ピラミッド造成の巨石運搬エレベータ構造?
文章短縮化のため、 <である口調の論文体> で表すことを御許し下さい。
(疑問の概要)
御存知クフ王ピラミッド造成の巨石運搬は、大別して二通りある。
2.5t(トン:石灰岩)の場合と、 60t(火成岩) の場合とで大きく異なる。
2.5t の巨石運搬は、ゆるい傾斜路を橇かコロに載せ多数者が牽引する方法で、周知のとおり。
60t 巨石の揚程 (登坂運搬)の方は不明な点があり、真相を知りたい。
60t の巨石揚程は、エレベータ方式と称して釣合錘りで運び上げたとの仮説が有力だ。 この場合、綱による引張りをどう支えたかの方法不明と、錘材をどう調達したかに謎がある。 仮説が一例程度しか見当たらず、本当はどうなっていたか不明のままとなっている。
[参考 a]『ピラミッドはこうして造られた』(巨石の運搬手法)
説明文=資料の中程 [エッフェル塔鉄骨(赤いエレベータ箱) ] 写真前後と、[巨石]・[石切風景](作業数人)] 図の下「王の間を形作る花崗岩は—」の文。 http://poyoland.jugem.jp/?eid=464
(質問)
ギザのクフ王ピラミッドの造成で、巨石の運搬をエレベータ方式と仮定した場合の引張り綱の構造仮説について、探しているが単独の検索では中々発見できない。多数者の中でもし構造や方式の仮説を知っていたら、その裏付けの公表資料(URLか図書名)を知らせて欲しい。
(疑問 A) エレベータ方式の綱の中央折返し箇所の支持構造について、資料 b の丸太3本の例がもう少し詳しく出ている資料はないか。
或いは、そのほかの構造や方式は公表されていないか。
(疑問 B) エレベータ籠ヘバランス錘を積むための石材は、どこから調達したかの公表記事はないか。
Webや書誌に資料が無ければ、解明がそこ迄進んでいない状況を知る情報でもあり、懸案ごとの整理となるので、それなりの意義がある。
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(空白室-設営石材の状況)
なぜ60t の硬い石質の石組みが必要かは、ピラミッド内の王の間のような空室が、軟質な石材では上方の重さで空室が崩れないよう耐力を強化するのが一つ。更に、硬い石材でも空室天井へ水平に置くと広面積では割れて崩れる危険があるため、天板を切妻屋根形に組んで耐力を向上させるため、と推察される。
(曳き綱引張り支持の状況)
60t の巨石運搬は、急勾配の傾斜路が設けてあり、仮説ではエレベータのように巨石を篭に載せ [釣合錘り] の力で引張り揚げたと想像されている。
この場合、巨石材と錘りの両方を繋ぐ綱の折返し引張部を、どう支えたかの支持構造が不明瞭となっている。
現代のスキーリフト終端では、巨大なプーリー(自転車リム風の引張り支持輪)で牽綱を支えているが、古代エジプトで巨大プーリーは無理がある。
ウェブに出ていた曳き綱支持と思しき推察図の例を次に示す。
[参考 b]『クフ王のピラミッド』(綱の折返し引張部の構造) 想像図=資料の中程 [石棺の写真と線描図] の上 http://egyptguruguru.ninja-web.net/complete/pyramid/giza-kufu.html
この資料の想像図では、牽き綱(複数)の1本ごとに丸太1本で折返し引張り支持しているように見えるが、丸太が1m以下の小円径では綱の傷みが激しく耐久性が短かいので、実用できたのかは疑問がある。実際には、丸太を大円周形に3~4箇所設け、大円形のプーリーに相当する折返し構造をとれば、緩い曲げ半径により綱の耐久性は得られる筈だ。
また、最大120t 程度の重量を引張り支持する丸太を、どのように拘束保持したかの構造にも謎がある。もし丸太の保持が甘いと、破損したとき綱もろとも巨石と錘が傾斜路の下まで瞬間に滑り落ちるので、危ない状況は此の上ない。
(エレベータ式運搬による釣合い錘の状況)
60t 巨石のエレベータ式運搬で、上層の場所で錘をどこから持ってくるかに疑問が湧く。
いま巨石を上層へ運んだと仮定しよう。上のエレベータ籠を空にし、下の籠は錘を降して次の巨石を篭へ載せることになる。上層へ持上げるには、上層の場所で次の錘を積まなければならないが、その錘はどこから持ってくるのか、どう調達したのか確認されていない。
この場合の錘になる石材は、緩い傾斜路を人力で揚げた 2.5t 級の石材のほかには見当たらない。 もしそれを錘にするなら毎回10個以上、最大20個程度を費やして傾斜路下へ降ろすことになる。
エレベータによる巨石搬送 仮説の動画を次に示す。
[参考 c] 『ピラミッド構造の謎』(籠に載せた巨石と錘の昇降) 動画=第2話目の後半
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52120318.html
仮説の動画を見ると、巨石と錘とが同じレールの上を走り、櫓の上下ですれ違うらしい方式をとっていて、これなら円滑に実現したと思える。
錘をどこから持ってくるのかについては、交代の作業員が錘になって降りる方法もあるが、重量の釣合い24.5t~60t を得るには最少318人 (最大750人) ほどが必要で、昇降籠に乗切れず実現は無理がある。 この場合の錘は石材が最適だが、上層では牽引で揚げた石材のほかに的確な錘材が見当たらない。
建造は完成しているので実行された筈だが、その造成手段が解明されていないのは研究が進んでいないということなのだろうか。
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推察文を断定と混同されることがあるが、話の本筋が外れ解釈が錯乱するので、筋と語を正しく理解するよう努めて欲しい。
質問板で事例などを紹介・説明するとき、[推察]は述べるが断定することはない。断定は、研究を深めた学者がすることと考えている。その差は大きいので、取違えないようにして欲しい。
◆「断定」は、定説で真実が確定している場合の <決定・言明> 記述。 文例:「-だ」「-した」「-れる」「-となる」「-ならない」
◆「推察」は、未確認・未決定で予測・推理する場合の <仮想> 記述。 文例:「恐らく-」「-筈だ」「-ではないか」「-と思える」
なお、王の間などに使われた石材名は、資料類の多くが「花崗岩」としているが、状況写真を見ると花崗岩に特有なゴマ塩風の白黒斑点(黒雲母・角閃岩や長石・石英)が無い。 [流紋岩] 又は [斑糲 (ハンレイ) 岩] のように見えるので、それら(火山岩・深成岩)を総称する「火成岩」と記した。
[参考] 『地球の科学—3.火成岩の分類』(火成岩と深成岩の図解)
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/chikyu/kaseigan-03.htm