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溶媒の比誘電率
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- yasegarasu
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御存知のように、溶媒の誘電率とは、分子の集合体である溶媒のマクロ物性の一つであり、電解質の溶解に関する機構に関して、その一部を説明するものでしかありません。よって、誘電率と分子レベルでの挙動を一対一対応させる事は出来ませんので、水に食塩を溶解した場合を例に、分子レベルでの挙動を説明いたします。 NaClはNa+とCl-になる事で各々のイオンはとても安定になりますが、お互いを非常に強く引き合う為、これを引き離さねばなりません。Na+の周りにある水分子は、その酸素原子(ローンペアー)をNa+側に向けます。更に、一部の電子がNa+側に引き寄せられます。要するに双極子能率を有する水分子の配向が変わり、分子内の分極が増幅し、更に電子移動が起こっています。これによりNa+は安定化しましたが、水分子自体は不安定になりました。水分子自体の安定性に加え、隣接する水分子同士の反発が上がっています。Na+を取り囲む水は、外側にH原子を向けています。H上の電荷も通常の水分子より高くなっています。よってその外側にある水分子は、これを安定化するように、酸素原子を中に向けますが、その配向・分極・電子移動の度合いは、Na+に近接した水分子に比べれば小さくなります。Na+との作用も距離が遠くなるので、弱まります。更にその外側でも同様です。水同士の水素結合(sp3混成の四面体構造)をとりやすくなりますし、Na+に引き寄せられながらも、比較的自由に振動/移動できるようになります。Cl-も同様です。食塩水濃度が高い場合、Na+とCl-はかなり近くにあります。計算されてみるとすぐにわかります。この場合は、Na(Δ+)..Cl(Δ-)といった方が妥当でしょう。この極端に分極した分子(?)を水分子が包んでいるとのイメージ。 “誘電率”といった場合、少なくとも溶媒/溶質間の電子移動の効果は含みませんが、溶媒分子の配向や分極、溶媒分子間の電子移動を部分的に含む事となります(誘電率の測定時に起こりうる事)。 よって、元々のご質問に立ち返りますと、誘電率に対する電解質の溶解に関する説明としては、分子の配向が変わる事による電荷の安定化であり、水素結合や配位水などの積極的な溶媒/溶質間の作用は含まず、溶媒分子の分極等は含みはしますが、近似的には無視して良いとの理解で構わないと思います。
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- 回答No.3
- connykelly
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>分極した溶媒がイオン対の+と-に溶媒和し、そして溶媒が動くことによって、解離が促進されたりするのでしょうか 基本的にそのようなイメージでよいのではと思います。参考URLにはもう少し詳しい状況が載っていますので一度覗いてみてください。
- 回答No.2
- connykelly
- ベストアンサー率53% (102/190)
>溶媒の比誘電率が大きくなると、イオン対の解離が促進されると思いますが アニオン(q-)とカチオン(q+)との間にはクーロン引力が作用しています。クーロン力fは両イオン間の距離をr、溶媒の比誘電率をεとするとq+q-/(ε・r^2)に比例しますので、ε→大となるとf→小となって互いに引っ張り合う力が弱くなるということですね。
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質問者からのお礼
ご回答ありがとうございます。 たしかにクーロン力の式から、比誘電率が大きくなるとクーロン力が弱くなり、互いに引っ張り合う力が弱くなるというのは分かるのですが、実際溶媒がイオン対にどのように作用して解離がおこっているのでしょうか。 分極した溶媒がイオン対の+と-に溶媒和し、そして溶媒が動くことによって、解離が促進されたりするのでしょうか。 もしよろしければ、その点に関してお答えください。