村上春樹の「アフターダーク」:謎解きの終わりと説教臭さに寂しさを感じる
- 村上春樹の「アフターダーク」は、謎解きの終わりが物語の終わりとなるパズルのような作品。
- 大人よりも子供向けであり、説教臭さも感じられるが、個々に解釈の余地がある。
- 最近の作品では、システマチックな感じやステレオタイプの登場人物に寂しさを感じる。
- ベストアンサー
村上春樹の「アフターダーク」(どちらかといえば否定的です)
前作もそうだったんですが前作よりもまして、今回は読むと、謎解き(つまり謎解きが終わるとおしまい。答えがわかったら面白くないような・・・)というかパズルの一片がぴたっとはまっておわり、みたいな印象を受けました。 前作同様大人よりも子供向けなの?っておもうような感じ。よくもわるくも。 しかもなんか説教臭くないですか?ちょっと悲しかったです。 なによりも「風の歌を聴け」から25年とか帯に書いてあるが、その作品とは全然違う(あたりまえだけど)。 文学とか小説っていろんな意味が読み取れる決してひとつの答えに還元しないものだと思うんですが、この作品はなんかこたえがひとつに集約されているみたいで(身近な人を大切にとかそんな感じの答え・・・)どうなのかなあって思いました。水銀のチキンやツナも気になりました。 否定的な意見を募集するわけではないのですが、いままで長らくよまれてきたかたの意見をおねがいしたいとおもいます。彼はこういう文学にシフトしてしまったんでしょうか・・・。それか自分が彼の本を必要としなくなってしまったんでしょうか。すごくすきな作家だっただけに、最近のどこかシステマチックな感じ、ステレオタイプの痩せた若い登場人物、美しい女性etc・・・にいささか寂しさを感じます。
- 書籍・文庫
- 回答数1
- ありがとう数3
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
私もsaboten82さんと似たような読後感をもちました。むしろ、saboten82さんのおかげで頭の中のモヤモヤが言語化され、クリアになったというか。 私が一番思ったのは、この小説を村上春樹が書かなければならなかったのかということです。同じような内容なら、もっと現代風俗を徹底的に取材して書く大衆小説作家(大衆小説作家を低く捉えているわけではありません)に任せてもよいのではないかと(ちょっと村上龍の『ラブ&ポップ』的な匂いがしました)。もちろん、「私たち」の視点などというのには、氏らしい世界観を見出せるのですが。とにかく、氏の作品の中では凡庸と言わざるを得ないのではないかと。読み進めていて初めにそれを感じたのは、第3章の終わりの「ったく、もう」という台詞に出くわした時でした。うーん、やれやれ……。 説教臭いというのも、そうですよね。確かに氏はもともと私の中ではモラリスティックな作家で、初期の頃から通底するものは大きくは変わらないように思われるのですが、その中にも氏独特のユーモアやペーソスやアイロニーが含まれていました。しかし、今回は教導的にすぎるかなと。これは、ある程度の年齢を超えると、自分の主義主張だけでなく、果たすべき社会的責任を意識せざるを得ないという理解をすべきなのでしょうか。ノンフィクションに進出したのも好例ですよね。 とにかく、『アフターダーク』を氏がどうしても書かなければならなかったとしても、長編にしなくてもよかったのではないかと考えます。 とはいえ、氏に完全に失望したわけではないので、新作が発表されれば私はまたいの一番に読むことでしょう。
関連するQ&A
- 村上春樹さんのアフターダーク
村上春樹さんのアフターダークを読み終えたんですけど、いまいちパッとしないというか後味があまり良くない終わり方でした。 内容もそうだったんですけど、やっぱり微妙な感じでした。 そこで質問なんですけど、村上春樹さんはアフターダークで何を伝えたかったのか、もしくは何を訴えたかったのか誰か教えてください!
- 締切済み
- 文学・古典
- 村上春樹さんのよさはどこでしょう?
村上春樹さんのノルウェイの森を読みました。 村上春樹さんは非常に有名で、このカテゴリーでもファンの方は多いようですが、 彼の小説のどのようなところが好きなのでしょうか? 非難するつもりではなく、単純にその魅力を具体的な言葉で知りたいのです。 ノルウェイの森しか読んでませんが、 私の感想では、、。 まず、主人公の人格ですが、あまり魅力が無いように思います。 実際にいても、友達が出来ず、人望も無いのでは? と思ってしまうほどに感じます。 また、相手の女性方も、全員とは言いませんが、魅力に欠けます。 無くてもいいのでは?と思えるようなエピソードもたくさん出てきます。 冒頭の、多少苦しみながらの回想シーン、 これは小説の終わりに、冒頭の部分につながるはっきりとした何かが来るのかなと思えば、何もありません。 冒頭の部分がなぜ必要なのかもわかりません。 最後、年上の女性と肉体関係を持ってしまうのも いったいこの本で何を表現したいのかと思ってしまいます。 他の作品もたくさん読んでみたいとも思うのですが、 迷っています。 村上春樹さんの作品を好きな方の魅了されている点を具体的に教えて頂けないでしょうか?
- ベストアンサー
- 書籍・文庫
- おすすめ村上春樹は?
最近、村上春樹さんにハマっています。 そこで、お勧めの村上作品(ノンフィクション)を教えて下さい。 私は最近「スプートニクの恋人」に感動しました。 できれば、なぜ お勧めなのか その理由も教えて下さい。 また、これは絶対という ノン・フィクションもお願いします。 こちらは「うずまき猫のみつけかた」がおもしろかったです。 作品以外で、春樹さん情報もありましたらお願いします。 (いろいろ欲張って すみません・・・)
- ベストアンサー
- 書籍・文庫
- 村上春樹の読み方は?
最近、村上春樹氏の本をはじめて読みました。 「海辺のカフカ」です。 今、「ハードボイルド」を読んでいます。 村上氏にはまっている方・好まない方 それぞれの意見が聞けたらな~と思います。 例えば、村上氏の個性が出ている作品が何か また、理由もお聞かせ頂ければ嬉しいです。 (ネタバレは全く気にしません。) ちなみに私は、少ししか読んでないんですが 結構好きな感触です。 いずれ全部読むつもりでいます。 「自分流 村上春樹の読み方」なども、もしあったら あわせてアドバイス頂ければと思います。
- ベストアンサー
- 書籍・文庫
お礼
さっそくの回答有難うございます。また素敵なBBSの紹介もありがとうございます。どうしても氏の最近の小説は謎解きに重点がかかっているような気がしてならずついスピードアップして読んでしまいます。でも私もきっと新刊が出たらまた読むと思います。アマゾンのhttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/detail/customer-reviews/-/books/4062125366/2/ref=cm_rev_next/250-1755243-7146621?show=%2Bsubmittimeの「detouchmentからcommitmentへ」の書評がとても参考になりました。まさに「果たすべき社会的責任を意識せざるを得ない」というあたりに合致するような気がします。ありがとうございました。