鋳造の優しい本

このQ&Aのポイント
  • 鋳造の担当をすることになったけど知識がない。初心者向けの本はある?
  • 鋳造で困っている低圧鋳造の問題を解決したい。
  • 脱ガス作業で空気中の水素が溶解したアルミに問題があり、その取り除き方を理解したい。
回答を見る
  • 締切済み

鋳造の優しい本

鋳造の担当をすることになったのですが、知識がないので一から勉強しなくてはなりません。初歩のわかりやすい本はないでしょうか? ちなみに当方、アルミの低圧鋳造をしておりピンホールの問題で困っております。 これからそのような問題点を解決していかなくてはなりません。 ちなみに脱ガスという作業を行っていますがちょっと理解できていない点があります。 溶解したアルミは空気と反応して酸化物ができると思いますが、空気の一部がアルミ中に水素として存在し、それが原因でピンホールができてしまうと聞いています。 しかし誰も理論的には理解できていません。 なぜ空気もしくは水蒸気と関係して水素が溶解アルミ中にふくまれるようなことが起こるのでしょうか? また、それを取り除くのが不活性ガスであるアルゴンということですが、 どのような原理で取り除くことができるのでしょうか?

noname#230358
noname#230358

みんなの回答

noname#230359
noname#230359
回答No.2

後半の脱ガスに関してです。 ピンホール生成の部分は参考URLの3.2(1)アルミニウムの項を参考にしてください。 反応式は表3.1-2にあります。 続いて不活性ガスによる脱ガスの機構です。 アルミ溶湯中では 1/2H2=H(アルミ中に溶解)の平衡反応が成立します。 この平衡反応は水素ガス分圧が低くなるとアルミ中に溶解する水素が減少することを意味しています。 Arガスを吹き込むという操作は水素ガス分圧の低い領域を作り出すということです。 つまりArガス気泡中の水素ガス分圧はきわめて低いため、 Arガス気泡のごく近くのアルミ中に溶解していた水素がArガス気泡中に移行して取り込まれ、 系外に放出されていきいます。 これを繰り返すことで、溶解していた水素を取り除くということが 不活性ガスによる脱ガスということになります。 以上のように脱ガス反応はArガス気泡周辺でしか進行しないので、 Arガス気泡とアルミ溶湯が接触する機会を増やす必要があります。 そのため脱ガスで吹き込むガスは微細な気泡を使用します。 少々言葉足らずの部分があったのと、厳密に用語を使っていなかったところがあり、 混乱を招いているかもしれません。すいません。 ?参考資料での「固溶」と、私の言う「溶解」はこの場合ではどちらも同じ意味で使用しています。 ここでは溶融Al中の水素は水素分子ではなく水素原子として溶融Alの中に無秩序に混ざっている ということをご理解いただければよいと思います。 ご質問の 「固溶しきれなくなり水素ガスが発生するという考え方でいいのでしょうか?」はそのとおりです。 「水素がすべて固溶している状態では水素ガスは発生していないという事でしょうか?」も正しいです。 「完全に固溶している状態では真空で引いても無意味ととらえていいのですか?」は誤りです。 この部分は?のご質問と深い関わりがあります。 ?化学平衡の考え方が必要になります。 ご提示した反応式  1/2H2=H(アルミ中に溶解)・・・(a)が示している内容は 左から右(水素ガスが水素原子になってAlに溶解する)にも 右から左(Alに溶け込んでいた水素原子が水素ガスになる)にも反応が起こる可逆反応であるということです。 左から右への反応の反応速度と右から左の反応速度がちょうど釣り合った状態を平衡状態と呼び、 (a)の反応の平衡定数KはK=[H]/PH2^0.5と表すことができます。 ([H]:溶融Al中の水素の活量(大雑把に言えば溶融Al中の水素濃度です)、PH2:水素分圧) 平衡定数Kは温度が一定の場合は変化しませんので、仮に水素分圧が低くなると 平衡状態を保つためには[H]も減少しなければならないことになります。 例えば参考資料の図3.2-1では水素分圧1atmで705℃の時、水素溶解度は約1cm3/100gAlとしています。 ここで水素分圧を0.5atmに下げると√0.5=0.7なので、溶け込んでいた水素の3割は取り除かれるということになります。 ?の質問の真空にした場合は水素分圧が低くなりますので、水素溶解度は低下し、 水素は取り除かれます。 で、Arガスによる脱ガスというのは局所的に平衡状態を乱すことが本質です。 Arガス気泡はArガス100%なので水素は含まれていません。 つまり溶融Al中に吹き込まれた微細なArガス気泡中の水素分圧はきわめて低いことになり、 真空の時と同じことが微細なArガス気泡の界面周辺で生じます。 Arガス気泡の界面では(a)の反応が右から左に進行し、生成した水素ガスは Arガス気泡内に取り込まれ、やがて溶融Alの表面から抜けていくという機構で 脱ガスができるということになります。 以上わかりやすい説明になっているか不安ですが、ご不明な点があればまた質問してください。 どこかのURLに参考になるような図があればいいのですが なかなか見つからないので、文章による説明になっています・・・。 ご質問の内容からすると「分圧」と「全圧」についてご説明するのが良いように思います。 全圧Pはその気体を構成するすべての気体成分の分圧P1、P2・・・の和で表せます。  P=P1+P2+・・・ 成分1の分圧はその気体中での体積率(vol%)と比例するので、その体積率をx%とすると、  P1=P・x/100 となります。 例として空気を取り上げると、空気は窒素約80%、酸素約20%なので  P=PN2+PO2 で、大気圧が1atmならPN2=0.8atm、PO2=0.2atmです。 同じようにして水素分圧PH2について考えると  PH2=P・x/100 のうち、真空状態の場合では全圧Pが小さくなるのでPH2が小さくなります。 Arガス気泡中の場合では水素がありませんので、xが小さくなってPH2をできます。 どちらの手法でも水素分圧PH2が小さくなるのは変わりませんので、(a)の反応の 平衡定数にしたがって水素溶解度を低下できる、ということです。 こんな感じの説明でどうでしょうか? まだわかりにくいところがあれば、また質問してください。

参考URL:
http://idb.exst.jaxa.jp/jdata/02036/199603J02036030/199603J02036030.html
noname#230358
質問者

お礼

ご丁寧な説明ありがとうございます。 しかしながら何分まだ不勉強なところがあるため、全文を理解できません。 いくつか質問させて頂いてよろしいでしょうか。 ?3.2(1)で「固溶状態のHとして溶融Al中に固溶し、凝固時に固体中のHの固溶度が小さいことから気泡を生成する。Al中のH溶解度は、図3.2-1に示すように、固体中の固溶度が急激に低下することから、ガス欠陥となる。」  とありますが固溶と溶解の違いを調べたのですが違いをいまいち理解できてないのが理解力不足の原因であると思ってるのですが、グラフにもあるように725度以上ですべて固溶できていた水素が500度くらいになると固溶しきれなくなり水素ガスが発生するという考え方でいいのでしょうか?水素がすべて固溶している状態では水素ガスは発生していないという事でしょうか? 完全に固溶している状態では真空で引いても無意味ととらえていいのですか? ?ご説明の中で「この平衡反応は水素ガス分圧が低くなるとアルミ中に溶解する水素が減少することを意味しています。Arガスを吹き込むという操作は水素ガス分圧の低い領域を作り出すということです。」とありますが申し訳ないのですが 意味がさっぱりわかりません。すみません。特に「水素ガス分圧が低くなる」というところがまずわかっていません。よろしければ今一度簡単に説明していただけませんでしょうか?何卒宜しくお願い致します! ご回答いただきましたのにお礼が遅れて申し訳ありません。 何度も読み直しなんとなく理解できてきたところです。 しかしながら下記文章がいまいち理解ができません。 「つまり溶融Al中に吹き込まれた微細なArガス気泡中の水素分圧はきわめて低いことになり、 真空の時と同じことが微細なArガス気泡の界面周辺で生じます。」 なぜ真空と同じことが起こるのか原理がつかめておりません。。 よろしければまたご教授いただければ幸いです。

noname#230359
noname#230359
回答No.1

「 図解金型がわかる本 モノづくりの魅力と奥深さが見えてくる 」 中川威雄/著  日本実業出版社 などはいかがでしょうか。

関連するQ&A

  • ブローホール中のガスについて

    ステンレス鋳造品を溶接した部分にブローホールが発生しました。 ブローホール中のガス分析したところ、水素が43%、アルゴン55% 検出されました。 アルゴンはおそらくシールドガスで(シールドガス・・アルゴン+炭酸ガス) あると思われますが、ブローホール中の水素がどこからきたのでしょうか? 水素が43%も含まれている原因がわかりません。 どなたか教えてください。

  • 雰囲気ガスはなぜアルゴン?

    こんにちは、ぜひ知りたいことがありまして質問させていただきます。 アーク放電について研究しているのですが、実験条件において雰囲気ガスをアルゴンにするのはなぜでしょうか? 当たり前のようにいつも実験では雰囲気ガスをアルゴンで行っています。 ほかに窒素なども使用したりします。でもおもにアルゴンです。 アルゴンは希ガスで不活性ガスだから使うんだと先輩は言っていますが、いまいちアルゴンを使うことのメリットや特性がよく理解できていません。 自分が思うには不活性つまりほかの種類の物質と結合しないことからチャンバー内の雰囲気を変化させることなく実験できるからかなっと思ったりしています。 またいろいろ調べた結果空気中より高温が得られることもひとつの情報として知ることが出来たのですがその理由もわかりません。 やはりアルゴンを使用する理由をちゃんと理解した前提で研究していきたいので詳しいことをお知りの方がおられましたらぜひ教えてください。 よろしくお願いします。

  • 簡単なアルミ鋳造

    アルミの部品を作りたいのですが切削では難しい形状なので鋳造をしようと思います。 ロストワックスや土の型では用意する手間や時間がかかるので、粘土の型にそのまま溶けたアルミを流し込んでみようかと思っています。 自分で思い当たる問題点といえば粘土が水分を含むこと、溶けたアルミとの温度差などが思い当たるのですが、それを解消するために粘土型を乾燥させた上でバーナーで焼いてからアルミを流し込めばいいのではないかとおもうのですが。 そのように乾かしたり焼いたりしてもひび割れたり縮んだりしない粘土素材ってありますでしょうか?

  • アルミ砂型鋳造の水蒸気爆発

    初めまして。 うちではアルミの砂型鋳造において、アルミを注湯してすぐに 砂型からアルミが跳ね上がる「水蒸気爆発(?)」が ごくたまーにあります。 しかし、原因ははっきりしません。 環境(砂型が湿気を吸った)なのか、砂型を運ぶためのパイプが湯口に触れて しまったからなのか、砂型を結合しているアルカリフェノールバインダーと その硬化剤(水分を含む)の混練のムラがあって、湯口付近にたまたま 水分が集中してあったからなのか・・・。 どれが一番おおきな要因なのか、対策が打てず困っています。 ちなみに、今は木型から砂型を外してから2時間ほどで型を合わせて 加熱などせずに鋳造しています。 どなたかアドバイスをお願い致します。

  • アルミの溶解

    現在、純アルミを溶解しようと考えております。 しかしながら、制約としてはガス発生が無いことです。 強酸及び強アルカリで溶解すると当然のことながら水素(ガス)が発生してしまいます。 現実的にはガス発生無しに溶解する事は不可能なのでしょうか? 化学に対して素人的な質問になっているのかもしれませんがよろしくお願いいたします。

  • アルミダイカスト製品内のガス成分について

    アルミダイカスト製品には鋳造時に溶湯中の水素やスリーブ潤滑油・離型剤(水性)・空気等が巻込まれておりますが、鋳造品を一旦700℃前後に加熱し溶かして、そこから出るガス成分をガスクロマトグラフィで分析することによって、各製品に巻込まれているものが潤滑油・離型剤・空気のどれであるかを特定できないかと考えております。 しかし、炭素化合物は潤滑油にも離型剤にも含まれておりますし、離型剤の水は700℃程度ではガスクロで測れるH2やO2に分解しないようでありますので、なかなか難しいのではと思います。 どなたか詳しい方、教えていただけませんでしょうか?

  • 水素ガス中飽和水蒸気量

    飽和水蒸気量というのはガスの組成によって違うのでしょうか?? 普通は空気中で考えていると思います。 これが,水素ガス100%だったらどうなるのでしょうか??どなたかわかる方御回答願います。

  • 不活性ガスについて

    希ガスが反応しにくいのは、最外殻が全て電子で埋まっているから、と理解しています。 一方、窒素も不活性ガスとして知られていますよね。酸素や水素に比べ、窒素がなぜ不活性(安定)なのかがわかりません。 ご指導のほど、よろしくお願いします。

  • 都市ガスと水蒸気の反応でどのように水素を取り出す?

    東京ガスのホームページをみていて、??と思ったので質問させてください。 都市ガスと水蒸気の反応でどのように水素を取り出すのですか? (引用) 1. 燃料処理装置で、都市ガスと水蒸気を反応させ、水素を取り出します。 2. 取り出した水素を、燃料電池スタックへ供給。空気中の酸素も取り込み、電気と水を発生させます。 3. 水は水蒸気として、燃料処理装置で再利用。電気はインバータで交流電気に変換され、家庭内へ。 http://home.tokyo-gas.co.jp/enefarm_special/enefarm/structure_detail.html (引用ここまで) もちろんガス屋さんなのでガスを使っての水素の取り出しなのだと思うのですが、水蒸気から水素を取り出すには、通常どのようにするものなのでしょうか?(ガスを使わなくてもできるのですか?) あまり化学のことがわかりませんが、ご教授のほどどうぞ宜しくお願い申し上げます。

  • 炭酸水素ナトリウムを水に溶解した場合の沸点

    ある問題集で、「炭酸水素ナトリウムを溶解した場合、水の蒸気圧は下降す る」と書かれていたのですが、これは沸点が下がると言うことと解釈してもいいのでしょうか?