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ギブスエネルギーGと化学ポテンシャルμの関係について

μを化学ポテンシャルとすると、ギブスエネルギーGは  G=Σμini と表されますが、このμiと  μi=δU/δNi(Uは内部エネルギー、Niは物質量) のμiが等しいことを示せません。 自分なりに調べてみましたが、全然わかりませんでした。 わかる方がおりましたら、教えてください。 よろしくお願いします。

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  • jamf0421
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回答No.2

元に遡って泥臭い方法でやってみます。 dU=dQ-PdV...(1) 可逆過程なら、dQ=TdSだから dU=TdS-PdV...(2) です。 H=U+PV, F=U-TS, G=H-TS=U-TS+PV...(3) の定義を(1)に使えば dH=TdS+Vdp, dF=-SdT-PdV, dG=-SdT+VdP...(4) を得ます。ところで(2)に対応する全微分の式は、 dU=(∂U/∂S)(V一定)dS+(∂U/∂V)(S一定)dV...(5) (以下一定とする変数は偏微分のあとに単に括弧書きします。) (2)と(5)の係数を比べると (∂U/∂S)(V)=T, (∂U/∂V)(S)=-P...(6) 以下まったく同じやり方で、 (∂H/∂S)(P)=T, (∂H/∂P)(S)=V, (∂F/∂T)(V)=-S, (∂F/∂V)(T)=-P, (∂G/∂T)(P)=-S, (∂G/∂P)(T)=V...(7) 開放系(物質が出入りする)にうつって、内部エネルギーの独立変数をS,V,n1,n2...ととれば全微分の式は dU=(∂U/∂S)(V,n一定)dS+(∂U/∂V)(S,n一定)+Σ(∂U/∂ni)(S,V,nj一定)dni...(8) です。ここでj≠iです。これに(6)を適用すれば、 dU=TdS-PdV+Σ(∂U/∂ni)(S,V,nj)dni...(9) 同様にして、H,F,Gの(8)に対応する全微分の式を書き、これに(7)を適用すると、 dH=TdS+VdP+Σ(∂H/∂ni)(S,P,nj)dni...(10) dF=-SdT-PdV+Σ(∂F/∂ni)(T,V,nj)dni...(11) dG=-SdT+VdP+Σ(∂F/∂ni)(T,P,nj)dni...(12) 一方(8)に対して(3)を適用すると、Σ(∂U/∂ni)(S,V,nj)が触られませんから、 dH=TdS+VdP+Σ(∂U/∂ni)(S,V,nj)dni...(13) dF=-SdT-PdV+Σ(∂U/∂ni)(S,V,nj)dni...(14) dG=-SdT+Vdp+Σ(∂U/∂ni)(S,V,nj)dni...(15) (10), (11), (12)と(13), (14), (15)を比べると、 (∂U/∂ni)(S,V)=(∂H/∂ni)(S,P)=(∂F/∂ni)(T,V)=(∂G/∂ni)(T,P)...(16) と同じ値になります。この量が成分iの化学ポテンシャルμiです。 なおx1,x2,...の一次の同次関数については一般的に f(x1,x2,...)=Σ(∂f/∂xi)xi の関係が成立します。G=G(T,p, n1,n2,...)は示量変数n1,n2,...について一次の同次関数なので G=Σ(∂G/∂ni)ni=Σμini...(17) となります。他の関数ですと、ni以外にS、Vなどの示量変数を独立変数として含みますので、(3)を使ってGと結び付けて U=Σμini+TS-PV H=Σμini+TS F=Σμini-PV という形になります。

noil_1989
質問者

お礼

返信遅くなって申し訳ありません。 補足もしていただき、詳しく回答していただきありがとうございます。 とても助かりました。 またわからないことがありましたら、聞かせていただきますのでよろしくお願いします。

その他の回答 (2)

  • jamf0421
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回答No.3

No2です。 >(3)を使ってGと結び付けて >U=Σμini+TS-PV >H=Σμini+TS >F=Σμini-PV >という形になります。 などと書きましたが、むしろ、一次の同次関数の性質 f(x1,x2,...)=Σ(∂f/∂xi)xi をつかえば、U、H、HはそれぞれniのほかにSとV、S、Vを示量変数として含むので U=Σμini+TS-PV H=Σμini+TS F=Σμini-PV となる、と書いた方がスマートでした。

回答No.1

熱力学第一法則(+第二法則)から dU = TdS - pdV + Σμi*dni, μi=(∂U/∂ni)(S,V一定) 内部エネルギーUとギブス自由エネルギーGはルジャンドル変換 G = U - TS + pV で結びついており dG = -SdT + Vdp + Σμi*dni, μi=(∂G/∂ni)(T,p一定) (☆) となる。途中μiには何の変更も加えられていないので当然同じもの。 G=Σμini からスタートしても dG=Σni*dμi + Σμi*dni にGibbs-Duhemの式 SdT-Vdp+Σni*dμi=0 を代入すると(☆)が得られるので、同じ結論をうる。 こんなところでしょうか。 答えになってるかどうかわかりませんが。

noil_1989
質問者

お礼

返信遅くなって申し訳ありません。 回答ありがとうございます。 とても助かりました。 またわからないことがあったら聞かせていただきますのでよろしくお願いします。

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