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とんびはなぜ強風の中をあんなに上手く飛べるのですか
先日江ノ島展望台でいまさらながら驚きました。とんびだと思うのですが強風の中でスイスイ風上に向かって飛んでいました。羽は全くばたばたさせていません。展望台の近くで風上に向かってバランスを取るぐらいの動きでほとんど静止しているのです。かなり強風だったと思うのですが、なぜ風に流されないでじっと止まっているのか不思議でなりません。私は川で泳いだことがあるのですが必死になってクロールしなければ川下に行ってしまいます。鳥が飛行機のように浮遊できることは解りますがプロペラのような推力なしで止まれる技は理解できません。ヨットが風上に走れるのとはわけが違うのではと思います。私の見間違いでしょうか。ご指南お願いします。
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>プロペラのような推力なしで止まれる技は理解できません。 これはNo.1の回答者さんも書かれていますが、グライダーはプロペラのような推力なしで飛べます。実際には位置のエネルギー(高さ)を運動のエネルギー(推進力)に変換しながら滑空しているわけですが、その変換効率がずば抜けて良いため、見ていると高度を下げながら進んでいるようには見えないくらいです。 プロペラやジェットエンジンで飛んでいる普通のセスナ機や旅客機は、高さに対しておよそ10倍くらいの距離を滑空できるそうです。たとえば、高度1,000mで飛行中に突然エンジンが停止してしまっても、パイロットが沈着冷静に滑空の操作をすれば10倍の10,000m(≒10km)の距離を滑空できるので、その間に不時着できる安全な場所を探すことができるわけです。 これがグライダーともなると、性能によって違いますが、高度の30倍から60倍もの距離を滑空できるそうです。高度1,000mから滑空を開始すると、30kmないし60kmもの距離を滑空できることになります。これだけ効率が良いと、サーマルと呼ばれる上昇気流に遭遇するだけでグライダーの機体はぐんぐん持ち上げられて上昇することができます。 海岸付近で海からの強い風が吹いている時、岸に当たった風は少し上に持ち上げられます。とんびがグライダーのように効率の良い滑空をしていて、海からの風が少しだけ斜め上に向けて吹いているならば、双方の力が釣り合った状態で静止しても不思議はありません。 >摩擦が無視できるぐらい鳥の羽はすべすべなのでしょうか。 生きている鳥にさわる機会はめったにないと思いますが、はく製の鳥ならさわる機会があるでしょう。実際にはく製の鳥の羽をなでてみると実にすべすべしています。質問者さんも補足欄に書かれているように、空気との摩擦はほとんど無視できるレベルです。 ここで一つ忘れてはならない事があります。それは、とんびにとってはこのバランスがとれた状態は決して能力一杯一杯ではなく、ある程度余裕のある状態の筈だという事です。海からの風は実験室の風洞で作られたような一定不変の風ではなく、自然の「ゆらぎ」を伴って変化する風ですから、静止状態を保とうとすれば何らかの調節が必要になります。もし能力一杯で滑空していたら、一寸風が強く吹いただけでとんびは後方へ流されてしまうでしょう。また、一瞬風が弱まった時には前へ出てしまうこともあるでしょう。 どうやって調節をするか? 飛行機ならエンジンの推力を調節する事で向い風の変化に対応できますが、グライダーやとんびはどうするのでしょうか。それは、最初に少し触れた「位置のエネルギー(高さ)を運動のエネルギー(推進力)に変換」という作用に秘密があるのです。飛行機でもエンジンの推力を変えずに速度を調節しようと思ったら、機首をやや上げて上昇ぎみにするとスピードは遅くなりますし、機首をやや下げて下降ぎみにするとスピードは速くなります。とんびも風の変化に対して位置を一定に保つためには、羽の角度を微妙に調節して上昇ぎみや下降ぎみの姿勢を使い分けているはずです。 >私は川で泳いだことがあるのですが… >ヨットが風上に走れるのとはわけが違うのでは… この現象を例えるならば、水泳やヨットではなくてサーフィンに例えるべきです。サーファーは盛り上がった波の斜面をボードに乗って滑り降りていますが、その波の方も連続的に盛り上がって来ますから、岸で見ていると常に一定の位置に留まっているように見えます。波の斜面が変化した時には、サーファーも滑り降りる角度を変化させて一定の高さをキープしていますよね。 なお、下記参考URLの「サーマル」と「ウェーブ」の解説をお読みいただけば理解の助けになるかと思います。 参考URL グライダーとは http://www.isc.meiji.ac.jp/~glider/introduction.html
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- chirashizushi
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摩擦ありますよ。 摩擦の方が高ければ飛びません浮きません、落ちます。 摩擦より浮力や推進力のほうが高くなれば浮きますし飛びます。 その力の方向に合わせて筋肉、羽根を動かして上下左右に動きます。
補足
チェックが遅くなって申し訳ありません。回答ありがとうございました。私が問題にしているのは摩擦力の水平成分です。鳥は斜め前から風の力を受けると同時にまた摩擦力も受けますね。垂直成分は重力と揚力が釣り合うことは理解できました。水平方向の力のバランスは摩擦が存在するときはやはり羽根を動かして前方への推進力を生み出す必要があると思います。私の眼の錯覚か分かりませんがそんな風には見えず左右、上下のバランスをとるぐらいで殆ど羽根をじっとさせていました。摩擦が無視できるぐらい鳥の羽はすべすべなのでしょうか。普通なら摩擦による後方への加速度運動が観測できると思うのですが・・・・
- chirashizushi
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平たく言えば、ここ(人間の居る場所)とトンビの飛んでる所の風が違うからです(^^; 前から風が吹いていたら自然と浮きあがりますよ、ヨットが風上に向かって進むのと同じ原理です、飛行機の原理です。 浮きあがる力の方向と沈む方向、前に進む方向の力のバランスの差が釣り合えば、あたかも空中に止まっているように見えます。 トンビにしてみれば時速何キロで飛んでるのと同じだけ風が当たってるのですから
補足
早速ご回答ありがとうございました。私の質問の内容に摩擦抵抗の質問を書くのを忘れていました。前から来た風の摩擦による風下への引きずり効果をどう考えればよいのでしょうか。無視できるのでしょうか。 鳥の羽の表面はなんとなく摩擦が大きいような気がします。浮力はNo. 1さんの回答でよく理解できました。上昇気流がポイントのようです。しかし摩擦がまだ少し引っかかっています。
- N64
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海岸に行くと、カモメも、同じような飛び方をします。上手に作った紙飛行機を、静かに水平に前に向かって放すと、斜め下に向かって、ほぼ一直線に飛んで、やがて着地します。もし、そのとき、紙飛行機が前へ進むのと、同じ速度の向かい風があると、紙飛行機は前へ進まず、真下に向かって、次第に沈下するような、飛び方をします。そのとき、ちょうど、その沈下速度と同じ速度の、上向きの風があると、紙飛行機は、手から放したその場所、一転にとどまります。 トンビもちょうどそのような、斜め上向きの風のある場所に、そのような飛行速度と姿勢で、飛んでいるのです。一般に、海岸や島、なだらかな山では、風向きによって、そのような、斜め上向きの風が吹くことがあります。トンビやカモメは、そのような場所で上手に飛んでいます。私は、彼らが、何のためにそうしているのか、とても不思議に思います。獲物でも見張っているのでしょうか?人間は、高性能のグライダー(ソアラー)を操縦して、上昇気流を探しながら飛び、長時間飛行記録に挑戦します。
お礼
お礼が大変遅くなりました。おかげ様で鳥の飛行とグライダーの飛行 がなぜ良く似ているのかやっと理解できました。それにしてもあの 3次元的な複雑な風の動きが見えるように鳥はバランスをとる能力があるのは驚異的だと思いました。ありがとうございました。
補足
大変丁寧なご回答ありがとうございました。斜め上向きの風の一部を斜め下向きに変えることによって上向きの力を得ているということでしょうか。そのとき風の水平方向の成分は変化しないため風下方向の力は発生しない。つまり鳥はなんらエネルギーを使うことなく、さらに風に流されることなく空中に停止することができる。また風の運動エネルギーも全体として変化しない。という理解で正しいでしょうか。
お礼
私の疑問点にひとつひとつ丁寧にお答えいただきありがとうございました。これで私の疑問は全て解決しました。春一番とも言うべき強い風の日に外出して鳥のみごとな飛行ぶりに関心して質問してしまいました。サーファーもご指摘された視点で観察してみます。今後ともよろしくお願いします。