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意思能力と行為能力の関係について
法律行為を行うには権利能力・意思能力・行為能力の有無が関係するようですが、その中で「行為能力」があまりよくわかりません。 自ら瑕疵のない完全な法律行為をなし得る能力と書いてあるのですが、わかりやすく言えばどういうことですか? また「意思能力はあるが行為能力がない」という場合はどういう時でしょう? 逆に「行為能力はあるが意思能力がない」場合というのもあるのでしょうか? みなさんよろしく御教授お願いします。
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「自ら瑕疵のない完全な法律行為をなし得る能力」をもう少し単純化すると「法定代理人によって取消されることの無い法律行為をする能力」となります。 未成年者や、成年被後見人などの法律行為は、一定の場合、法定代理人によって取消すことができます。このような取消される可能性のある法律行為をさして、行為能力に欠ける法律行為といいます。 行為能力の有無は、その人が、未成年者であるとか、成年被後見人とされてるなどの事情から、形式的に決まるものであり、実際に、その人がどのような能力をもっているかということとは、直接関係しません。 事理弁識能力に欠けるとか、事理弁識能力が低い者、つまり、意思能力に欠けた法律行為をしてしまいそうな者を、個々の法律行為の際の意思能力の有無を判断しなくても、定型的に保護できるようにするための制度が、行為能力の制限です。 >意思能力はあるが行為能力がない ・19歳の通常の成年であれば、ほぼ大人と同様の事理弁識能力がありますので意思能力は認められますが、法律上、保護者による取消しが認められますから行為能力はありません。 ・認知症で事理弁識能力が欠ける常況にあるとして成年被後見人となったものが、一時的に事理弁識能力を回復した時にした法律行為は、意思能力は認められても、成年後見人により取消し可能であり、行為能力は認められません。 >行為能力はあるが意思能力がない ・健常な成人が泥酔常態でした法律行為は、事理弁識能力が無い時にした法律行為のため意思能力に欠ける行為として無効の主張はできますが、法定代理人による取消は主張できませんから、行為能力はあることになります。 ・事理弁識能力が欠ける常況にあるが、成年被後見人や被補助人とされていない者がした行為も、意思能力に欠け無効の可能性が高いですが、法定代理人による取消しはできませんから、行為能力はあることになります。
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- buttonhole
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意思能力があるかないかというのは、個別、具体的に判断されます。ですから、ある契約をしたときは、意思能力があったが、別のある契約をしたときは、意思能力がなかった(例えばそのときは泥酔していた)ということがあり得るわけです。 一方、行為能力が制限されているかどうかは、一般的、形式的に決まります。つまり、未成年者や成年被後見人等に該当するか否かで決まりますから、ある契約をした時点において、意思能力があったかどうかは、行為能力制限の有無に影響はありません。 たとえば、成年被後見人が、たまたま意思能力を回復して、自己の不動産を売却したとしても、成年被後見人である以上、行為能力が制限されていますので、その契約は、取り消しうる契約となります。 一方、成年被後見人等でもない成年が、自己の不動産を売却したが、その時点で、たまたま泥酔していたとしても、行為能力はありますから、契約を取消しすることはできません。意思能力がないことを理由に契約の無効を主張するしかありません。 ちなみに、意思能力のない制限行為能力者が契約をした場合は、契約の取消を主張するか、意思能力の欠如を理由に契約の無効を主張するかは、当事者の選択に委ねるというのが、通説です。
お礼
回答ありがとうございます。 意思能力と行為能力(制限)の間には、影響を及ぼすことはないようですね。 また質問した際はお願いします。
- Segenswind
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既出の回答とかぶる部分もありますが簡単にいうと、意思能力とは、有効な意思表示をする能力で、年齢的には健康であればだいたい小学校高学年や中学生くらいから認められるようです。 行為能力とは、「能力」と付いているので紛らわしいですが、人に本来的に備わった能力ではなく、法律行為に制限を受けないといういわば地位・資格のことです。 意思能力、行為能力の有る無しについて#2さんが具体的に挙げてくださっていますね。 意思無能力者の行為は当然に無効となり、原則として追認も効力がありません(無効であることを知って追認した場合は有効。民法119条)。一方、制限行為能力者の行為は取消しがなされるまでは一応有効で、法定代理人等により追認されれば完全に有効になります。この点が最大の違いのようです。
お礼
ありがとうございます。 能力というのは、地位・資格のことなんですね。 またいろいろ教えてください。
- mambo_no5
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NO.3です。 私自身、他の方の回答を読んで、少々自信がなくなりました。 一応、私なりの解釈ですが・・ 意思能力のない者のした法律行為は無効となりますので、泥酔者のした法律行為は無効になります。 そうすれば、泥酔者は有効な法律行為を行えない事となり、言い換えれば行為能力が無いと言ってもよいのではないかと考えました。 泥酔者の場合、酔いが醒めれば意思能力が回復することは明らかであり、無効の主張も意思能力が回復した状況で行うことから、言わば自分自身が泥酔時の自己を代理するような形となります。 また、無効な行為ははじめから無効であり、取り消すまでもないと思われます。 (以上、泥酔者に意思能力が無かった事が証明されている前提です) 今回は自信なしでの回答にします。
お礼
ありがとうございます。 いろいろ書いていただいて助かりました。
- paozinho
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意思能力も行為能力も、どちらもルーツは一緒です。つまり、トラブル防止です。 例えば、ぐでんぐでんのお父さんがいい気になってお姉ちゃんにブランド品のバッグを買ってやると言ったとして、それをお姉ちゃんが真に受けてしまったら、翌日には言った・言わないのトラブルになってしまいます。そこで、そのようなトラブルを未然に防ぐために、泥酔者のような意思能力のない者(行為の結果を弁識できるだけの能力を持っていない者)は、そもそも単独では有効な法律行為はできません、ということに民法はしました(条文はないですが)。 もっとも、意思能力があったかどうかの証明は難しいものです。そのために、これを放っておけば、今度は意思能力があった・なかったでトラブルになってしまいます。そこで、民法は、一般的に意思能力が不十分と考えられる者で要保護性の高い者(未成年者や成年被後見人等)を一律に制限行為能力者(一応は有効に法律行為をすることはできるが、後に意思無能力という形式的理由によりこれを取り消すことができる者)として、そのようなトラブルを防止しようとしました。 以上のことから、「意思能力はあるが行為能力がない」場合や「行為能力はあるが意思能力がない」場合を論じる実益は余りないということがわかってもらえると思います(あえて言うならば、前者は未成年者や成年被後見人等を言い、後者は泥酔者等を言うことになります)。どちらも単独では完全に有効な法律行為を行えないという点では同じです。 とまあ、こんな感じでしょうか。
お礼
ありがとうございます。 意思能力の有無を証明するのは、確かに難しいそうですね。 ありがとうごうざいます。
- mambo_no5
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未成年の大学生は、意思能力はあるが、行為能力がない典型だと言えます。 物事を理解する能力は十分にあるが、この大学生がした重大な法律行為は親が(子の意思に反して)取り消すことができます。 逆に言えば親の同意がなければ、大学生と言えども「完全な法律行為をなし得ない」わけです。 幼稚園児などは、意思能力が無いとされています。 幼稚園児などは、自分が示した意思がどのような結果を生むか十分に理解できません。 行為能力の前提として意思能力が無ければならないため、 >「行為能力はあるが意思能力がない」場合 というのは、ありません。
補足
回答ありがとうございます。 行為能力の前提として意思能力が必要ということですが、他に回答されているのを読むと、泥酔時等の時のことを書いておられる方がおられました。 行為能力と意思能力との関係についてもう少し教えてください。 よろしくお願いします。
- attunn
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法学勉強者です。 コンビニでジュースを買う行為について例えてみます。 (1)ジュース欲しいな買いたいな ↑意思能力 (2)実際に商品をレジに持っていってお金をだして買う ↑行為能力 こういう感じです。 そして、「意思能力はあるが行為能力がない」という場合は、ジュースを買いたいと思うが、どうやって買うかわからないことです。まぁ幼稚園ぐらいの子供などにあてはまるでしょう。 その逆は私が勉強してる限りナイと思います。 買いたいと思わないのに、売買行為はしないと思います。
お礼
ありがとうございます。 幼稚園児のことを考えたらよくわかります。
補足
大変詳しくありがとうございます。 なるほど、法定代理人によって取消されるかどうかを考えるポイントなのですね。 よくわかりました。 「行為能力はあるが意思能力がない」についてですが、 他に回答していただいている文章を読みますと、行為能力の前提として意思能力が無ければならないということを考えておられる方もおられて、自分としてはどちらもなるほどと思えてしまします。 意思能力と行為能力の関係についてはどうなのでしょう? 申し訳ありませんが、もう少し教えて頂ければうれしいです。