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「未必の故意」とはどのようなことをいうのでしょうか?
ten12の回答
masatoshi-mさんの回答を少々噛み砕きましょう。 >未必の故意について知りたい ということですから、刑法上の説明でよいと思います。 「故意・過失」という言葉を聞いたことがあると思います。「未必の故意」について理解するには、故意と過失について理解する必要があります。 1 故意 「自分の行為が犯罪にあたることを知りながら、これを容認してその行為に出 る意思」を言います。 簡単に言えば、「盗もうと思って盗む・殺そうと思って殺す」ことです。悪い ことと判っていて、なおその行為を行うこと(犯罪を犯す意思)ですね。 2 過失 「注意を欠いたため、(犯罪となる)結果の発生を予見しないこと」を言いま す。平たく言えば「不注意」ですね。 故意との違いは、「自分の行為が犯罪で あることを判っているか」(認識)「犯罪となる行為を行ってもいいと思ってい るか」(認容)という点で、両方ともない場合が本来の過失です。 「殺そうとは思っていなかったが、殴ったら死んでしまった」(過失致死)と か、「周りをよく確かめないでゴルフクラブを振ったら、近くにいた人に当たっ て怪我をさせてしまった」(過失傷害)という場合がそうです。 刑法では、故意犯を罰することを原則としていますので、刑法上に「過失犯を 罰する」旨の規定がないと過失犯は罰せられません。過失が罰せられるには 注意義務違反の有無・予見可能性・因果関係・期待可能性 などが必要ですが、これは長くなるので割愛します。 3 未必の故意 殺人を例に取れば、「このナイフで相手を刺せば、相手は死ぬかもしれない。 でも、死ぬなら死んでもいいや。と思って人を刺した場合」などが端的な例で す。 この場合、「死ぬかもしれない」と人が死ぬ結果になることを予測しなが ら(認識)、「それでもいいや」と思って(認容)人を刺すのですから、相手が 死亡すれば「殺人罪」に問われます。「殺してやろう」と思っていない(積極的 に結果の発生を意欲していない)から、「未必の故意」なわけです。 1で説明した「故意」があったと認められるわけです。 「認容」するかしないかが大きな違いで、「死ぬかもしれない」とは思いなが ら、「まさかそんなことになるはずはない」と考え(認容しない)、その行為を 行った場合は「認識ある過失」といって、「過失」とされます。 と、こんなところでどうでしょうか。舌足らずですみません。 法律用語のURLはわかりません。 私の知識は、もっぱら書籍によります。
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