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リチウムイオン電池中でのアニオンの挙動

基本的な質問かもしれませんが・・。 リチウムイオン電池はリチウムイオンが正極・負極への挿入脱離を繰り返すことによって作動する二次電池ですが、アニオンはその電池内部ではどのような挙動をするのでしょうか?正極・負極で反応を起こしていたりするのでしょうか。それともただ単に電極に向かって移動するだけなのでしょうか。 リチウムイオン輸率を向上させようとする試みが色々行われているので、ただ移動しているということではないように思うのですが・・。 もしよろしければどなたかご教授願えないでしょうか。 よろしくお願い致します。

  • o-k-
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  • htms42
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回答No.1

リチウム電池の動作原理については分からないことが多いというのが本当の所ではないでしょうか。 いくつか調べてみましたが書いてあることはバラバラです。 こうやったらうまくいったというレベルで理論はまだはっきりとは整理されていないのではないでしょうか。応用分野の人が何とか理屈をつけようと色々書いているが妥当性があるかどうかは分からない、開発の途中なのでまだ理論的には整理されていないという印象です。 負イオンの挙動についてのご質問ですが正イオンのLi+の動きについても説明はバラバラです。 化学電池であれば酸化・還元反応できちんと反応が整理されているはずです。Li+の還元は起こっているのでしょうか?ここに目をつけてみてもバラバラですからついていけません。 書かれているようにLi+が正極・負極への挿入・脱離を繰り返すだけでLi⇔Li++e-の変化が起こっていないのであれば化学電池ではありません。 充電の場合で言うと負極で(イ)黒鉛の格子の間にLi+が侵入するとしか書いていないもの、(ロ)カウンターの電荷が必ず必要なので電子が同じだけ黒鉛上にたまるとしているもの、(ハ)その電子とLi+が合わさってLiに変わるとしているものと3通りありました。(ロ)はコンデンサーの充電と同じものになってしまいます。(ハ)は還元が起こっています。ネットの記事では(イ)が多いです。 (ロ)の場合、正極で電子不足状態が出来ます。正極はアルミニウムの上にLiCoO2を塗布したものですからアルミニウムから電子が移動して帯電状態になります。その分LiCoO2からLi+が脱離する事になるでしょう。反応は起っていないということであればだけLi+の濃度だけの問題になりますから濃淡電池になってしまいます。これは化学電池ではありません。決まった起電力が出てくるという説明もできない事になります。 (ハ)の場合が分かりやすいです。でも酸化されているのは何かがハッキリしません。CoO2^-がCoO2になると書いてある本も見ましたがCoは2+、3+が安定であるとされていますので本当かなとも思います。 でもこういう風にLi+の変化の対になるものを示しているのは少数です。多いのは LiCoO2→Li(1-x)CoO2+xLi++xe- です。でもCoの酸化数が変化しないのであればこの式は酸化・還元の式としては意味を持ちません。LiCoO2の中でもLi+のはずだからです。右辺のLi(1-x)CoO2という式が何を表しているのかもハッキリしません。Coの酸化数が変わってCoO2ができているというのであればxCoO2+(1-x)LiCoO2のことだということになります。とすれば CoO2^-→CoO2+e- と書けばいいことです。(ハ)の内容になります。 化学便覧応用編第五版(平成7年)には 正極活物質:LixCoO2 負極活物質:Li/カーボン と書いてあります。 ここでの説明ではカーボン内部に挿入されたリチウム原子が Li⇔Li++e- の変化をするとしています。 ただ「電極反応機構は現在充分に解明されていない」とも書かれています。 インターネットの解説やブルーバックス「新しい電池の科学 (梅尾良之 2007年)」は新しい内容のはずですが内容的には殆ど発展していません。梅尾氏は松下電池工業の技術者です。 Li/カーボンと書かれている負極の反応を LixC⇔xLi++xe-+C と書いてあるのもよく見ます。 このときのCは水溶液の水に対応するものですから書く必要のないもののはずです。 Cを省くとLi⇔Li++e- となります。 梅尾氏の本だけではなく東北大学や東京工業大学の研究室のサイトも見ましたがこういうLixCのような表現が出てきます。 反応式を書く立場にも混乱があるようですので肝腎のところがなかなか見えてこないのです。 リチウムイオン電池についてはよく知りません。ご質問を見て調べてみただけです。思い違いがあるかもしれません。 電気化学が専門の方もおられると思いますので解説が頂けるとありがたいです。 (ロ)の説明は渡辺正著 「電気化学」のなかにあります。還元は起こっていないと断っています。この本の中で負極活物質C6Li、正極活物質としてLi0.5CoO2という化学式を書いています。

その他の回答 (1)

  • htms42
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回答No.2

#1です。 西 美緒氏の本を見つけて読んでみました。 リチウムイオン電池の最初の開発者の書いたものですのでかなり丁寧に書かれています。 他の本に書かれていることが「この部分を抜き出して書いているのだな」と思い当たる形になります。LiC6と書くのとLixCと書くのとの意味合いの違いも分かります。 http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN978-4-7853-8664-1.htm この本を見ても酸化・還元についてはよく分かりません。 負極ではLiではなくてLi+としてカーボン内に存在するというのはKnight shiftで確認したようです。でもそのときにカウンターの負電荷はカーボン上でどういう存在の仕方をしているのかについては書かれていません。 正極では電位がCo^(3+)→Co^(4+)の変化に対応するとかかれていますのでCoO2^(-)→CoO2+e-の変化が起こっている事になります。この分結晶中にあったLi+が電解液の中に抜ける事になります。充電ではこのe-が負極に移動するはずです。 この本でも他の解説でも「正極で脱離したLi+が負極でカーボンに挿入される」としています。質問文の中にも >リチウムイオンが正極・負極への挿入脱離を繰り返す と書かれています。 でもこの文章で「正極から脱離したLi+が負極まで移動してカーボンのなかに挿入される」と理解してしまうとおかしいことになると思います。 正極のLiCoO2から脱離したLi+は電極の近くにたまります。電解液もLi+を含む化合物ですからLi+の濃度が少し高くなります。負極では電解液の中のLi+がカーボンの中に取り込まれます。電解液の中のLi+濃度が少し減少します。これは電極表面からμmレベルの距離で起こっていることでしょう。イオンが実際に正極から負極まで動けばmm~cmのレベルで移動しなければいけません。距離は千~1万倍異なります。正極付近と負極付近で生じた濃度差はゆっくりとした拡散過程で解消されていく事になります。セパレータに穴が開いていないといけないのはこの拡散を保障するためです。 二次電池ですから逆反応が起こらなければいけません。反応に関係する物質が電極近傍に常に存在していなければ二次電池になりません。 正極活物質が電極上に固体として存在するというのはそのための条件です。負イオンCoO2^-が溶液中をふらふらと移動していると二次電池にはなりません。放電充電を繰り返していてLiCoO2の格子構造が壊れてしまうと電極から剥がれ落ちてしまいますから二次電池としては使うことができなくなります。そのために充電時でもLixCoO2のxの値に限界があります。それが約0.5ということのようです。 本によって放電スタート時の組成をLi0.5CoO2と書いてあるのはこの意味でしょう。 鉛蓄電池ではPb, PbO2, PbSO4が全て水に溶けない固体であるというのが重要です。Pb板上に付着したPbSO4がはがれてしまうと放電応力は損なわれてしまいます。古いバッテリーの底に粉状の沈殿物がたまっていることがあります。剥がれ落ちたPbSO4です。こういうことが起こっている電池はもう寿命です。

o-k-
質問者

お礼

お礼をするのを忘れていました。 申し訳ございません。 この回答は非常に勉強になりました。 これからもリチウムイオン電池に関しては興味を持って 勉強していきたいと思います。 ありがとうございました。

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