ビジネススーツのパンツについて

質問

裾の形として、ダブルとシングルがありますが、
それぞれにどのような印象やイメージがありますか？

回答No.2

Aoki Ken（@kenaoki） · ベストアンサー

ニューヨークから失礼します。
　まず、スーツ組下スラックスの裾のダブルとシングルという言い方
については外国語ではない、つまり英語ではなくて日本語だという
ことを良く認識してください。海外、特にアメリカや英国等、英語圏
の国においては、よほど日本人慣れしている観光客目当ての御店以外
ではシングル、ダブルと言っても通じません。
　一般にダブルはCuffed Bottomsカフド ボトムス(スラックス
は左右あって複数ですから,必ずSを付けます。) 気取った店では
"turn up"と言うこともあります。シングルについては多くの場合plain bottomsプレイン ボトムスという言い方をします。
現地の通りにしてもピンとこられないでしょうから、以下日本式に
シングル、ダブルで話を進めますが、基本的に紳士服、特にスーツに
ついては、そのルーツは軍服なのです。中でも、現在では式典用の
ものについては、足を真っ直ぐ且つ長く見せるため、また隊列行進の
際に一段と足が揃ってキビキビ、美しく揃えて見せるため等の理由
から、スラックスの側部の縫い目に”ブレイド”と呼ばれるテープ状
のものが縫い付けられているのです。(時折第二次大戦の映画等で、
ドイツ軍高級将校の軍服でブーツ姿のスラックスのサイドの部分に
テープ状の物が縫い付けられているのを見たことがおありになるかも
しれません。）この仕様は現在のタキシードや燕尾服の組下スラックス
においてもそのまま受け継がれており、これについては御存知かも
しれませんね。つまり、フォーマルウエアにおいては、このブレイド
があるため、裾を折り返してダブルにしたくても、そうすることが
出来なかったのです。(無理やりすれば不可能でないかもしれません
が、裾がものすごく膨らんで格好悪くなってしまいます。）
　こうした事情もあって、ビジネススーツについては、フォーマル
ではなく、オフィシャルウエアであり、日常の仕事において着用する
デイリーユースのウエアであると解釈され、そうした意味において
フォーマルと区別するため裾に折り返し、つまりダブルにするように
なったのです。以下まとめると、
　シングル------　フォーマル、非日常
　ダブル-------- オフィシャルビジネス、日常
という解釈でよいでしょう。
　19世紀半ばにほぼ現在の形に近くなった紳士服、スーツは
20世紀前半にほぼ完成し、それまでの歴史を鑑みてクラシック、また
はトラディショナル等とカテゴライズされている、所謂伝統的な製法、デザインを尊重したものが欧米においては恒に主流です。(日本では
どうだか知りませんが。）
　今日においては、生地や仕立てなど随分と軽量化され、また裾の
ダブル、シングルの決定に靴のデザイン、特に製造法も強く関連し、
例えばグッドイヤーウエルト製法の靴などは、男性的なフォルムを
持っているものが多く、スーツ生地と仕立ての軽量化と合わせて、
やや感覚的に考察してみると、裾をダブルにした場合の方が、
スラックスの裾がやや重くなるため、スラックスと靴の接触部の
収まりが良くなるという考えを支持する方は洋の東西を問わず多い
ようには思います。昔の方(日本人)の中には、裾をシングルにした
場合、内側に5円玉を縫いこんで裾を重くしていた方もおられました。
こうすることによって、スラックスの裾をよりきれいに落としていた
のです。またシングルの場合には、英語では一般にズバリ"Military
ミリタリー"と言うのですが、日本語ではモーニングカット（いかにも
英語風ですが、こういう言葉ほど英語が出来ない人が考えるもの）
と言われる, 裾を後ろ下がりに、つまり斜めにカットすることに
よって、裾の前部が靴の甲の部分であまりもたつかないながらも
靴の後部、踵の部分まできれいに隠すことが出来るので、後姿を
ややすっきりと見せることも可能です。これについては、やや裾の
広いスラックスの裾をダブルにしても同様の効果を得ることが出来
ます。ちなみに、ダブルの裾の巾が大きくなればなるほど、スポーティ
になるという感覚を持っている人が欧米には多いです。スーツには
３．５ｃｍ巾だったり、単品のスラックスについて４．５ｃｍと
決めている人もいないではないですが、基本的には、その方の
身長と体格、靴のサイズなど、トータルなバランスでダブル巾を
決めることの方が多いでしょう。一般的な日本人の体格でしたら、
４ｃｍにされておけば、どの時代でも大きな間違いはないでしょう。
　現在、裾の選択については、シングル、ダブル、どちらでも
着用者の方のお好みで構わないと思います。但し、くどいですが、
クラシックなモデルのスーツを選ばれ、なおかつグッドイヤーウエルト
製法の靴を合わせられるのであれば、ダブルの裾の方が個人的には
お薦めではあります。
　ダブルからシングルへの変更は全く問題なく可能ですが、その逆は
裾の縫い代が10数センチないと難しくなります。最も、
”偽かぶら”とか、”偽マッキン”などと呼ばれる方法でダブルの
裾のように見せることも可能ですが.....
最後に、裾が靴にあたる部分のたるみ具合を日本では”クッション”
と言っていますが、これも日本語で、英語では”ブレイク”と
言います。
　”洋服”、つまり西洋から来た文化であるからには、本当は
彼らの言葉の意味を正しく理解し身に着けることがまずは肝要なこと
だと思うのですが。日本人らしい着方やサイズがどうのこうの、言う
のは実はそれからの話だと思います。

回答No.1

ihelpu

ダブルは、ややカジュアルな印象、若々しい。
シングルは、ドレッシー、大人っぽい。
ビジネススーツの基本はシングルです。
パンツと靴が流れるようにつながるのがベストです。

ジャケットにも同じことが言えます。
袖口を軽く折り返すだけで、カジュアルな印象になります。