露点管理の必要性とは?
- 大気炉の保有者が意識すべき露点管理について解説します。
- 炉内の気体組成を管理することで、製品処理の品質向上や生産効率の向上が期待できます。
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露点管理の必要性
850℃で使用している大気炉を保有しています。処理品の材質はSUJ-2のみです。今は炉内に窒素を入れて酸素濃度値を管理して製品処理をしています。良く露点の管理も必要と聞きますが、いまいち目的と効果が理解出来ていません。ご教授宜しくお願いします。
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技術問題なので、おおざっぱな話ではなく、もう少し踏み込んだ検討をします。 回答(1)にあるように、確かに水蒸気により鉄は酸化します。しかし引用文献で説明に用いられている図6での炉内雰囲気は、水素+水蒸気になっています。 質問は、炉内が窒素+酸素+水蒸気の場合の酸化現象です。要は「850度で水蒸気になっている酸素が、水素と離れて鉄と再結合するかどうか」です。 その答えは同じ引用文献の図4で検討できます。但しこの図4には鉄の酸化反応(Fe+O)の線が載ってないので、参考文献Aの図4.1を使用します。 図4.1で下にあるほどより強い反応になります。850度でのH+酸素反応の線とFe+酸素反応の線は、かなり近い位置にあります。つまりこの条件では、水蒸気の酸化力は強くありません。 一方「露点管理」とは、通常、浸炭処理での炉内雰囲気の調整に使用されます。その要点は参考文献Bの図5になります。図5で処理温度と露点により浸炭表面の炭素量を調整します。 質問のような操業条件ならば、現状の酸素濃度管理だけで十分であると考えます。ただ水蒸気を全く気にしなくて良いわけではなく、供給する窒素のドレイン抜きは必須です。最後に炉内のガス置換の目安になる参考文献Cをあげておきます。 「850度で水蒸気になっている酸素が、水素と離れて鉄と再結合するかどうか」の部分を「酸素が十分存在する条件下で、850度で水蒸気になっている酸素が、水素と離れて鉄と再結合するかどうか」に訂正します。 さらに訂正します。「供給する窒素のドレイン抜きは必須です」を「湿度が高くなるとやはり影響が出てくるので、窒素の乾燥は必須です」に訂正。 追加点。酸素濃度計にはついては詳しくないのですが、単独の酸素とともに水蒸気として存在している酸素も合わせて測定しているのではないでしょうか(横河のジルコニア酸素濃度計の説明では、そのように読み取れます)。だとすると、あえて露点を測定する必要がない気がします。
酸素が鉄を酸化=錆になるのはわかりやすいが、温度が高くなるとその他にも酸化させるガスがあり http://park6.wakwak.com/~aitec/image/santikka.pdf P.3 各種雰囲気の酸化力は SO2,H20(水蒸気),酸素,空気,C02の順と言われており、、 2.1.1 鉄の酸素(又は空気)による酸化 2.1.2 鉄の炭酸ガスによる酸化 CO 一酸化炭素の比率により浸炭、脱炭が変化 2.1.3 鉄の水蒸気(H20)よる酸化 水蒸気は強い酸化力を有し、鉄を容易に酸化させる。 なので露点を下げ=水蒸気を減らさないと無酸化雰囲気とは言えなくなります。
お礼
添付資料ありがとうございます。 露点を測定する主な目的は水蒸気による錆を心配した管理項目と言っても良いですか。
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