>1)この文はMaryが元々toの後ろにあったのが、toの前に来て、主文の主語に繰り上がったのでしょうか?
その通りです。
Mary はもともと形容詞 happy の主語で、happy の前にあり、そこから補文 IP の指定部(つまり to の前)に移動し、そこからさらに主節 IP の指定部(つまり seem の前)に移動した、というのが現在のスタンダードな説明です。
>Maryは主文の主語に繰り上がってから格を受け取ったのでしょうか?
それとも、格を受け取ってから繰り上がったのでしょうか?
考え方によります。
主格は時制節の IP 指定部のみが付与できる、という考え方があります。
あるいは、NP は最初から格を持っており、IP 指定部でのみ主格が照合される、という考え方もあります。
普通は単なる言葉遣いの違いで、実質的な違いはあまりありません。
ただし、補文の to 不定詞節は主格の付与も照合もできません。
>3)Maryが格を受け取ったことでΦ素性の値を得るとはどういうことでしょうか?
これは若干、意味不明だが、おそらくはこう言いたいのだろう。
NP は I から格をもらい(あるいは、照合され)、その代わりに、I にΦ素性を付与する。この場合(Mary)のΦ素性は「三人称単数」で、seem に -s がつく。
不定詞節では指定部に格を付与しないので、主語と動詞の一致はない。
まぁ、英語しか知らない英語学者の唱えそうな説だが。
不定詞が主語と一致する言語もあるというのに。
だいたい、there 構文はどうするつもりなんだろう?
お礼
ありがとうございました。