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種なしぶどう
昔、ジベレリン処理で種なしぶどう(デラウエアだったか?)を作っていたそうなのですが、 いま人気の種なしぶどう(巨峰やピオーネなど)はどうやって作っているのでしょうか。 ぶどうは木だから、種無しスイカみたいな3倍体を1つ作れば、あとは、挿し木や接木でクローンができる、ということは予想できるのですが、実際のところは・・?
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‘巨峰’、‘ピオーネ’は、いずれも四倍体ですが、‘デラウェア’と同じようにジベレリン処理をして無核化しています。 http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/cyouseizai/grapenonseed.html http://www.ag-wakayama.ac.jp/Soturon/2000_grad/02iguchi%5C02iguchi.htm 3倍体の品種も、4倍体の品種と2倍体の品種を交配して作られているようです。
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- ramurame
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もともとの質問の回答は既に出ているのに何度もつきあわされるのも何ですが。 「暇なときに回答して下さい」でも、いつまでも締め切られないで質問が重ねられると回答を強要されているような気がしますけど。 (こんな事を書くと、また管理者さんから削除されそうですけどね) tibi-potiさん、フォローありがとうございます。 お断りしておきますが、この種の質問の「専門家」は、実際に営利栽培を行っていらっしゃる方とか、 農学・植物系の博士号を持っていらっしゃる方が名乗るべきだと、私は考えています。 今回の回答は、かなり推測混じりなので自信はありません。自信なしの専門家というのも変ですしね。 3倍体の実用品種ですが、安芸津の果樹試験場で育成された‘ハニーシードレス’は、 各地で栽培試験が行われていて、民間の業者でも苗の販売をしているようです。 また、胚珠・胚培養で育成された長野県の‘ナガノパープル’という品種も、 実用出来るところまで研究が進んでいると思います。 ブドウの繁殖法ですが、実生法、取り木法、挿し木法、接ぎ木法のどの方法でも出来ますが、 実際に行われているのは主として接ぎ木法です。 しかし、接ぎ木法の場合、親和性があり、3倍体が2倍体・4倍体台木と親和性があるとは考えにくいです。 ですから、ブドウの3倍体品種の繁殖は、主に挿し木によるものだと考えられます。 だからといって、挿し木し易いかどうかは分かりませんが、 苗の販売を行っているくらいなので、それほど難しいものではないかもしれません。 また、ブドウでも、茎頂培養でウィルスフリー化が行われているので、3倍体品種でも茎頂培養しているかもしれません。 具体的に数値化したデータで示されていませんが、ブドウの2倍体と3倍体品種を茎頂培養し、 生じた新梢を試験管内で生育したところ、2倍体より3倍体の方が旺盛な生育をしたという論文もあります。 栽培のしやすさですが、とりあえず一般論になりますが、 倍数体は、器官が大きくなり、耐寒性、耐病性などのストレスに対する耐性を示します。 ブドウでも、‘ハニーシードレス’や山梨県の‘美嶺’などの3倍体は樹勢が強いと言われています。 茎頂培養の場合は上記の通りです。 作り易い、難いというのは品種によるものであって、○倍体だからということは、おそらくないと思います。 再回答のついでです。 >この手の果物というのは、品種改良の過程でできた「新品種」1本から、 >挿し木や接木で増やしたのが全国に「クローン」で存在しているんじゃないか、ということで、 >それら全てに匹敵するものでなくては市場参入できない、という意味です。 これは意味が難解ですね。 「それら全て」とは、「クローン全て」と言うことでしょうか? 全国に存在する「クローン」は、元はといえば一つの個体から増やしたものであり同じ遺伝子を持つものであって、 例えば、‘巨峰’であったら、挿し木で繁殖しようと接ぎ木であろうと、‘巨峰’は‘巨峰’ですよね。 全ての‘巨峰’に匹敵するとはどういう意味でしょうか? 仮に「それら」を‘巨峰’や‘ピオーネ’などの「全ての品種」と解釈したとしても 全ての品種に優る品種を作り出すことは現時点では不可能です。 (将来的には遺伝子をデザインして作り出すことが出来るようになるかもしれませんが) 全ての品種に優る品種しか市場に出せないなら、育種をやっている人は廃業しますよ。 tibi-potiさんも仰ってますが、しかるべき本を読むなりネットなりでして勉強して下さい。 ブドウに限ったことではありませんけどね。
お礼
何度もお手数をおかけします。 ramurameさんには大変感謝しておりますが、あらたにtibi-potiさんのご回答がありましたので、もうちょっと待ってみようと、伸ばしている次第です。(どうせなら、ポイントも2人ぶんあげたいし) 「クローン云々」については、「1本の巨峰」に匹敵すれば、全国のクローンの巨峰に匹敵することになるから、という意味です。新品種にしても、1本出来れば挿し木接木でクローンを作れるから、全国品種になることができる。「1本対1本」が「全国対全国」になりうる(実際には栽培条件があるけれど) これがみかんだと、同じ「有田みかん」でも、けっこう味や歯ざわりなどにばらつきがあるので、クローンでないのじゃないか、と思えるのですが、巨峰やデラウェアは、ほとんど同じ味(もちろん「出来」の差はあるにしても、みかんほどの差はない)だから、ぶどうはクローンだろうとは思うのですが、いちおう「・・じゃないか」という含みを持たせました。
- tibi-poti
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はじめまして。 すでにramurameさん(専門家とおみうけします)がすばらしい回答をされてますね。 蛇足ですが、少しだけ参加させてください。 >ジベレリンでの肥大は高級ぶどうの必須条件ではないと思いますが ジベ処理の目的は、種なしにすることです。 通常より果実を大きくするためではありません。 一度ジベ処理をして放置すると、様々な問題があります。 ・すべての果実を、確実に種なしにできない(処理漏れ、薬がききにくいなど) ・奇形・落下促進が生じることがある ・果実が種ありよりも小さくなってしまうことがある。 だから二度やります。 3倍体の挿し木・クローンは、残念ですが 技術・経済面で現実性がないと思います。 ブドウは蔬菜にくらべ、成長に時間がかかります。 また、日本の気候は高級ブドウにあまり適さないので、 それなりの微妙な栽培技術が必要です。 (eg 巨砲:剪定が難しく、一度失敗すると数年間も樹勢が乱れ、 品質が著しく落ちる) 現状では、品種より栽培技術のよしあしが大きいと思います。 大量の資金と時間をつぎ込んでクローンを生産しても、 メリットが薄いのではないでしょうか。 また、ramurameさんもおっしゃってますが、 たとえ試験場レベルで偶然優れた品質のものができても、 耐病性、耐寒性、その他・・ 商業ベースで安定生産できるかどうかが、一番難関です。 もしお時間がありましたら、 決して楽しくはないのですが・・・(^^; 大学レベルの植物生理学・果樹園芸学(東京化学同人、朝倉書店、養賢堂など) に目を通されてみてはいかがでしょうか。 それで、だいぶ解決されるのではないかと思います。
お礼
ありがとうございます。ramurameさんのご回答で満足していたのですが、新たな回答がいただけて嬉しいです。 >3倍体の挿し木・クローンは、残念ですが >技術・経済面で現実性がないと思います。 というのは、つまりは、3倍体自体が難しい、ということでしょうか。挿し木、接ぎ木については、2倍体4倍体にくらべて、とくに3倍体が難しい、ということがあるのでしょうか。 (あるいは、すいかのほうが特別で、うり独自の作りやすさ、というのがあるせいなのでしょうか。) 「巨峰」は、それほど難しいのに、シェアNo.1を誇っているわけだから、農家の努力は大変なもので、ジベレリン処理をしなくていい、というメリットがあれば、頑張って作ってくれそうにも思います。 最初から無理であれば仕方ないけれど。 また、よろしかったら、お教え下さい。
- ramurame
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>クローンの巨峰やピオーネに勝るものができてないのかな?という意味です。 「親品種」、「親植物」、「交配親」ならともかく、 なぜ「クローン」という言葉が出てくるのが分からないのですが。 要するに、3倍体の品種を作って、それが親品種より優れた性質を持っているかどうかと言うことでしょうか? 品種改良は優れた性質を持たせることを目的としているので、交配親より優れた品種が出来ない育種では意味がありません。 親品種より優れた性質があると認められれば、品種としてデビューするでしょうし、そうでなければ、選抜の段階で破棄されます。 もっとも、親植物より優れた品種が出来たとしても栽培方法が難しくなることはあります。 例えば、‘キングデラ’という品種は‘レッド・パール’בマスカット・オブ・アレキサンドリア’の3倍体ですが、 果粒は3g程度、果房は300gと‘デラウェア’より大きく、味は‘デラウェア’程ではないが香りはよい、 タネなしなので、ジベ処理は果実肥大のために1回行えばよい(ただし必須)。 のような特徴があります。これが、親品種より優れているかどうかは、生産者・消費者に評価を聞かないことには何とも言えないと思いますが。 >昔はピオーネなんかなかった。少なくとも私の周りには ‘ピオーネ(Pionnier;パイオニア)’は、育成されたのが昭和32年(当時の名前は‘井川210号’)ですが、 ‘ピオーネ’の名前で品種登録されたのは昭和48年(1973年)です。 品種登録されて30年近く経ちましたが、それでも、1945年に命名発表された‘巨峰’、 1882(1872?)年に日本に導入された‘デラウェア’に比べたら、比較的新しい品種と言えます。 どのくらい前のことか分かりませんが、知名度が低くても仕方がなかったかもしれません。 >「高級品」として出荷するのに「大きく」することが必要なのか ‘巨峰’のタネあり果実にジベ処理することで果実が若干大きくなることは実験的には確かめられています。 フルメットというサイトカイニン様物質とジベレリンを併用すれば、果実の肥大はより大きくなります。 ただ、無核化していない巨粒品種をフルメットやジベ処理して更に大きくして出荷しているかどうかは分かりません。 >アレクサンドリアの種無しは食べたことがないのですが、生産者のこだわりなのか ‘マスカット・オブ・アレキサンドリア’に関して言えば、私の推測に過ぎませんが、 1.無核化しにくい、障害が生じやすい、種子が入っている方が巨大粒になるなど、ジベ処理に向いていない。 2.もともと生産量が少ない(平成12年の統計で、ブドウ総卸売量14,884トン、‘デラウェア’4,312t、‘巨峰’6,096t、‘アレキ’253t)ため、ジベ処理技術が進められていない。 3.ジベ処理を行っているが、市場には出回っていない。 などが考えられます。
お礼
「一般人」といいながら、詳しいお答えをありがとうございます。 「クローン・・」というのは、この手の果物というのは、品種改良の過程でできた「新品種」1本から、挿し木や接木で増やしたのが全国に「クローン」で存在しているんじゃないか、ということで、それら全てに匹敵するものでなくては市場参入できない、という意味です。 ピオーネが品種登録から、すでに30年も経っている、というのは驚きです。すぐに新品種を広めてしまっては、それまで作付けを増やした農家の努力がなんだったんだ、ということになるので、老木になって交替するまで待って・・・、という配慮があるのかもしれませんね。 巨峰が、ぶどう界の最大勢力として君臨しているのですが、昔は甲州ぶどうのイメージはベリーAでしたね。(デラウエアは関西イメージで。) さいきん、あまり売っていないから、巨峰に移行したのだと思いますが、巨峰の木が老木化したときに何が出てくるか、楽しみです。(じつは3倍体の新品種は出来ているのに、こっそりデビューを待っている・・?) デラの人気は根強いですね。関西人うけするのでしょうか。私なんかは、すぐ新しいのがでると飛び付きますが。
- ramurame
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>交配して3倍体を作っても「クローン」じゃないから、高級品の「巨峰」や「ピオーネ」ができるとは限らない、ということでしょうか。 交配して出来た個体は、親植物と遺伝子の構成が異なるので、全く別の品種になります。 有性生殖と無性生殖の違いを理解できていますか? >「アレクサンドリア」は種ありだから、ジベレリンでの肥大は高級ぶどうの必須条件ではないと思いますが。 http://www.fruit.affrc.go.jp/kajunoheya/cyouseizai/grapenonseed.htmlの使用上の注意は読まれましたか? 種なしブドウを作るためには、一般にジベレリン処理を2回行う必要があります。 1回目の処理で、無核化(種なしに)しますが、無核化した果実では、その後の肥大成長が劣ります。 それを補うために、2回目の処理は必須となります。 種ありのままであれば、果実肥大のためのジベレリン処理は必要とはなりません。 (人為的な処理を行わなくても、種子を形成しないで果実が肥大する‘トムソンシードレス’や‘ヒムロッドシードレス’などの品種もあります。) 以上、ジベレリンで無核化した果実には果実肥大のためのジベ処理は必須、無核化していなければジベ処理は必須ではありません。 >処理の手間を考えたら(紹介いただいたHPでも、手間を省くための散布法の研究があります)、3倍体なら手間要らずじゃないか、と思った次第です。 正論です。3倍体品種の育種目標は、種子を形成させないことで、出来るだけ作業を簡略化することにあります。
お礼
たびたび、ありうがとうございます。ほんとうに勉強させていただいて感謝感謝。 >高級品の「巨峰」や「ピオーネ」ができるとは限らない、ということでしょうか。 >有性生殖と無性生殖の違いを理解できていますか? について。もちろん、高校生物の範囲ぐらいのことは存じているのですが、 たぶん、品種改良の段階で、当然、交配実験は重ねているはずですので、そこで「3倍体」の可能性は十分考えられますよね。やってはいるけど、クローンの巨峰やピオーネに勝るもの(「同じもの」ができなくても、「勝るもの」ができればいい。昔はピオーネなんかなかった。少なくとも私の周りには)ができてないのかな?という意味です。 >ジベレリンでの肥大は高級ぶどうの必須条件ではないと思いますが これについては、デラウエアの場合、ジベレリン処理したやつのほうが、そのまま種ありで育てたやつより大きく育つそうですので、「高級品」として出荷するのに「大きく」することが必要なのか、という意味です。 アレクサンドリアの種無しは食べたことがないのですが、生産者のこだわりなのか(「種無しマスカット」なんか「高級品アレクサンドリア」じゃねえぞ、てなもんで)、他の要因があるのか・・? (そこまでramurameさんに聞くのは申しわけないことですが。)
お礼
さっそくのご回答ありがとうございます。 やっぱりジベレリン処理なのですね。 交配して3倍体を作っても「クローン」じゃないから、高級品の「巨峰」や「ピオーネ」ができるとは限らない、ということでしょうか。 「アレクサンドリア」は種ありだから、ジベレリンでの肥大は高級ぶどうの必須条件ではないと思いますが。 処理の手間を考えたら(紹介いただいたHPでも、手間を省くための散布法の研究があります)、3倍体なら手間要らずじゃないか、と思った次第です。