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登記と公信力の関係(2)(登記の要件について)

同じような質問をたびたび行って申し訳ありません。 先日の質問は、回答者様のおかげで解決したのですが、ここでまた疑問が出てきました。 登記には要件が二つあります。そのうちの実質的要件=公信力とみることができそうな気がするのですが、実際、登記の内容と法律関係が一致していない場合が多いのでしょうが、それだと要件を満たさないとして無効になるということにはならないのでしょうか? それとも、登記の要件というのはあくまでカタチだけのものなのでしょうか? そして、何らかの形で実質的要件を審査するすべはないのでしょうか? よろしくお願いします!

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noname#34093
noname#34093
回答No.2

まず、登記の実質的要件と公信力について述べられていますが、これらは全く関係のない事項です。 まず、公信力とは、権利を表示している物があるときに(たとえば登記)、その表示を信頼して取引した者は、その表示がたとえ真実に合致しなくても、表示通りの権利を取得するというものです。 簡単に言えば、取引の安全のための取引上の特別の政策です。 これに対して、登記申請の実質的要件とは、登記を行うとして申請された権利関係が現実の実体的権利関係に合っているかを、登記官の責任をもって調査して登記を許す条件ということです。 公信力は、どのようにすれば、財産取引がうまくいくかという政策上の問題であって、現在は動産について認められています。民法192条。 これは、一応まともな権利関係があるから、真実は関係なく、適法な取引にしてしまおうという強引な制度です。 不動産にまでで認めると、あまりに真実の権利関係が害されるということで、認められていません。 これに対して、登記の実質的要件とは、登記という申請を認めて、公に表示するためには、どの程度の権利の確実性を要求するか、という問題です。 あくまで、真実の権利関係の表示を問題とするので、公信力とは決定的な違いがあります。 そこで、実際の権利関係と一致していない登記は、無効とされます。 では、なぜこのような登記申請が許されているかというと、現在の登記制度が形式的審査しかしていないからです。  つまり、登記所の窓口では、形式的に書類ができているかどうか以上の審査はしません。  これは、実質審査まで要求すると、審査に時間がかかって、登記事務を適切に処理できないからです。  では、実体上の権利と登記の食い違いが発生することについては、配慮が無いのかというと、これはあります。  それは、自己責任といって、「自分の重要な財産である不動産について、わざわざきちんとした書類を作ってまで、嘘の権利を登記する人はいないだろう」という個人に対する信頼ということです。  登記が無効ということは、登記簿に記載されないということは意味しません。  嘘であろうが、本当であろうが、適切な申請があれば、登記簿に書いておく。  ただ、実際に裁判等になって、嘘の登記をした人は、登記をしたことによって得られる利益を失う。ときには、自分の財産を失う。  そういう不利益を被りたくないのなら、きちんと権利と登記を一致させなさいという意味です。  これが現行法上の制度です。  で、回答としては  登記の内容と法律関係が一致していないときは、正当な登記としての効力が認められないという意味で、登記が無効。(ただし、記載の有無は別)  登記の要件というのは、自己責任のもと、カタチだけです。  (もっとも、刑法上の罰則はあります。)  何らかの形で実質的要件の審査という点については、登記制度の信用性の問題でしょう。  ただ、これを認めると、裁判で権利を確認する程度に審査をしなければならないので、登記申請に2~3年かかるという自体も予測でき、不動産売買が過度に制限されたりするでしょう。  政策的な問題です。  さらに、登記に公信力を与えるという点については、全くの取引上の政策の問題ですから、その権利の表示がどれだけ客観的に信用できるかという点が重要です。  ですから、仮に登記申請に、裁判で権利関係を確定するのと同じだけの客観的信用がある実質審査があって、その実質審査について、取引上公信を与えることが正当であるというほどの、信用性が認められたという政策的判断がされた場合に、登記の実質的要件=公信力という関係が成り立つかも知れません。  ただし、この二つの間に、論理的なつながりはありません。

  • fujic-1990
  • ベストアンサー率55% (4505/8062)
回答No.1

 先日の質問というのがわかりませんので、的はずれな回答になるかもしれませんが、 >登記の内容と法律関係が一致していない場合が多いのでしょう  「登記は権利であって、義務でない」ように法律が定めている以上、すでに売却した人が、売却後も所有者のように登記されたままだったり、抵当権や地上権を持つ人が登記されていなかったり・・・ することは仕方ないのではないでしょうか。 >それだと要件を満たさないとして無効になるということにはならないのでしょうか?  法律自身が、それでよいと言っているわけですから、無効にはなりません。  たいした分量でなくても、法律が求める程度の要件は「必要」なのですから、「カタチだけ」と見るのは間違っていると思います。 >何らかの形で実質的要件を審査するすべはないのでしょうか?  現地へ行って、周辺の人に所有者は誰かとか、ほかに耕作者はいないかとか、聞いてみるのが一番じゃないでしょうか。名義人に聞いてみるのもいいでしょうし。  基本的に、まったく登記されたことのない権利には対抗力はないわけですから、問題は、登記されていても中身が違っている(例えば所有者名)場合があるから確認しなければならないとか、登記されていたのに抹消された権利が本当に消滅しているのかどうか確認しなければならないとか、そういうことではないですか。  ですから、登記を盲信しないで、ヒントくらいに考えて現地調査などをされるのがよいかと思います。

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