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質量欠損って何がなくなったの?

原発事故についての興味からいろいろ読んでいるのですが、ひとつ疑問が。 核融合あるいは核分裂の際に生ずる「質量欠損」は、一体何が「減って」しまったのでしょうか。 まさか素粒子ひとつひとつが小さくなったとは思えませんし。 お分かりだと思いますが、私は文系なので、できるだけ単純な足し算引き算でご教示いただけたら幸いです。

質問者が選んだベストアンサー

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  • eatern27
  • ベストアンサー率55% (635/1135)
回答No.6

ニュートン力学以前は「構成要素の質量の総和」を求めれば「全体の質量」が求まると考えられていたのですが、特殊相対論以降、その考えが正しくない事が明らかになったんです。 「全体の質量」と「構成要素の質量の総和」に差がある事をふまえて、その差が質量欠損と呼ばれています。 「質量欠損の分の質量」が消えたり減ったりした結果として、質量欠損が生じている訳ではありませんので、「何が減ったのか」という質問に対する答えは「何も減ってなどいない」という事になります。 核分裂により質量欠損が生じるのは、単に核分裂後に生じた粒子たちの質量を『個別に』考えているからです。たとえ核分裂後であっても、「核分裂してできた原子核たち全体」の質量は核分裂前と一切変わりません。 この質量の場合のように、「構成要素それぞれについて計算したある量の総和」が、 「全体に対してその量を計算して得られる量」と等しくないというのは、この質量の話に限った事ではありません。 a,b,cをベクトルとし a= b + c という関係があるとしましょう。 この時、三角不等式と呼ばれる |a|≦|b|+|c| という関係があります。(三角不等式と呼ばれます) この不等式が言っているのは、 aという「全体」のベクトルの長さ(絶対値)は|a|よりも、 b,cという「(aの)構成要素」のベクトルの長さ(絶対値)の総和は|b|+|c| の方が大きくなっています。 詳しい説明は省きますが、質量欠損というのも数学的にはこの三角不等式と等価な話です。a,b,cが原子核(の4元運動量)にベクトルの長さが原子核の質量に対応します。

ita-roo
質問者

お礼

おお、詳しくは分かりませんが、三角不等式は漠然ながらイメージしやすくなりました。 明確なご教示ありがとうございました。 また、ベストアンサーはおひと方しか選べないのが残念ですが、幼稚な疑問に丁寧に答えて頂いた皆様に感謝します。 ありがとうございました。

その他の回答 (5)

  • shiara
  • ベストアンサー率33% (85/251)
回答No.5

原子核は、陽子と中性子が集まって出来ています。これらはしっかり結びついていてまったく動かない、というものではありません。核力のポテンシャルは井戸型をしていて、陽子と中性子は、井戸型ポテンシャルの中で自由に動き回っていると考えられます。したがって、陽子と中性子は、運動エネルギーを持っています。これを原子核の外から見ると、原子核の質量は、陽子と中性子の質量の他に、陽子と中性子の持っている運動エネルギーから来る余分な質量を持っています。この余分な質量と運動エネルギーの関係は、よく知られているE=mc^2となります。 核分裂によって原子核が2つに分裂すると、それまで陽子と中性子が持っていた運動エネルギーの一部が、原子核全体の運動エネルギーに変わります。原子核全体としての運動エネルギーが増えるということは、温度が上昇するということです。これが原子炉で発生する熱となります。核分裂した後の原子核は、その原子核を作っている陽子と中性子の運動エネルギーが減っているため、原子核としての質量が減ることになります。これが質量欠損です。

ita-roo
質問者

お礼

なるほど!そういうことでしたか。 ではやはり、当初の僕が考えていた予想とは大きく違う、驚きの真実でした。 詳細にわたるご説明、ありがとうございました。

  • okada2728
  • ベストアンサー率22% (13/58)
回答No.4

原子が単独でA、Bでいる状態と、結合してABの状態でいるのでは結合エネルギー分だけ質量差が生じる、という説明では無理でしょうか。(質量とエネルギーは等価なので)

ita-roo
質問者

補足

それは分かるのですが、では【何が】消えたのか、その消えた質量は元々何だったのかということが分からないのです。

  • papapa0427
  • ベストアンサー率25% (371/1472)
回答No.3

キーは中性子です。 物質は原子からなります。原子の中心には原子核があり、原子核は陽子と中性子できています。 核分裂の場合は、原子核が割れて中の中性子が飛び出てきます。その中性子が別の原子核にぶつかると園原子核も分裂します。これを連続的に起きると核分裂の連鎖反応で、激しく臨界状態になると原子爆弾になり、制御棒や減衰材(水)なで中性子の量を制御したり、スピードを減衰させれば原子力発電になります。 で、残った原子にはなくなった中性子分質量が減る事になります。 核融合の場合は、H3(重水素)が癒合反応を起こしてHeに変わります。そのとき、原子の構成で物質ごとに陽子と中性子の数が決まっていて、あまった分は、エネルギーとして放出されます。その分質量も減る事になります。単純にご説明してますので悪しからず。

ita-roo
質問者

補足

核分裂は中性子の放出と衝突の連鎖、これは分かります。 ただ、「中性子が移動」していることは理解できるのですが、「消失」はどの時点で起きているのか分かりません。玉突き事故が起きたとして、車が移動することはあっても、車は消えませんよね。一番最後の核分裂の後、中性子がどこかに行ってしまうのはイメージできますが、それは「行方不明」なだけであって「消失」ではないのでは?という疑問がなお残るのです。 あるいは、「この世からある質量が消えてしまう」(対消滅みたいな感じ)という私のイメージそのものが間違っているのでしょうか?

  • hokke1
  • ベストアンサー率40% (238/593)
回答No.2

大学を出てしばらく経つので、完全に正確な記憶ではなくてすみません。 電子・陽子・中性子の数は減っていなかったと思います。(総数は同じ) 個々の粒子がちょっとずつ軽くなったのでもなかったと思います。 粒子の質量、と言われているものは、単体での質量のはずです。 単体の質量×数=全体の質量、ではなく 単体の質量×数≒全体の質量、という感じでしょうか。(わずかに異なる) この辺が原子の不思議な性質なのです。

ita-roo
質問者

お礼

なんと、実に意外な回答で衝撃を覚えております。 本当に不思議な性質ですね。 度々のご回答、ありがとうございました。

  • hokke1
  • ベストアンサー率40% (238/593)
回答No.1

減った質量はエネルギーに変わったのです。 e=mc^2 (エネルギー=質量×光の速度の二乗) 光の速度は一定、つまり「定数」です。(固定で、変わらない値、という意味です) なので物理学的には、エネルギーは質量と同じもの、です。 質量がエネルギーになったり、エネルギーが質量になったりします。

ita-roo
質問者

補足

えっと、基本原理みたいなのは一応知ってるつもりなんですが、【減ってどうなったのか】が趣旨ではなく、例えば太陽であれば、水素をヘリウムに換えてエネルギーが生じてるわけですよね。 だったら、最初の水素を集めた質量と、核融合後のヘリウムを集めた質量では後者が軽くなってると。 では、【何が】減ったのか、が疑問なんです。 電子・陽子・中性子のうちのいずれかの【数】が減ったのか、それとも総数は同じだけどそれぞれが【ちょっとずつ軽く】なったのか。 低レベルな質問で恐縮です。

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