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基音という定義について(音楽、音響工学、電気工学、電波工学)
発音体の出す音が複合音の時、その最も低い音を "基音(基本周波数)" とされていますが。 実際の楽器では、本当にその通りになっているのでしょうか? 例えばピアノで、ラ音(A4)を鳴らします。 当然その音に、倍音は幾つか含まれているのでしょうが 440 Hzより低い周波数成分は全く含まれていないのでしょうか? またホワイトノイズに基音という概念は存在するのでしょうか?
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- sinisorsa
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基本周波数という考え方は、厳密には、信号が周期的な場合の ものです。 この場合、信号の最長周期に対応する周波数を基本周波数と 言っているわけです。 周期的信号は、基本周波数の整数倍の周波数成分を持つというのが、 フーリエ級数展開ですね。離散的なスペクトルを持つわけです。 実際には、完全に周期的ということは余りありませんので、 だいたい周期的(準周期的)ということになります。 この場合には、スペクトルは連続となります。 スペアナで観測する場合、完全な周期的な信号であっても、測定の 時間窓と信号周期が必ずしも一致しませんから、分析結果が ぼけます。すなわち、連続スペクトルと見えます。 スペアナで、このように見えるから、周期信号のスペクトルが 連続というのは誤解です。
スペクトラムアナライザで分析した波形を見るとわかるのですが、基音・倍音というのはその周波数の音だけがピンポイントで出ているわけではなく、基音の周波数に一番高い出力のピークがあり、第二倍音の周波数にその次の出力のピークがあり…という風になっていて、その間の部分も弱いながらも出力があるのがわかります。そして、基音より低い周波数成分も出力されています。 人間の耳(脳)は、原則として、一番低く一番出力の高いピーク周波数を基音と感じて音程を理解しているようです。参考になるURLを見つけたので入れておきます(いくつか出てくる例のうち、最初の例がいきなり「原則を外れる例(※)」なので適当ではないのですが)。 ※基音自体の出力は小さいが、第二倍音以降の配列から人間の脳が基音部分を補って解釈していると考えられる例 尚、ホワイトノイズは「全ての周波数で同じ強度」というのが定義ですから、ホワイトノイズに基音という概念はないと思います。
お礼
なるほど、素晴らしい回答ありがとうございます。 一番低く一番出力の高いピーク周波数を基音と感じて音程を理解するのですね。 実は、私もそうじゃないかなぁ、と薄々思いながら質問してみましたが 確信に変わりました。(ハモンドオルガンのドローバーを弄っている時に、疑問を抱いたのです。)