供給曲線の形についての疑問

このQ&Aのポイント
  • 資格試験で学ぶ「経済学」の中で、供給曲線の形状について疑問があります。
  • 一般的には右上がりの供給曲線が導出されるプロセスとされますが、この形に納得がいきません。
  • また、供給曲線の形状によって企業の状況も異なると考えられますが、どの形状が一般的なのでしょうか?
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供給曲線の形について 右上がり、右下がり

資格試験で「経済学」の勉強をしています。 右上がりの供給曲線が、導出されるプロセスについて、なかなか納得がいきません。 一般的に、図で(1)の形が、出てきて、限界費用曲線(MC)と、平均費用曲線(AC)や平均変動費用曲線(AVC)との交点の右側が、供給曲線という説明がされると思います。 上段の、費用曲線が生産量が増えた時に、再度、上方へ傾きを急にしていくプロセスについて、そうかなあ?と思います。 一般的には規模の経済が徹底的に機能していて、上方へ傾きを急にしていくようなプロセスは、あまりないのではないかと。 生産量が増えた時に、 手狭になってきた工場で生産しないといけないとか 労働者の管理がしづらくなり、管理部門が膨れ上がるとか、労働組合ができて賃上げ交渉してくるとか あるとは思いますが、 鴻海とか、大量生産で勝っているところをみるにつけ、そう思います。 あるいは、大規模な設備投資をするリスク、実際に破綻する大規模な工場(シャープ亀山工場など)のコストなども、考慮するので、上昇するということなのでしょうか。 もし(2)(変動費と固定のお馴染みのグラフ)の形、あるいは(3)のような形の費用曲線であれば、限界費用曲線は、水平あるいは右下がりになるかと思うのですが、一般的には企業の状況としては、(3)のような状況のほうが多いのではないかと思うのですが、どうでしょうか? そうであれば、この右下がりの個々の工場の供給曲線を、合計したときの、供給曲線も、同じように右下がりになると思います。A) また一方で、全く別の視点で、 価格が高いほど、生産者は新規参入したり無理してでも生産するので、供給曲線は右上がりになる、というのは、よく分かります。B) AとBで矛盾するので、よく分からなくなります。 断片的に理解しているので、なにか根本的な誤解があるかと思うので、ご指摘いただければありがたいです。

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.1

いくつかのコメントがあります。 ・経済学を学ぶと、(1)のような費用曲線からはじめますが、(1)と(2)や(3)とには大きな違いがあります。(1)には、平均費用(AC)が最低になる生産量(「最適規模」ーACとMCが交わる点でしめされる生産規模)がありますが、(2)、(3)にはありません。(2)や(3)ではACは生産を拡大すればするほど、低下していく。こうした費用曲線をもつ産業は「自然独占」産業と呼ばれ、多くの、小さい規模をもつ企業がプライステイカーとして競争する「完全競争」とは両立しません。そうした「自然独占」産業では、先行した企業が生産をどんどん拡大し、市場を独占してしまい、後発企業の入りこむ余地をなくしてしまうからです。したがって、多くの企業が価格を所与として行動する産業では、(1)のようなタイプの費用曲線をもち、しかも「最適規模」が小さい産業でなければならないのです。(「最適規模」があっても、それが市場(需要)の規模にくらべて大きいなら、最適規模に達するまではACは低下をつづけるので、市場は1つの企業で満たされ、結局(1)や(2)と同じ結果になります。) ・費用曲線というとき、通常「短期」の費用曲線のことです。「短期」とは、生産要素の中に自由に増やしたり、減らしたりすることができない「固定」生産要素が存在する状況を指します。土地を借りて野菜を作って市場に野菜を出荷している農業法人(個人農家でもかまいません)を考えてみましょう。その野菜農家は1ヘクタールの土地を10年なら10年の期間借り受ける契約を土地所有者と結び、肥料を肥料会社から購入し、働き手(労働者)を雇って生産を開始したとしましょう。この場合、土地が固定要素で、肥料や労働力は可変(あるいは変動)要素です。いま事業が好調で、現在の野菜の市場価格のもとで生産すればするほど売れる状態だとしても、当面(つまり「短期」には)1ヘクタールの土地(固定要素)のもとで何とか、労働者を増やし、肥料を追加するなどの、可変要素をやりくりしていくほかはない。これが、固定要素がある状況(「短期」の状況)のもとでは、固定要素の制約のため、ある一定の生産量に達すると、まず限界費用が上昇し、ついで平均費用も上がっていく状況になると考えられる。それを典型的に描いたのが、(1)のタイプの費用曲線です。なお、固定要素に支払う費用(この場合土地所有者に支払う地代は野菜出荷量とは無関係に支払う必要がある)を固定費用といい、肥料代や労賃のように生産が活発になれば増え、生産水準が落ちるなら減少する費用を可変費用(変動費用)とよぶ。 ・繰り返すと、いわゆる「完全競争」が成立するのは、(1)のような費用曲線をもつ産業で、かつ「最適規模」が市場規模にくらべてずっと小さく、したがって多数の生産者に生産の余地がある産業ということになります。

spongetak
質問者

お礼

誠にありがとうございます。 実はこの質問をした後、テキストの勉強を進めていき、独占企業のところになり、右下がりの限界費用曲線についてかかれていて、ここにかいてあるじゃん、と思い、質問を取り消そうと思ったのですが、なにかコメント書いてくれる方がいて、勉強にもなるかもと、残しておきました。 適切なご指摘ありがとうございます。 また基本的に短期で考える、というご指摘も、自分自身の理解と合致していたので、詳しい方にご指摘いただき、安心できました。大変整理できましたありがとうございます。

その他の回答 (1)

回答No.2

重要なコメントを書くのを忘れていました。 ・あなたは費用曲線ではなく供給曲線が右上がり、それとも右下がりか問題にしていますが、供給曲線というのは、(完全)競争企業、つまり価格を所与として行動する企業(プライステイカー)にしか存在しないのです。競争企業にとっては、価格は市場で与えられ、そのとき利潤を最大にする生産量を選択する存在であって、したがって与えられる市場価格にたいして利潤を最大にする生産量を見つけるのが供給曲線です。これに対して、たとえば独占は自由に価格を設定できるので、供給曲線はないのです。利潤最大化価格あるいは利潤最大化生産量が一つ存在するだけです。 ・それから右下がりの供給曲線というのは外部経済等のある、ある意味で特殊な環境のもとでしか存在しません。競争企業にとって価格=限界費用が成立するところま生産するというルールは、限界費用が逓増するとき(つまりMC曲線が右上がりのとき)にのみ成立するからです(なぜ?(3)のような状況でこのルールをあてはめるとどうなるか考えてみてください!)。

spongetak
質問者

お礼

目からうろこのご教示でした。 すごく整理されました。ありがとうございます。

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