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絶対零度

Umadaの回答

  • Umada
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回答No.20

何回もお騒がせして申し訳ありません。今度は少し勉強してきました。 「有限回数の熱力学的過程では絶対零度に到達しない理由は分からない。証明もできない。しかしそれを仮定すると世の中の現象を合理的に説明できる一方、それを否定する材料は長年の検証によっても何一つ出てこない。だから現代の科学はそれを「熱力学第三法則」として認めている。」 という説明でいかがでしょうか。 「有限回数の熱力学的過程では、絶対零度には到達しない」ということは熱力学第三法則が述べているわけですが、熱力学第三法則は「法則」ですから、それが何故成り立つのかは証明できません。「何故だかは分からないが、それを仮定すると世の中の現象を合理的に説明できるもの」が法則です。(有名な「エネルギー保存の法則」にしてもそれを証明することはできません) 従って「有限回数の熱力学的過程では、絶対零度には到達しない」のは何故かを問うことはできません。そう仮定すると世の中をうまく説明できる、というのがその唯一の拠り所なのです。付け加えるなら「有限回数の熱力学的過程で絶対零度に達する証拠、あるいはそれを支持する傍証が、これまでの多くの研究者の長年の検証によっても何一つ出てこない」ということです。 最初のご質問は「エネルギーは保存するか」「熱力学過程は常にエントロピーが増大する方向に進むか」などと同等の質問だったということになります。この2つの問い、いずれも答えは自明ですが理由は説明できません。しかし「保存する」「増大する方向に進む」と考えられていて誰も疑わないわけですよね。 にわかには受容れにくいと思いますが、絶対零度の実現についての議論も全く同じなわけです。 熱力学第三法則は当初Nernstにより、「絶対零度での液体/固体の化学反応は、エントロピーの変化なしに行われる」と記述されました。その後Planckが「絶対零度でエントロピーは0になる」と拡張しました。 「絶対零度でエントロピーは0」から「有限回数の熱力学的過程で絶対零度に達することはない」を導くことができます。同様に逆も導けますのでこの二つの命題は等価ということになります。一見「有限回数の・・・」を証明できたかのように見えますが、これはあくまで「一方を仮定すれば」という条件付きです。仮定した一方が何故成り立つのかは証明できず、従って導き出した結論についてもその成立の根拠は不明のままです。 極低温を作り出すには、ヘリウムの沸騰冷却で1 [K]くらいまで温度を下げ、さらに断熱消磁という方法を使うそうです。0.003 [K]くらいまでは実現できているようです。(その後に記録が更新されているかも知れませんので、この数字は参考程度にお受け取り下さい) 実際問題として絶対零度(に近い温度)を実現し、またそれを計測するのが難しい技術であることは既に皆さんが回答されている通りです。 参考文献:小林謙二, 物理学ライブラリー「熱統計物理学I」, 朝倉書店 (1983).

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