じの方がいらっしゃいましたら教えていただけないでしょうか。 それらの事故というのは以下の2件です。 1.1971/3/4に発生した富士急電車脱線転覆事故 2.1971/10/25に発生した近鉄特急脱線転覆衝突事故 まず1ですが、当該電車は3100形2両編成(Mc-Mc)、制動装置はSME(電制付)、事故原因はこの電車に乗用車が側面から衝突し、床下のブレーキ装置を破壊したためブレーキが効かなくなったことであり、このため当該電車は数km暴走した後カーブを曲がりきれず脱線した、となっています。 これについてですが、1台の乗用車が電車を脱線させることなく、2両双方の床下機器を破壊するのはまず不可能ですから、被害を受けたのは1両だけだと考えられます。 次に何が破壊されたかということですが、某ペディアには「空気溜め」と記述されています。 もしこれが元空気溜めを指しており、そしてブレーキシリンダやロッドが無事であったのならば、補助空気溜めからのエアで非常ブレーキをかけることはこの車両においても容易であったと思われます。 また電制がなぜ使えなかったという点も疑問です。 更にもし万一、この車両のすべての床下機器や配管、配線が損壊していたとした場合でも、もう一方の車両から見た場合、余分な荷物を背負わされている点さえ除けば列車分離以上の悪い状態ではありません。 非常管が損壊していればもちろん自動的に、もしそうでなくともそちらの車両のブレーキハンドルを操作すれば少なくともこの車両には非常ブレーキがかけられるはずです。 この場合1両分の制動力で2両を止めねばならないわけですから、下り勾配で列車を止めるのは容易ではないかも知れません。 しかし元々100km/hなどという速度で走行していたわけではないでしょうから、ブレーキが加熱して効かなくなるという事態にはならないはずです。 これらにもかかわらず、なぜこの電車はカーブを曲がりきれないほどの速度で暴走してしまったのでしょうか? 次に2についてです。 こちらは12000系、12200系の混結4両編成(Mc-Tc-Mc-Tc)、制動装置はHSC-D、事故原因はブレーキシリンダへのエア供給コックを閉めきった状態でブレーキを緩解し、かつ手歯止めを外してしまったことであり、このため下り勾配で電車が自然に動き出し、シリンダへエアを送れないためにブレーキをかけることができなくなり暴走し、垣内東信号場のポイントで脱線転覆したものとされています。 こちらの場合、空制が全く使えない状況だったことは容易に理解できます。 しかしハンドルを操作すれば直通管の圧力は上げられるはずですから、M車にはそれに見合った電制がかかるのではないのでしょうか。 そして何よりも決定的なことは、これらの車両が抑速ブレーキを装備していた事実です。 これはおそらくマスコン操作で扱うものでしょうから、その動作にはブレーキシリンダがどうこうといったことは全く関係がないものと思われます。 抑速ブレーキですから完全に停止させることはできないかも知れません。 ですが伝えられるような120km/hなどといった速度で暴走することは完全に阻止できたはずではないでしょうか? またこの事故にはもう一つ疑問点があります。 それは垣内東信号場には安全測線があったにもかかわらず、なぜ事故車がわざわざ本線に入り込んでしまったのかという点です。 信号故障があったとは報じられていませんから、ポイントは安測側だったと思います。 この点に関しまして某ペディアには「カーブを曲がりきれず(切り通しの上にある)安全測線から転落した」といった記述がなされていますが、これは間違いだと思います。 なぜなら、報道写真で見る限り安全測線のレールにはいささかの乱れもなく、またそこの架線柱も破壊されたりしていません。 その写真のずっと手前の方でそのようなことがおきた可能性は無いとは言い切れませんが、もしそうだとすると事故車は安全測線で脱線し、切り通しから転落した後、線路でもないところを車両同士がぶつかり合ったりすることのないまま数10mに渡って走行したということになります。 これはほとんどあり得ない事態ですので、結論としてポイント部分で本線側に割り出してしまったと考える以外にありません。 どのような理由でこういうことがおきたのでしょうか? 以上よろしくお願いします。

みんなの回答

  • yanpori
  • ベストアンサー率0% (0/0)
回答No.6

はじめまして、yanporiです。 たまたま、この質問を見たので、 答えになっていないと思いますが、 富士急行事故についての情報をお書きます。 踏切に止まっていた、日産のトラック(1000cc)の荷台に積んであった、 ベニヤ板が、風で舞い上がり、 車両を直撃しました。 この時、ブレーキ系のホースを切断したそうです。 運転手さんは、ブレーキを手動でかけたようですが、止まることは、ありませんでした。 車両には、非番の富士急行の方も乗車していたようです。 余談ですが、 この時、被害者の方々は、後方の車両に移動したようです。 それでは、失礼します。

dmj28h
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >ベニヤ板が、風で舞い上がり、 >車両を直撃しました。 >この時、ブレーキ系のホースを切断したそうです。 これは驚くべき話だと思います。 普通に考えた場合、これだけなら直ちに自動的に非常ブレーキがかかって電車は停車し、かすり傷を負う人さえゼロですみそうですよね。 そもそもこれでブレーキが効かなくなるのなら、前駅までどうやって電車を停めることができていたのかをどうにも理解できないのですが…。 >この時、被害者の方々は、後方の車両に移動したようです。 なるほどねぇ、だから被害が大きくなったということですね。 とっさにこうしたくなるのは当然のことですが、このケースの場合は完全に裏目になっちゃいましたね。 先頭車は何とかカーブを曲がり切って直線部分に逃れ、横転もせずに側面を山にこすっただけですんだようですから。 暴走事故で衝突より曲線通過時の危険の方が大きい場合、案外先頭車がもっとも安全なのかもしれませんね。

  • akak71
  • ベストアンサー率27% (741/2672)
回答No.5

546を見てください。 車両の間にある、ブレーキホースが破損すると、暴走する。=現在改良したかは不明。 総武線で暴走してよく人が死亡しなかった。

参考URL:
http://unkar.org/r/jnr/1220126030
dmj28h
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >車両の間にある、ブレーキホースが破損すると、暴走する。=現在改良したかは不明。 リンク先を読みましたが、ご指摘箇所のやや下の549に 「トラブル原因はブレーキ管損傷じゃなかったよ。それだったらバックアップ系統の自動ブレーキから止められる。」 と書かれてあります。 このようになるのでははないでしょうか。

回答No.4

こんにちは、No.1です。 >なぜこうならなかったのか、ということがこの事故へのもっとも大きな疑問だったのですが、制動がかかっていたのに止められなかったということですか…。 これなら納得できます。 制動は掛かっていたと思いますが、 ◇40パーミルの急勾配 ◇ブレーキ軸数1/2という状況 不幸にも、この二つの環境が止まらなかった要因として大きいと思います。 ブレーキ軸数2/2でも、40パーミルの急勾配での停止は、ハンドスコッチを噛ませないと不安になります。 そして、40パーミルという勾配は、鉄道の世界では厳しい環境です。 >ただ、転覆現場のカーブはわりと緩やかで、100km/h以下ではまず脱線しないと思われます。また車両の損傷具合から見ても実際に尋常ではない速度が出ていたと推察されます。 それは、今の時代から見てですから、参考になりません。 今の時代は、PC枕木、重軌条、ロングレールですが、この時代の富士急だと、もっと軽いレール、しかも25mの定尺レール、枕木も木製で、曲線での横圧の許容も変わってきますから。 >一方当該電車は衝突後数kmに渡って走行したわけですし、その間には平坦な区間もあった事でしょう。それにもかかわらず編成の半分といえども非常制動のかかった状態で、そのような速度まで「加速」しまうというのは今ひとつ腑に落ちない感じです。 富士急線は大月から富士吉田(今の富士山駅)まで片勾配。 平坦な区間など殆どありません。平坦に見えても勾配のある個所ですから。 >力行後、ノッチをオフし惰行で走行している電車はこの状態とは違うのでしょうか? 違います。 ノッチオフの際は、制御器内部の逆転器は電制側になっていて、ブレーキハンドルを操作すると励磁後電制が立ち上がり、カム軸が動くことでモーターの逆起電力と、発生電力を抵抗器に流す事で制動力を生みますが、EBで停止した場合は力行側に倒れている状態ですから。 >再力行する際、ノッチを入れてから実際に電車が再加速を開始するまでに結構タイムラグがありますが、これはカム軸の回転に時間を要することによるものではないのでしょうか。 そうです。 >また、もしこの事故の際に一旦力行していれば(実際には難しいでしょうが)電制は使えた可能性があるわけですか? 机上の意見で、常識ではあり得ないです。 止まらない状況で力行するなど。 何の為に、EBは空制制動なのかを考えれば、ご理解いただけるかと思います。 確実な制動手配を取るためですよ。 そういう背景がありながら近鉄の事故で止まらなかったのは、乗務員でない人間がBC締切コック+チリコシを触り、意思伝達がちゃんとなされていなかったからになります。 車両構造の問題では無く、処置不適切。完全な関係者によるミスです。 当該事故車を担当した運転士は、驚いたと推察されます。一番確実な方法を取っているにも関わらず、ブレーキが掛からないのですから。 自分で処置したのなら、ノーブレーキ状態で動かさないでしょうし。

dmj28h
質問者

お礼

何度もご回答下さいましてありがとうございます。 >制動は掛かっていたと思いますが、 > >◇40パーミルの急勾配 >◇ブレーキ軸数1/2という状況 > >不幸にも、この二つの環境が止まらなかった要因として大きいと思います。 この状況ではやはり止められないわけですね。 >富士急線は大月から富士吉田(今の富士山駅)まで片勾配。 >平坦な区間など殆どありません。平坦に見えても勾配のある個所ですから。 そうでしたか。 富士急には一度しか乗ったことが無く、またその当時はこの事故についてあまり意識していなかったもので。 >>また、もしこの事故の際に一旦力行していれば(実際には難しいでしょうが)電制は使えた可能性があるわけですか? > >机上の意見で、常識ではあり得ないです。 >止まらない状況で力行するなど。 確かにこれはその状況に置かれている当事者が行い得ることではないですね。 既にお書き下さっているように、真相は関係者でない限り知ることはできないでしょうから、失礼ながらご回答いただいた内容が絶対的な唯一無二の理由である、とは言い切れないかもしれません。 しかし、おかげさまで私自身では思い付くことのできなかった可能性を知ることができ、実際におきてしまった結果に対して納得することができました。 本件ではその他も含め、色々なことをお教え下さいましてありがとうございました。

回答No.3

こんばんは、NO.1です。 ワタシも生まれる前の話しで、新聞の記事も専門外の記者の記事で参考にならず、事故報告書の類は各社にちゃんとあるとは思いますが、そんなモノは表には出ませんし関係者以外は知る由はありません。 推察が入っている事をご承知ください。 >富士急の件では電車は走行中、乗用車に側面衝突され、その後止まることなく(それができずに)暴走してしまったのだと思いますが…。 乗用車ですか… ワタシはトラックと思っていたのですが。 いずれにしても、新聞の記事ですらそのくらいの精度です。これ以上は憶測や推察が入ってしまうのは致し方ないと思います。 乗用車でもトラックでもどちらでも良いのですが、床下配管を破壊する位なので、トラックの荷台側から踏切に後退する形で侵入。そして荷台部で床下配管を破壊したのかなと思います。 乗用車でもトラックでも、正面からでしたら、床下配管を破壊する前に車体側面を凹ます程度で済みますから。 そして、記事には引きずっているともあります。 おそらく、この時点で床下の配管はグッチャグチャに。 補助空気ダメのエアで制輪子を押さえるというのは理屈では合っているのですが、元空気ダメから台車までの配管そのものの破壊。 台車の内部に空気ダメがあるのでしたら、質問者様の仰る通りの形となり停止したかもしれませんが、鉄道車両の台車内部は電動機やギアがぎっちり入っています。ブレーキを掛けるエアタンクは、すべて床下にぶら下がっているモノです。 >しつこいような、理解力が無いようなことで申し訳ありませんが、自動空気ブレーキにおいてブレーキ管が破損した際は、SMEにおける非常管破損時と同様、各車の補助空気溜めに予め込められていたエアが動作弁の動きでBCに送られるのではないのでしょうか? 理屈合っています。しかし、そのタンクは床下にあります。引きずって床下を剥がすように破壊すれば、台車まで圧縮空気は至らず制動力を喪失します。 そして、無傷のもう一両には非常制動が掛かったと思われますが、この場所は不幸にも40‰の勾配区間。 ハンドスコッチ噛ませられず、ブレーキ軸数が1/2では勾配に負けます。 ブレーキ軸数1/2ですから、制動力が足りなかった結果になります。 だから転動し、そのまま転落したという結論になります。 >つまりEBの動作で制御器の動作が失効した状態にされてしまっていた、という理解でいいのでしょうか? ただ、そのリセットが暴走している間に行えなかった点には疑問が残ってしまいます。 失効とは違うのですが、制御器の回路は停止してただのトロッコの状態なので、もし電制を利かせるには力行させて回路を構成させてから制動手配が必要になります。 もう少し分かりやすく説明しますと、 電制は、カムの進段状況によっては電制が立ち上がらない事もあります。 具体的言うと専門的な話になってしまうのですが、 今回、EBで停止し、制御器内部のカム軸が開始段まで回転して戻ってしまっています。 電制を利かせるには力行してカム軸を2段目、3段目と進ませなければ、使えないのです。 >私は運転台が見える状態でATSが動作した、という経験は1度しかありませんが、その際には停車後運転士さんは慌てもせずに「リセット」(何のリセットか分かりませんが)と書かれたスイッチを引き、それだけで何事もなく再発車できたのですが。 それだけでは分かりかねます。 ATS動作によるベル鳴動なのか、保護動作によるベル鳴動か、両方考えられますので。 リセット操作といっても、 ATS動作に対するリセット操作なのか、 それとも制御器が保護動作を起こし、離れてしまった高速度遮断器(HB)を復帰させるためのリセット操作なのか。 質問者様の記述の内容だけでは、流石に分かりません。

dmj28h
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 >乗用車ですか… >ワタシはトラックと思っていたのですが。 確かに軽トラックだったと思います。 すいません、何となく書いてしまいました。 >そして、無傷のもう一両には非常制動が掛かったと思われますが、 なぜこうならなかったのか、ということがこの事故へのもっとも大きな疑問だったのですが、制動がかかっていたのに止められなかったということですか…。 これなら納得できます。 ただ、転覆現場のカーブはわりと緩やかで、100km/h以下ではまず脱線しないと思われます。また車両の損傷具合から見ても実際に尋常ではない速度が出ていたと推察されます。 一方当該電車は衝突後数kmに渡って走行したわけですし、その間には平坦な区間もあった事でしょう。それにもかかわらず編成の半分といえども非常制動のかかった状態で、そのような速度まで「加速」しまうというのは今ひとつ腑に落ちない感じです。 >今回、EBで停止し、制御器内部のカム軸が開始段まで回転して戻ってしまっています。 >電制を利かせるには力行してカム軸を2段目、3段目と進ませなければ、使えないのです。 力行後、ノッチをオフし惰行で走行している電車はこの状態とは違うのでしょうか? 再力行する際、ノッチを入れてから実際に電車が再加速を開始するまでに結構タイムラグがありますが、これはカム軸の回転に時間を要することによるものではないのでしょうか。 またもしこの事故の際に一旦力行していれば(実際には難しいでしょうが)電制は使えた可能性があるわけですか?

回答No.2

こんばんは、No.1です。 >これがなぜブレーキ機能喪失に繋がるのかが理解できません。 私のSMEブレーキに対する認識は以下のようなものなのですが、どこが間違っているのか教えていただけないでしょうか SMEではないようです。 ちょっと調べたのですが、このクルマは発電併用の自動空気ブレーキです。 SMEは単車なら使いますが、編成列車での採用例は無いはず。 黎明期ならもしかしてと調べ直したのですが、やはり電制併用の自動ブレーキのようです。 理由は、質問者様ご自身が仰っている通りです。「そんな危ない物を連結運転用のブレーキシステムとして採用しているはずはない」 だから、日本では直通ブレーキで編成列車は、明治時代などの初期はさて置き、昭和の時代では既に採用していません。 セルフラップのHSCで直通ブレーキのシステムが復活しても、非常時用に自動ブレーキの機構は残してあるのです。 エアはBPとMRPの二本だけです。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ このクルマが、仮にHSCだったとしても、転動の時点で運転士はEBを入れていますし、EB入れる⇒BPは0キロパスカルに減圧されています。 減圧に比例してMRP⇒BCにエアが行き、制動力が発揮されます。 最悪の事態考えられるのは、MRPからBCにエアが行かない程の破損状況の場合。この場合は、EB入れても制動力はゼロになります。 今の時代なら、最終手段で保安ブレーキ入れて止めるのですが…。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ BP破損で、列車分離時と同じく自動でブレーキは掛かるはずですが、トラックが潜りこんで元空気ダメ破損。 配管も破損しているのなら、BCにエアが込まりません。 まして、このクルマには保安ブレーキなど無いですから、もうお手上げだったと思われます。 転動前にハンドスコッチを噛ませられれば、この事故は防げたかと思います。 >>電制を掛けるに、制御器内部の逆転器がこの状態では電制側になっていません。 >>発生電力が無く、電制を掛けるに励磁されていない状態です。 >>この状態では電制は掛かりません。 >>抑速ブレーキも使えません。 >上の「この状態」いうのはどういう状態を指しているのでしょうか。 >そしてその「この状態」を解除する事は車上では行えないのでしょうか? BC締切コック+チリコシとは別の話しになります。 電制は、制御器内部での回路のつなぎ変えで成り立っています。 力行と電制、基本的な理屈は同じです。 回路を繋ぐ順序を変える事で、逆の仕事をしています。 それが制御器の中にある逆転器です。 運転士がマスコンハンドルを力行⇒オフにすると、制御器内部の逆転器は電制側に変わります。 HSCなので、セルフラップ帯の位置に応じて、まずSAPでエアが立ち上がり、同時に電制を立ち上がらせるために励磁します。ここでタイムラグがあります。電制が立ち上がると電空制御器によってBCに掛かっているエアを車輪に接する程度まで電磁弁で自動で一気に減圧します。 電制はモーターの逆起電力を活用し、そして制動の加減は車両の抵抗器のつなぎ方に委ねられるのですが、逆起電力を活用するという事は、低速になると逆起電力が無くなり電制は使えません。 そこで電空制御器によって減圧されていたSAPのエアが元に戻り、以降空制で停止します。 今回の近鉄の事故の場合、ATS動作で停止なので、EBと同じ動作になります。 BPを電磁弁を励磁して一気に抜き、BCが立ち上がり不緩解に。 EBは必ず動作させる必要があるので、速度に関係なく電制では無く空制で止まる仕組みです。 ATS動作で停止⇒つまり、EBで停止と同じ状態⇒停止後の転動⇒回路は既に電制を構成する回路ではなくなっている⇒電制は使えない。 保安ブレーキはあったと思いますが、今回、BC締切コック+チリコシを扱い、ブレーキシューは車輪を噛まない状態⇒保安ブレーキ操作してもブレーキシュー自体が動かない⇒だから制動力喪失となったのです。

dmj28h
質問者

お礼

またご回答下さいましてありがとうございます。 >SMEではないようです。 >ちょっと調べたのですが、このクルマは発電併用の自動空気ブレーキです。 そうだったのですか。 どこかでその記述を見たように思っていたのですが…。 不確かなことを書き申し訳ありません。 >転動の時点で運転士はEBを入れていますし、 >転動前にハンドスコッチを噛ませられれば、この事故は防げたかと思います すいません。 これは近鉄の話でしょうか? 富士急の件では電車は走行中、乗用車に側面衝突され、その後止まることなく(それができずに)暴走してしまったのだと思いますが…。 >BP破損で、列車分離時と同じく自動でブレーキは掛かるはずですが、トラックが潜りこんで元空気ダメ破損。 >配管も破損しているのなら、BCにエアが込まりません。 しつこいような、理解力が無いようなことで申し訳ありませんが、自動空気ブレーキにおいてブレーキ管が破損した際は、SMEにおける非常管破損時と同様、各車の補助空気溜めに予め込められていたエアが動作弁の動きでBCに送られるのではないのでしょうか? このため富士急の件においては少なくとも被害に遭っていない車両の方では非常ブレーキが動作したはずだと思うわけです。 もし自動ブレーキにおいて非常ブレーキの動作に元空気溜めの関与が必須であるとしたならば、例えば貨物列車などは列車分離の際、機関車の元空気溜めが無事であっても貨車の方には絶対にブレーキがかけられなくなると思うのですが…。 貨車には元空気溜めどころか元空気溜め管すら存在しないわけですから。 電車の場合でもCPの無い車両には元空気溜めは無いのではないでしょうか? >ATS動作で停止⇒つまり、EBで停止と同じ状態⇒停止後の転動⇒回路は既に電制を構成する回路ではなくなっている⇒電制は使えない。 つまりEBの動作で制御器の動作が失効した状態にされてしまっていた、という理解でいいのでしょうか? ただ、そのリセットが暴走している間に行えなかった点には疑問が残ってしまいます。 私は運転台が見える状態でATSが動作した、という経験は1度しかありませんが、その際には停車後運転士さんは慌てもせずに「リセット」(何のリセットか分かりませんが)と書かれたスイッチを引き、それだけで何事もなく再発車できたのですが。 最後に、これはもう本件とは関係ないので余分な事とは思いますが >SMEは単車なら使いますが、編成列車での採用例は無いはず。 >黎明期ならもしかしてと調べ直したのですが、 >だから、日本では直通ブレーキで編成列車は、明治時代などの初期はさて置き、昭和の時代では既に採用していません。 お言葉を返すようで申し訳ありませんが、これは(元)空気溜めと直通管しか持たない単なる直通ブレーキ、つまりSMブレーキのことではないでしょうか? 私の認識ではこれに非常管や補助空気溜めを付け加え、連結運転時のフェイルセーフ性を確保したものがSMEブレーキだと思っております。 3両編成ぐらいまでなら応答性を含め実用性があるとのことで、地方私鉄や或いは大手でも例えば1997年の昇圧前の京阪大津線(2両編成)などで使われていた(いる)のではないでしょうか。

回答No.1

こんばんは。 ◇富士急の事故に関して >もしこれが元空気溜めを指しており、そしてブレーキシリンダやロッドが無事であったのならば、補助空気溜めからのエアで非常ブレーキをかけることはこの車両においても容易であったと思われます。 この車両の状態が正常ならば、質問者様の思っていらっしゃる通りで、MRPの圧力が規定値以下ならば安全面を考慮して力行回路は繋がらない、空気ダメ⇒ブレーキ作用装置(三動弁)を介しブレーキが掛かりますが、今回は大元の空気ダメを破損しMRPが無い状態。BPが0パスカル、BCも無く完全にフリー状態。 そして、MGは規程のMRP圧力が無いと動かないモノ。 交流の電源は無く、CPは動かないのでエアは作れず。 交流を整流して直流の制御回路に使うにも、MGが停まってしまったら残りはバッテリーの容量だけになります。 乗用車の側面からの衝突、当然処置に時間が掛かります。 元空気ダメが破損すれば、MRPは一気に抜けてしまいます。 MGが止まり、バッテリーも無くなれば、直流回路は構成できず、当然電制など生きません。 だからブレーキが生きずにそのまま流れ、脱線転覆という事態になったのです。 ◇近鉄の事故 こちらは処置のミス。 これは台車側のBC締切コックとチリコシを触ってしまっているので、もうブレーキシューは掛かりません。 当然、保安ブレーキも。 まして、ATSの誤作動が原因だと、電気的な要因からのEB動作なので、全車両一斉に掛かってしまったと思います。 締切コックとチリコシを触って、しかも全車でやったのでしたら、もうブレーキは掛かりません。 処置としては?な行動です。 なんで締切コックとチリコシを弄ってしまったのか? 1車ならば分かるのですが、処置中に全車不緩解が分かれば、作用装置が原因では無く電気的な要因だと気づきそうなモノなのですが。 NFBを入り切りしなかったのでしょうかね。 逆に言うと、処置のミスだから、歴史に残る事故になってしまったとも言えます。 電気的な不緩解ならば、NFBの入りきりで分かったと思いますし、ATSが原因ならば切放で動けるのですがね。 そして、 >しかしハンドルを操作すれば直通管の圧力は上げられるはずですから、M車にはそれに見合った電制がかかるのではないのでしょうか。 ココが違います。 電制を掛けるに、制御器内部の逆転器がこの状態では電制側になっていません。 発生電力が無く、電制を掛けるに励磁されていない状態です。 この状態では電制は掛かりません。 抑速ブレーキも使えません。 >それは垣内東信号場には安全測線があったにもかかわらず、なぜ事故車がわざわざ本線に入り込んでしまったのかという点です。 暴走車を脱線させて止めて正面衝突させないための安全側線ですが、時速120キロは想定外です。 想定外ゆえの結果になります。 報道の記者は鉄道に関しては素人です。記事からでは真実は分からないと思います。 正確な原因や関係者の行動は、近鉄の内部文章でわかるでしょうけど、近鉄社員がそんな事をココで書く事はないでしょう。 これ以上については、警察や近鉄関係者は知っていると思いますが、それ以外の人間は知る由はありません。

dmj28h
質問者

お礼

ご回答ありがとうございます。 おかげさまでいろいろなことが分かりました。 ただ私の知識では理解できないような事も多く、厚かましいとは思いますができましたらもう少しご解説をお願いできないでしょうか? まず富士急の件ですが >交流の電源は無く、CPは動かないのでエアは作れず。 >交流を整流して直流の制御回路に使うにも、MGが停まってしまったら残りはバッテリーの容量だけになります。 >乗用車の側面からの衝突、当然処置に時間が掛かります。 >元空気ダメが破損すれば、MRPは一気に抜けてしまいます。 >MGが止まり、バッテリーも無くなれば、直流回路は構成できず、当然電制など生きません。 このあたりは理解できました。 でも >大元の空気ダメを破損しMRPが無い状態。BPが0パスカル、BCも無く完全にフリー状態。 これがなぜブレーキ機能喪失に繋がるのかが理解できません。 私のSMEブレーキに対する認識は以下のようなものなのですが、どこが間違っているのか教えていただけないでしょうか。 1.CPを持つ車両に元空気溜めがあり、それには一定の圧力のエアが溜められている。また各車にこれに繋がる元空気溜め管(これがMRPですよね)が引き通されている。 2.ブレーキをかける際、ハンドルを操作すると元空気溜め管から、これまた各車に引き通されている直通管にエアが供給され、それがBCに流れ込んでブレーキがかかる。 3.一方これらとは別に非常管が各車に引き通されており、そして更にこれは各車に設置された補助空気溜めに通じている。これらにも一定の圧力エアが供給され、もし列車分離等により非常管が破断した場合、その急減圧を検知して動作した弁が補助空気溜めのエアをBCに供給するような流れをつくり、結果非常ブレーキが作用する。 今回の場合この3の後半部分が「適用」されなければおかしいと思うのです。 もちろん補助空気溜めへのエア供給は、CPが動かずまた元空気溜めが破損している状況では新たにはできないでしょう。 しかし既に込められていたエアで動作する分には問題がないのではないでしょうか。 列車分離の際には当然元空気溜め管は損壊し、たとえ元空気溜めが無傷でも破断箇所からエアはすべて漏れ出してしまうと思われます。 またもちろんこの状態ではいくらCPがフル運転しても意味がないでしょう。 そしてもしこれが理由でブレーキ機能が全喪失するのであれば、フェイルアウトそのものであり、そんな危ない物を連結運転用のブレーキシステムとして採用しているはずはないと思うのですが? 近鉄の件 こちらが空制に期待できないのはもっともだと思います。 電制に関してなんですが、 >電制を掛けるに、制御器内部の逆転器がこの状態では電制側になっていません。 >発生電力が無く、電制を掛けるに励磁されていない状態です。 >この状態では電制は掛かりません。 >抑速ブレーキも使えません。 上の「この状態」いうのはどういう状態を指しているのでしょうか。 そしてその「この状態」を解除する事は車上では行えないのでしょうか? 締切コックやチリコシの状態が制御器に影響するというのはどうもピンとこないのですが…。 またこれは余分かも知れませんが、「この状態」時に力行することは可能ですか?(もしこれが可能でしたらいわゆる「逆ノッチ」などという手もあるかも知れないと思ったもので)。 よろしくお願い致します。

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