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直線型錯体のd軌道分裂について

d軌道分裂について 直線型錯体のd軌道分裂はどのようになるのでしょうか? 結晶場理論で考えようとすると、その直線がx軸、y軸、z軸のどの方向に向いているかによって分裂の仕方が変わってはこないでしょうか。 例えばx軸またはy軸に直線が乗っていると、クーロン反発によりdx^2-y^2のエネルギーは上がりますが、z軸に乗って いるとdx^2-y^2のエネルギーは逆に下がる気がします。 結晶場理論において、錯体の軸の取り方をふまえて直線型錯体のd軌道分裂がどのようになるか御説明お願いします。

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回答No.1

> 直線型錯体のd軌道分裂はどのようになるのでしょうか? 直線がz軸の方向に向いている場合の準位図は - dz^2 = dxz,dyz = dxy,dx^2-y^2 のようになります。エネルギーが最も高いdz^2以外の準位は、二重縮退しています。 > その直線がx軸、y軸、z軸のどの方向に向いているかによって分裂の仕方が変わってはこないでしょうか。 軌道の名前は変わりますけど、分裂の仕方は同じです。例えば、直線がx軸の方向に向いている場合の準位図は - dx^2 = dxy,dxz = dyz,dy^2-z^2 のようになります。dx^2は、dz^2と同じ形をしていますけどz軸方向ではなくx軸方向に沿ってのびている軌道です。dy^2-z^2は、dx^2-y^2と同じ形をしていますけどxy平面上ではなくyz平面上にある軌道です。 > x軸またはy軸に直線が乗っていると、クーロン反発によりdx^2-y^2のエネルギーは上がりますが、 dx^2とdy^2-z^2は  dx^2 = (√3dx^2-y^2 - dz^2)/2  dy^2-z^2 = (-dx^2-y^2 - √3dz^2)/2 のように、dz^2とdx^2-y^2の一次結合で表されます。ですので、直線がx軸の方向に向いている場合の準位図を dz^2,dxz,dyz,dxy,dx^2-y^2を使って書くと - (√3dx^2-y^2 - dz^2)/2 = dxy, dxz = dyz, (-dx^2-y^2 - √3dz^2)/2 のようになります。これから分かるように、直線がx軸の方向に向いている場合は、「dx^2-y^2のエネルギーが上がる」と考えるのではなく、「dx^2-y^2とdz^2が混ざり合って新しい軌道が二つできる(dx^2とdy^2-z^2ができる)」と考えた方がいいです。

porkey
質問者

お礼

大変わかりやすい御説明ありがとうございました。

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