• ベストアンサー

SU(3)、SU(n)の物理的な意味

量子力学の教科書(シッフ)で勉強していたところ、 全角運動量の行列表現を求めていったら回転群O(3)がSU(2)の二価になってた。 …とここまではいいとして、いきなり「SU(2)はSU(3)の部分群である」 って述べられてSU(3)の数学的な性質云々の話に進んでるんですが、SU(3)が物理的に何を意味しているかが書かれてません。調べてみても求める答えが見つかりませんでした。 何を意味してるのか(どんな操作?)とか分かる方教えて下さい。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
回答No.2

SU(3)はゲージ理論まで行ってはじめて使うということはないと思います。歴史的にはSU(3)が使われるようになったのはクォーク模型が最初と思います(厳密に最初ではないかもしれないが、広く使われるようになったのは最初)。SU(2)の基本表現の2個のベクトルをスピン1/2の上向きと下向きに対応させるのが量子力学の角運動量の理論でした。同じ様にSU(3)の基本表現の3個のベクトルをup, down, strange の3種のクォークに対応させて角運動量の合成と同じ様に合成すると実在するハドロンをよく再現するのです。QCDでは理由は完全に理解されていないが、カラー1重項だけしか出てこない、すなわちSU(2)の合成スピン0に相当するものしか出てこないので、群論を使う余地はあまりないのではないかと思います。

snobbery
質問者

お礼

なるほど、クォークはまだ未習なので、具体例が出てくるのはもう少し後になりそうですね。 SO(3)の元が軌道角運動量Lを生成元とする無限小回転から導かれて、SU(2)の元が全角運動量J(j=半奇数)を生成元としていることから(この考え自体が間違っていないか心配ですが)、SU(3)も何か対応する物理量があるのか??などと疑問に思っていましたが、量子力学の範囲内にはなさそうですね。ありがとうございました。

その他の回答 (4)

回答No.5

量子力学の範囲でSU(3)を使うことはあります。シッフにも書いてあるように三次元調和振動子はSU(3)対称性を持ちますが、原子核の殻模型では三次元調和振動子ポテンシャル中を核子が独立に運動するという描像をすることがあります。すると原子核の性質がSU(3)で解釈されます。これについては  高田健次郎、池田清美「原子核構造論」(朝倉書店) などに解説があります。また、量子力学とリー代数の関係については  M. A. Olshanetsky and A. M. Perelomov, Physics Reports, Volume 94, Issue 6, March 1983, Pages 313-404 などに解説があります。

snobbery
質問者

お礼

ありがとうございます。 高田健次郎、池田清美「原子核構造論」(朝倉書店) を借りてみました。自分の知識レベルではまだ敷居が高そうなので、もう少し勉強を進めてからこの疑問ともう一度向き合ってみたいと思います。

回答No.4

シッフの量子力学には「SU(3)代数が主として素粒子の分類に使われている。」とあり、Gell-Mann, Ne'eman の"The eightfold way" が引用されています。言うまでもなく、これはクォーク模型です。シッフの執筆時点ではクォークは素粒子の分類に使われていたのですが、現在ではdynamicsを論じるためにも欠くことができないものになっています。リー代数がどの様に応用されているかについては  H. Georgi,"Lie Algebras in Particle Physics" (Benjamin) 等にあります。

snobbery
質問者

お礼

ありがとうございます。 ジョージアイは図書館で読んでみました。 訳本はメモ書きみたいで、行間を読むのに苦労しそうでした。amazonのレビューを見ると原著の方は改訂されててかなりいいみたいなので、今度探してみます。

  • gontarohk
  • ベストアンサー率75% (15/20)
回答No.3

SU(3)は原子核構造の理論でも使われていて、歴史的にはおそらくクオーク模型よりも古いと思います。 シッフの教科書は私も読んでいないので、どのような所でSU(3)が出てきたのかはわかりませんが、要は、波動関数の対称性を表すための数学的な道具です。 3次元のユニタリ行列で表せる変換に対してハミルトニアンが不変であれば、SU(3)の既約表現を使って波動関数を表せるわけで、具体的な物理的意味は、扱う対象によって異なると思います。 おそらく、シッフは具体的な対象を限定せず、回転群を部分群にもつSU(3)を一般的に仮定して、この対称性をもつ波動関数の一般的性質を論じたいのであろと思います。

snobbery
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 確かに、具体的な対象は限定してないですね。 しいて言えば、 「9個の演算子 a†_j*a_j (i,j=x,y,z) の代数はU(3)の生成元の代数になっている。つまり、これらの演算子の一次結合がHとSU(3)の8個の生成元になる事を証明することができる。 」 という記述がさらりとおまけ程度にのっていました。 そういえば、三次元調和振動子って量子力学ではあんまり扱わない気がするのですが、このへんがややこしく絡んでるからですかね? 今はこの記述の意味がよく分かりませんが、とりあえずもっと前にやるべきことがいっぱいありそうなので、後回しにして先に進めていますが。。

  • nabla
  • ベストアンサー率35% (72/204)
回答No.1

 シッフは読んだことがないのでシッフの中でどういうふうに繋がっていくのかは知らないのですが…  SU(3)はゲージ理論まで行ってはじめて使うんじゃないかと思います。うまく伝わるか分かりませんが、どう使うのかを少し説明します。  実際に観測するときには波動関数そのものには興味はなくて、その絶対値だけに意味がありますね。つまり波動関数の位相を勝手にいじっても我々には何も変わっていないように見えます。  位相を回すのは絶対値が1の複素数(U(1)の元)で行うので、これはU(1)対称性といいます。  この対称性が電磁気力の本質であるということが知られています。 (座標変換に対する対称性が重力の本質であったのと数学的には同等です)  そこでさらに別の対称性に付随する力がないかという興味は当然湧きます。そうして構築されたのがQCDというもので、SU(3)対称性に基づく力を記述します。(実はQCDは「強い力」を記述しています)  なぜ位相変換に関する対称性から電磁気力が出てくるのかを知りたければ、ファイバー束の理論を勉強することをオススメします。(普通の場の量子論の本でも載っていますが、やはり一般相対論も含めたところまで統一的に理解できるという点で数学の本でやる方がいいと思います)

snobbery
質問者

お礼

ありがとうございます。 SU(3)の部分群がSU(2)であるように、角運動量を拡大したら強い力と繋がってたりするんですかね?・・・などと、言っているより、勉強を進めてゲージ理論、QCDを学ぶのが先決みたいですね。

関連するQ&A

  • 量子力学において運動量を微分演算子に代える物理的意味

    量子力学をきちんと物理的,数学的に理解したいので,独学で量子力学を勉強しています.学部時代は量子力学の授業がなかったこともあり,正直分からないことだらけで不思議に思うことがたくさんあります. そのうちの一つとして,ある原子内の電子群を考え,ハミルトニアンHを持つ系だとすると,波動関数Ψの絶対値の二乗(存在確率)で存在する原子内にある一つの電子は,あるエネルギ準位(固有値)εしか取り得ないという考え方をシュレディンガー方程式 HΨ=εΨ で表される固有値問題に帰着するということをとりあえず納得したとすると,線型代数学で出てくる固有値問題 Ax↑=λx↑ のように「ある固有ベクトルx↑に対してある固有値λが決まる」 ということと似ているのでなんとなく分かります. 波動方程式からシュレディンガー方程式を導出していくこともなんとなく分かりました.分からないことは,シュレディンガー方程式の導出として,ハミルトニアンを波動関数に作用させ,ハミルトニアン中に含まれる運動量を微分演算子に代えれば,シュレディンガー方程式になっているということです.この方法は,結果として成り立つだけで,後付けくさいなあと感じました. 過去にも同じような質問をされていた方 http://oshiete1.goo.ne.jp/qa587812.html がいましたので見てみると,運動量を微分演算子に代えるのは数学的には導けるようですが,その導く過程が物理的には分かりにくいと感じました. 量子力学を勉強する前に基礎知識が不十分なのもあるとおもいます. なので,量子力学を勉強する前に習得するべき学問は何かと,どの順番で勉強すれば効率がよいかも教えていただきたいです. (1)量子力学において,運動量を微分演算子に代えることの物理的意味は?もっと一般的に,その他の物理量(角運動量,スピン角運動量など)を演算子に代えることの物理的意味は? (2)量子力学を勉強する前に習得するべき学問は何かと,それらをどの順番で勉強すれば効率がよいか? です.長くなりましたが,よろしくお願いいたします.

  • 理論物理, 量子力学でのStone-von Neumannの定理の意味

    理論物理や量子力学等の物理学の諸分野でStone-von Neumannの定理がどのような意味を持っているのか教えてください。数学的意味(特にHeisenberg群の表現論)からは理解しているつもりですが、それが物理でどのような意味を持っているのかさっぱり分かりません。粒子の位置とモーメントの交換子がどうのこうのと書いてあったのですが、物理に関しては素人の私には理解できませんでした。 非専門家向けに簡単に説明してください。よろしくお願い致します。

  • 物理に強くなりたいです

    工学部で建築学を学んでるのですが、物理は教養程度しか習ってません。自分は建築構造設計を専門にしたいのですがドームなどを設計する場合は高度な数学・物理力がいります。教養程度の物理では満足できないので物理学科の授業に潜入してますが、今度は物理学科の解析力学・量子力学なんかは難しすぎます。力学だけは物理学科の学部レベルはクリアしておきたいのですが、わかりやすい教科書で物理学科の授業で使うような参考書を教えていただけませんか?

  • 物理数学の問題集を探しています。

    こんにちは。大学物理学科の3回生の者です。 実力を付けたくて主に物理数学の問題集を探しているのですが、どの本屋に行っても参考書ばかりが目立ち、なかなかいい問題集が見つかりません。 物理数学に限らず、量子力学、相対性理論など物理学に関するものでしたら何でもかまいませんので、もしご存知でしたらどうぞよろしくお願いいたします。

  • 大学レベルの物理 学ぶ順番は

    学生の時は数学を勉強してました。 コロナで時間があり、最近苦手の物理を勉強しています。 量子力学が理解したくてなん冊か本をよんでいるのですが、いきなり量子力学は無理があるようです。 解析力学の方を始めたのですが、他に熱力学、流体力学、統計力学・・・・たくさん力学がありますが、どういう順番で学ぶのがいいのでしょうか?

  • 大学の物理

    はなぜ難しいのでしょうか?高校時代と比べると微積がふんだんに使われてますし、僕は建築学科なんで力学をメインでやってますが数学の知識がないとついていけません。量子力学は結局理解できませんでした。まわりも高校時代は好きだったけど大学に入ってから嫌いになった人も多いです。物理を専攻にしている方は尊敬します。皆さんは高校の物理と大学の物理のレベル差に驚きませんでしたか?

  • 【素粒子物理学を学ぶには?】必要な数学知識

    物理に全く詳しくない数学科の者です。 ですので、専門の方にとってはナメた質問をするかもしれません。 素粒子物理学や量子力学、超弦理論を勉強するとしたら、 数学のどの分野の知識が大切になってくるのでしょうか。 ことさら、"時間に関する物理学"を学ぶためには、やはり量子力学をやるべきなのでしょうか。 大学の教授に聞いたところ、そこまでのレベルになってくると、どの数学が大切かわからないが、 最近は非可換幾何がそのような分野で注目されている、とおっしゃっていました。 また、もしよろしければ、その分野の先駆者がいるような大学院を教えていただければ助かります。 趣味程度ではなくて、研究者になるために勉強をしようと思います。 無礼を承知で、どなたかご教示お願いします。

  • 物理を勉強するための複素関数論

    現在物理学科の2年生です。 複素関数論の授業が始まるのですが教科書の指定はありません。 物理をするうえで必要な複素関数論の勉強をするうえで適している参考書について知りたいです。 数学科の人だけが使うようなものすごく深い内容のものでなくてもかまいません。 量子力学、流体力学などを学ぶ上で必要なレベルの本が知りたいです。 現在、 神保道夫さんの複素関数入門を持っていますが苦戦してます・・・ この本は数学科の人用に作られていると聞きました。 物理を学ぶ学生はこの位の本をやっておくべきでしょうか? またこの本以外でおすすめの参考書があれば教えてください。

  • なんであんなに難しい問題が解けるのでしょうか?

    僕は工学部の4回生ですが、物理学科の学生が使うような量子力学とか古典力学とかの教科書を見ても数式が難しすぎて理解できません。物理学(理学)と比べると工学は求められている数学のレベルが低いような気がします。物理学科の学生は超弦理論とかの数学を授業でやるのでしょうか?それとも独学ですか?

  • 角運動量の量子力学的性質についての計算

    角運動量の量子力学的性質についての計算 直接物理と関係があるわけではないのですが、量子力学の教科書に載っていたもので…。 L(x)=-ihbar[yd/dz-zd/dy] L(y)=-ihbar[zd/dx-xd/dz] L(z)=-ihbar[xd/dy-yd/dz] を極座標に直す計算過程で、どうも自分でやると結果が教科書と合わず困ってます。計算過程について詳しく教えていただけると助かります。