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フレデリック・ニーチェって?
serpent-owlの回答
- serpent-owl
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「思弁speculation」は、古典的には実践知の対概念です。現実生活の中で役立つ技術的・道徳的な知恵が「実践知」ですが、これに対して、ただ認識と論理による説明のためにのみ行われる思惟が「思弁」です。 古代ギリシアでは「観照theoria」と同一視されることがありました。現実生活の中では、人間誰しも他の何かに対する手段とならざるをえませんが、そのような在り方を離れて、「不動の動者=他のすべてにとって目的であり、決して手段とならないもの」を観念する生活、それが「観照」です。実践知とは次元のちがう知のあり方、そしてそれによる生活ということです。 また「思弁」は経験知の対概念でもあります。 人により状況により、「感覚」というものは変化します。同じものを見ても、昼と夕方とでは見え方がちがう。またさらに、「感覚」は肉体にそなわった器官に依存します。このため、「感覚は信じることができない」という立場が古来からありました。すると、この「感覚」を唯一の入り口として成立する「経験」というものもまた、信じるに足りないものとなります。「経験は知の土台にはなりえない、経験は排除すべき」との考え方が生じます。 するとここに、経験によらず、純粋に論理だけで演繹をすすめる思考の在り方が生まれます。これが「思弁」、「思弁的思考」です。 しかし、上記のような「現実の実用を離れた知」というのは、裏を返せば「役に立たない知」ということですし、「経験を離れた知」というのは、まったく現実離れした無意味な知にもなりえます。…というか、ほとんど確実にそうなります。 ここから、特に近代に入ってからは、ですが、「思弁」という言葉は「空理空論」というネガティブな意味合いで用いられることがほとんどです。したがって、自らの思想的立場を「思弁哲学」と称する哲学者はほとんどいません。例外的に、直観的理性によって絶対者の全体に直接到達できると考えたシェリングや、カント的理性を「悟性」と言い換えて、経験を超えて飛躍しうる理性の力を「思弁的」と呼んだヘーゲルは、この語を積極的な意味合いで用いています。 しかし…こう書いてきましたが、なんか、質問者の意図とズレてるような…。 次の「なぜ哲学者は物事を逆さまに見たのか」ですが、もう少し内容を具体化していただけるとうれしいです。マルクスのヘーゲル批判なのかなぁ…とか一瞬、思いましたが。それともニーチェとの関連で言うと…「価値評価する視点の反転」(『道徳の系譜学』)かな…。 P.S.「フレデリック」は英語発音で、ドイツ語では「フリードリッヒ」になります。
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