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公務執行妨害・威力業務妨害・偽計業務妨害

公営交通職員は地方公務員ですよね、となるならば、公務中に「たとえば市バス運転中」に乗客その他第三者から明らかに違法な業務妨害を受けた場合「公務執行妨害」になるのですか? それとも「威力業務妨害」になるのですか? ついでにすいませんが「威力業務妨害」と「偽計業務妨害」の違いも素人にわかりやすく教えていただけるとありがたいです。宜しくお願いいたします。

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  • nep0707
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回答No.2

95条で言う「公務」がいわゆる権力的公務 (たとえば警察や裁判所のように、国民に直接何かを強制できるもの) に限定されるのかどうかは刑法論での一大論点ですけど、 ここは通説判例の「権力的公務に限定されない」って基準で、 市営バス運転手のバス運転も公務と考えていいでしょう。 また、公務執行妨害罪を定めた刑法95条は、単に公務の執行を妨害することだけじゃなく、 その手段を「暴行又は脅迫」に限定していることに注意が必要です。 従って、暴行、脅迫にならないような方法での妨害は公務執行妨害罪になりません。 で、その場合に業務妨害罪が適用できるかどうかもまた各説ありますが、 平成12年2月17日最高裁決定の判断では 「権力的公務なら不成立、非権力的公務なら成立」とされています。 (権力的公務だと、妨害に対して一定の抵抗が可能だからわざわざ犯罪とする利益がないって論理) 以上をふまえると、 >「たとえば市バス運転中」に乗客その他第三者から明らかに違法な業務妨害を受けた場合「公務執行妨害」になるのですか? それとも「威力業務妨害」になるのですか? バスの運行についてなら、道路運送法も見ないといけないですが、とりあえずおいといて…。 まず、市営バスの運転という職務は、まぁ公務といえるでしょう。 次に、その妨害の手段が「暴行又は脅迫」にあたるかどうかが1つの基準になります。 暴行又は脅迫でなければ、公務執行妨害罪は不成立です。 逆に公務執行妨害罪が成立する場合は、業務妨害罪や威力業務妨害罪を考える必要はありません。 暴行又は脅迫によらない妨害なら次は偽計業務妨害罪や威力業務妨害罪を考えることになります。 (で、そこまで行かなくても、バス運行の妨害だと道路運送法27条や104条が出てくる) >ついでにすいませんが「威力業務妨害」と「偽計業務妨害」の違いも素人にわかりやすく教えていただけるとありがたいです。 一般的な説明としては「何らかの実力行使によって、業務をやろうとする人の意思を押さえつける」のが「威力」です。 一方、人を騙したり誘惑したり、人の勘違いや知識不足などを利用するのが「偽計」です。 もう少しぶっちゃけた言い方をすれば(ぶっちゃけすぎかもしれないけど) 「人がきちんと業務をやろうとしている、もしくはそれを業務と思わせて、結果として業務を失敗させる」 のが偽計。 (たとえば売り場の布団に針を混入させる、ライバルの新聞社を妨害するために紛らわしい名前で新聞発行するなど) 「そもそも人にきちんと業務をさせない」のが威力。 (たとえば食堂で怒鳴り散らして騒然とさせる、上司の机の引出しに猫の死骸を入れるなど) こんな感じでどうでしょ?

anpan050320
質問者

お礼

nep0707さん 大変わかりやすくお答えいただきましてありがとうございました。今後の職務に活かしていきたいとおもいます。感謝いたします。m(。._.。)mペコッ

その他の回答 (1)

  • tillidie2
  • ベストアンサー率52% (11/21)
回答No.1

まず最初に威力業務妨害罪と偽計業務妨害罪の違いについて説明します。 ともに業務を妨害する罪ですが(「業務」「妨害」についても諸説ありますが今回は説明を省きます)、威力業務妨害罪は「威力」を手段とする点、偽計業務妨害罪は「偽計」及び「風説の流布」を手段とする点で両者は異なります。 「威力」とは人の自由意志を制圧する勢力をいい、暴行脅迫のほか地位・権勢等も含みます。 「偽計」とは人を欺もうし、あるいは人の不知・錯誤を利用することをいい、「風説の流布」は客観的真実に反する噂や情報を不特定多数の人に伝播することをいいます。 難しいのは「威力」と「偽計」の違いだと思いますが、わかりやすく言えば、目に見える形で業務を妨害するのが「威力業務妨害罪」、逆に目に見えない形で業務を妨害するのが「偽計業務妨害罪」となります。例を言えば、食堂に蛇をばら撒く行為は威力業務妨害罪、障害物を海底に沈めて漁網を破損する行為は偽計業務妨害罪です(ともに判例)。 次に公務執行妨害罪と威力業務妨害罪の関係について説明します。 「公務」は「業務」に含まれるのか?というのが論点になると思われます、この点に付き、学説、判例ともにかなり意見が分かれています。仮に含まれるとすれば、質問者さんの事例では公務執行妨害罪、威力業務妨害罪どちらも成立することになります(この場合両者が観念的競合になるのか前者が法状競合となり後者を吸収するのか、ここもまた論点です)。 有力説として、権力性の有無によって公務を区分し、権力的公務(逮捕行為等)は公務執行妨害罪、非権力的業務(質問者さんの事例にもある市バスの運転等)は業務妨害罪、と完全に分けて考える説があります。 判例は、公務は業務に含まれない(よって公務は業務妨害罪の対象にはならない)としているようです。しかし、国鉄職員の業務妨害に対し威力業務妨害罪が成立を認めた事例もあり、一貫性がありません。また、有力説を採用していると思しき判例も出ています。 なんにしても掲示板で簡単に説明し尽くせる問題ではありません。 興味があれば、ぜひ難解といわれる各種基本書を読んでみては如何でしょうか?

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