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銅にニッケルめっきをする際の電圧
化学便覧を読んでいたら、銅にニッケルめっきをする際に電圧をかけると書いてありました。 しかしながら、標準電極電位はNi<Cuなので電圧をかけなくてもNiが溶解し、Cu電極に析出すると思うのですが、なぜ電圧をかける必要があるのでしょうか?Niの析出電位よりも水素過電圧による水素イオンの還元反応の電位が低くなっているはずなので、これを考慮しても電圧をかける必要がないとおもうのですが。 お答えいただけると幸いです。
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勘違いしてますね. アノードをNiに,カソードをCuにとります. ここで,Niが溶解するためには,Cu上で何がおこればいいでしょうか. Niの析出がおこってもいいですが,この場合は,Cu自体は酸化還元していないので,Cuの標準酸化還元電位は何の意味もないのです. カソード近辺にCu2+がいるなら,これがカソードに析出して,同時にNiは溶解できます.これが標準電位でNi<Cuであることの意味です. 酸性溶液であれば,H+が還元されるということもあるでしょう.電位的には Ni<H2 ですから,これは可能性があります.しかし,CuやNi上の水素過電圧は,ほぼこの電位差と同程度ですので,熱力学的にはともかく,速度論的にはこの変化は極端に遅いでしょう. 次に,Cu上にごくわずかにでも金属Niが析出したとしましょう. この時点で,両極は金属Ni電極ということで,電極反応的には同じものになります. したがって,電位差を外部回路から与えない限り反応は進行しません.
お礼
なるほど。納得しました。 電池と電気分解などややこしくしっかり理解できていなかったので助かりました。