村上春樹の「アフターダーク」:謎解きの終わりと説教臭さに寂しさを感じる

このQ&Aのポイント
  • 村上春樹の「アフターダーク」は、謎解きの終わりが物語の終わりとなるパズルのような作品。
  • 大人よりも子供向けであり、説教臭さも感じられるが、個々に解釈の余地がある。
  • 最近の作品では、システマチックな感じやステレオタイプの登場人物に寂しさを感じる。
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村上春樹の「アフターダーク」(どちらかといえば否定的です)

前作もそうだったんですが前作よりもまして、今回は読むと、謎解き(つまり謎解きが終わるとおしまい。答えがわかったら面白くないような・・・)というかパズルの一片がぴたっとはまっておわり、みたいな印象を受けました。 前作同様大人よりも子供向けなの?っておもうような感じ。よくもわるくも。 しかもなんか説教臭くないですか?ちょっと悲しかったです。 なによりも「風の歌を聴け」から25年とか帯に書いてあるが、その作品とは全然違う(あたりまえだけど)。 文学とか小説っていろんな意味が読み取れる決してひとつの答えに還元しないものだと思うんですが、この作品はなんかこたえがひとつに集約されているみたいで(身近な人を大切にとかそんな感じの答え・・・)どうなのかなあって思いました。水銀のチキンやツナも気になりました。 否定的な意見を募集するわけではないのですが、いままで長らくよまれてきたかたの意見をおねがいしたいとおもいます。彼はこういう文学にシフトしてしまったんでしょうか・・・。それか自分が彼の本を必要としなくなってしまったんでしょうか。すごくすきな作家だっただけに、最近のどこかシステマチックな感じ、ステレオタイプの痩せた若い登場人物、美しい女性etc・・・にいささか寂しさを感じます。

noname#8489
noname#8489

質問者が選んだベストアンサー

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  • syuutarou
  • ベストアンサー率62% (40/64)
回答No.1

 私もsaboten82さんと似たような読後感をもちました。むしろ、saboten82さんのおかげで頭の中のモヤモヤが言語化され、クリアになったというか。  私が一番思ったのは、この小説を村上春樹が書かなければならなかったのかということです。同じような内容なら、もっと現代風俗を徹底的に取材して書く大衆小説作家(大衆小説作家を低く捉えているわけではありません)に任せてもよいのではないかと(ちょっと村上龍の『ラブ&ポップ』的な匂いがしました)。もちろん、「私たち」の視点などというのには、氏らしい世界観を見出せるのですが。とにかく、氏の作品の中では凡庸と言わざるを得ないのではないかと。読み進めていて初めにそれを感じたのは、第3章の終わりの「ったく、もう」という台詞に出くわした時でした。うーん、やれやれ……。  説教臭いというのも、そうですよね。確かに氏はもともと私の中ではモラリスティックな作家で、初期の頃から通底するものは大きくは変わらないように思われるのですが、その中にも氏独特のユーモアやペーソスやアイロニーが含まれていました。しかし、今回は教導的にすぎるかなと。これは、ある程度の年齢を超えると、自分の主義主張だけでなく、果たすべき社会的責任を意識せざるを得ないという理解をすべきなのでしょうか。ノンフィクションに進出したのも好例ですよね。  とにかく、『アフターダーク』を氏がどうしても書かなければならなかったとしても、長編にしなくてもよかったのではないかと考えます。  とはいえ、氏に完全に失望したわけではないので、新作が発表されれば私はまたいの一番に読むことでしょう。

参考URL:
http://bbs13.otd.co.jp/afterdark/bbs_thread
noname#8489
質問者

お礼

さっそくの回答有難うございます。また素敵なBBSの紹介もありがとうございます。どうしても氏の最近の小説は謎解きに重点がかかっているような気がしてならずついスピードアップして読んでしまいます。でも私もきっと新刊が出たらまた読むと思います。アマゾンのhttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/detail/customer-reviews/-/books/4062125366/2/ref=cm_rev_next/250-1755243-7146621?show=%2Bsubmittimeの「detouchmentからcommitmentへ」の書評がとても参考になりました。まさに「果たすべき社会的責任を意識せざるを得ない」というあたりに合致するような気がします。ありがとうございました。

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