• ベストアンサー

相対性と慣性系と等速直線運動について

stomachmanの回答

  • ベストアンサー
  • stomachman
  • ベストアンサー率57% (1014/1775)
回答No.5

1. ガリレオは木星の4大衛星を観測して地動説に行き着いたと言われ、力学とどのぐらい関係があるのかはよくわかりません。ガリレオの相対性原理では、加速度のある系では相対性が成り立たないので、天体の運動にそのまま適用したとはちょっと思えない。  ガリレオの相対性理論でも、アインシュタインの特殊相対性理論でも、慣性系Aから別の慣性系Bで行われる実験を見たとき、Bにおける観測結果とAにおける観測結果が一致するなんてことは全然言っていません。違いが出るんです。その違いを系統的に変換するのが速度の加法法則ですね。この法則から、AとBとの相対運動を求めることができるんですよ。  さて「天動説は勘違いで、地動説が正しい」なんて思ったら、それこそ勘違いです。アインシュタインの一般相対性理論、およびその後の主要な重力理論は、「等価原理」すなわち加速度と重力の等価性を前提にしています。これらの理論に於いては、加速運動している系(あるいは重力が働いている系)同士の間での観測結果の違いを系統的に説明できる座標変換が与えられます。つまり、これらの重力理論のおかげで加速系も含めて、相対性が言えるようになった。言い換えれば、天動説も地動説も全く対等なんです。単に現象を記述する座標系の選び方が違うだけで、その違いは座標変換によって消えてしまいます。 2. 加速度のない系が慣性系です。だから、回転せず自由落下している系(ただしあまり大きくないこと)は慣性系です。いわゆる無重量状態にある系ですね。この系には重力加速度が掛かっていませんから。 >「地球は近似的に等速直線運動をしている」 というのはどんな実験をやるかによって話が違ってきます。高い塔からものを落としたとき、真下には落ちませんし、台風は渦を巻くし、フーコーの振り子は振動面が回転していく。これらは地球が等速直線運動をしていないことを示す簡単な現象の例です。しかし小さい実験系の内部で短時間で終わる実験を粗い精度でやるぶんには、等速直線運動だと考えて差し支えない。 3. > 地球は慣性系ではない というのがそもそも勘違いで、地球まるごとが一つの慣性系であったりなかったりするというものではありません。その局所ごとに系を考えなくちゃいけない。自由落下する石ころが果たして地球の一部なのかどうか、という用語上の問題はさておいて。 4. > エーテルの風が検出されない理由として、「等速直線運動をしているかぎり >   どのような実験・観測を行っても絶対静止系は検出できない」  話が逆ですよ。この論理は明らかに間違ってます。エーテルの話と、ガリレオの相対性原理をごっちゃにしているんでしょう。  ガリレオの相対性原理では、慣性系の間では物理法則が同じ形で表されるけれど、慣性系Aから別の慣性系Bで行われる実験を見たとき、Bにおける観測結果とAにおける観測結果の違いからAとBの相対速度が求められます。確かに絶対速度は出ない。しかし、何か一つの慣性系を選んでそれをあらゆる慣性系の比較対象として決めておくことは可能である。つまり「この系Aを絶対静止系と定めよう」と宣言することはできる。 で、光を伝える媒体であるところのエーテルに固定された座標系こそ、まさしくそのような系Aとしてうってつけである。  ですから(1)ガリレオの相対性原理が成り立っていて、(2)しかもエーテルが実在するのならば、このエーテルの座標系に対して運動している座標系から見れば「エーテルの風」(すなわち光速の方向依存性)が検出される筈である。 ところがどうやっても「エーテルの風が検出されない」。だからこそ「エーテルは存在しないらしい」という結論が出てきたわけです。「地球は近似的に等速直線運動をしている」と考えて差し支えない実験もやってます。有名なマイケルソンとモーレーの実験もそうですね。  一方で、ガリレオの相対性原理を基本にすると、マクスウェルの電磁気学において、あるひとつの電磁波の速さがどの慣性系で見ても同じ(光速)であるということが矛盾を生じます。アインシュタインの特殊相対性理論は(a)光速が不変であることと、(b)座標系同士の相対速度が小さいときにガリレオの相対性原理が近似的に成り立つこと、を前提とすれば最も簡単な理論と言えます。この理論は専ら直線運動、すなわち等速直線運動および直線上の加速運動を扱うもので、その正しさは、多くの実験によって疑う余地がないほどしっかり確認されています。 5. お説によれば光は1個しかないのかな。2方向に光を飛ばしたら、どっちが絶対系だと仰るんで?  なんだか変なこと仰ってると言う以外、なんともコメントしようがありません。

ken007
質問者

お礼

回答ありがとうございます。 1.私も天動説と地動説は対等では、となんとなく思ったんです。でも違うんだろうな、 と思っていたのですが、そうか、座標変換という裏づけが必要なんですね。 2.近似的なんてことでいいのかな、と思っていたのですが、そうか、台風の渦や フーコーの振り子などの実例をふまえた上での近似的だったんですね。 3.2もそうなのですが近似的なんて事でスケールの大きな実験観測に支障はないのかな と思ったのですが、そうか「局所ごとの系を考える」でなければいけなかったんですね。 4.ということはガリレオの相対性原理をふまえた上で絶対静止系を求めたのでしょうか? 光が電磁波の一種という事が判ったから当然必要な媒体をエーテルとし、光速がどういう 条件下で測っても同じだからエーテルは絶対静止系となってしまい、それではガリレオの 相対性原理に反する、でもエーテルという媒体を考えなければ電磁波が伝わる事を力学上 説明がつかず、という訳で困ってしまいアイシュタインの相対性理論が登場する下敷きに なったのではないのでしょうか? いずれにしろ私も「等直運動しているかぎり絶対静止 系は検出できない」というのはエーテルを検出できない理由にならないのでは、と思って いました。等直運動をしていればどういう実験をしてもエーテルという絶対静止系に対して 動いていようが止まっていようが同じ実験結果がでる、というのはそれはそれでわかるの ですが、地球は加速度運動をしているのだから当然エーテルに対して風を感じるはずだ、 と思ったのです。 5.等速直線運動をしているかぎり絶対静止系は検出できない、なんてのがエーテルの 風を検出できない理由になるのなら、こういう言い方もできてしまうのではないか、と 思ったのです。 「座標変換」「局所的な系」などもっとよく考えたいと思います。ありがとうございました なお、「等直運動しているかぎり絶対静止系は検出できない」と書いてあったのは 相対性理論の世界 ジェームズAコールマン 中村誠太郎訳 講談社ブルーバックス です。

関連するQ&A

  • 慣性の法則でならったんですが、「運動している物体はそのままの速さで等速

    慣性の法則でならったんですが、「運動している物体はそのままの速さで等速直線運動を続ける。」と書いてあった部分についてよくわかりませんでした。この等速直線運動というところについて教えてください。

  • 相対性理論、地球が慣性系とは?

    「アベリアノフ著、わかる相対性理論」を読んでいます。 半分ほど読みましたが、これまでのところ、 分かったような分からないような・・・・ しかし、説明の中で地球は慣性系とされています。 今頃になって、地球は等速直線運動をしている訳ではないのに、 何故、慣性系として取り扱えるのかという疑問がわいてきました。 御手数ながら、「地球を慣性系として取り扱える理由」について ご教授ください。

  • 高校物理、慣性系

    慣性系と非慣性系の違いが明確にわかりません。慣性の法則は運動している物体に対し、外力が働かなければ、物体は等速直線運動し続け、静止している物体は静止し続ける。というのはわかるのですが。初心者にわかるよう教えてください。お願いします。

  • 等速直線運動をする物体とエネルギーの関係

    慣性の法則にしたがうと、動いている物体は等速直線運動を続けるとあります。 しかし、まさつ、空気抵抗0と仮定したとしても、途中で力を加えないのに何故ずっと等速直線運動を続けられるのか理由がわかりません。 初め、物体を運動させたときに得た、運動エネルギーが等速直線運動を続けさせているのですか?(運動エネルギーが物体をうごかしているのか) その考えもおかしいような気がするのでどなたか回答をお願いします。

  • 等速直線運動 中3

    中学3年生です。 等速直線運動について教えてください。 物体に力がはたらかないとき(または力がつり合っているとき) 静止していた物体はいつまでも静止し、 運動していた物体はその速さで等速直線運動を続ける これが等速直線運動ですが、さっぱりわかりません。 静止するときはわかりますが、運動しているときがわかりません。 「物体に力がはたらかないとき」は、具体的にどのようなときなのかはわかります。 例えば水平面で台車を転がしたとき、台車を押す瞬間は力が掛かりますが、あとは押さなくても転がり続けるというものです。 「物体に力がはたらかないとき」とは、「台車を押し続ける力も摩擦力もはたらかないとき」で合っていますか? 間違っていたら指摘してください。 しかし、「(または力がつり合っているとき)」の場合がどんなときなのかがわかりません。 何の力がつりあっているときのことをいっているのですか。 具体的に教えてください。

  • 等速直線運動と加速度

    物理の時間、先生が台車を用いて、 「静止した台車を一回押してやると加速度が生じ、等速直線運動をして、摩擦などの抵抗を受けて減速の加速度が生じて止まる」とおっしゃったのですが、 この場合、押されてから等速直背運動をはじめるまでの一連の加速度の変化の様子を教えてください。つまり、押された時の加速度から等速直線運動をしている時の加速度0までどのように移り変わるのか、、 また どれぐらいまで加速したら等速直線運動に移るのでしょうか? さっぱりわからなくなってしまい、質問もきっと間違いだらけでうまくまとまらなくなってしまったのですが、どうかご回答をお願い致します。

  • 慣性の法則と速度合成について。

    等速直線運動をする宇宙船があります。宇宙船の前方が正の方向とします。宇宙船からみて、相対速度v2で飛んでいるミサイルがあるとします。そして、この宇宙船を静止系からみると速度v1だとします。そうすると、静止系からみてミサイルの速度はv1+v2である!と言う人がいます。 これはニュートン力学ではそうなりますが、特殊相対性理論ではそうなりませんよね。v1+v2はガリレイ変換から導出されます。ローレンツ変換からは導出されません。でも、それはとりあえず置いときます。 もっと変なことを言います。 「ミサイルの速度がv1+v2になるのは、ミサイルが慣性の法則に従うからだ」 さらに、「光速度不変は間違っている。ミサイルでなく光だとすると、静止系からみて光の速度はv1+c(cは宇宙船からみた光速)になる。なぜなら、光は慣性の法則に従うからだ」と言います。 私が思うのに、ミサイルが慣性の法則に従うからといって、ミサイルの速度がv1+v2になると言うことは論理的にできないと思います。 これは正しいですか。 同じように、光が慣性の法則に従おうが従うまいが、光速度不変には何の関係もないと思います。 私は光は慣性の法則に従わないと思っていますが、たとえ、光が慣性の法則に従うとしても、(光速度不変かどうかも不明だとして)、「光速度不変は間違っている。光はv1+cになる」ということは、論理的に言えないと思います。 どうなんでしょうか。

  • 等速度運動と等速直線運動の違いについて

    等速度運動と等速直線運動は同じ意味だと習いましたが、厳密にいえば異なると思います。 まず、等速度運動について考察していきます。 等速度運動とは、速度が一定の運動のことだと思います。 速度はベクトル量なので、速度が一定とは、速さと運動の向きが一定ということでしょう。 つまり、等速度運動とは、速さが一定かつ運動の向きが一定の運動ということになるでしょう。 次に、等速直線運動について考察していきます。 等速直線運動とは、速さが一定である直線上の運動のことだと思います。 直線上の運動は、方向が一定の運動と言い換えられることができるでしょう。 つまり、等速直線運動とは、速さが一定かつ運動の方向が一定の運動ということになるでしょう。 さて、改めて等速度運動と等速直線運動とを比較してみることとします。 等速度運動は向きが一定の運動ですが、 等速直線運動は方向が一定の運動です。 「向き」という概念と、「方向」という概念は、数学や物理学においては異なる概念であるはずです。 例をあげるのならば、東西は方向ですが、東や西は向きです。東西方向、東向き、西向きは正しい言い回しで、東西向き、東方向、西方向という言い回しは間違っています。 ということは、方向が一定であっても向きは2つ考えられるので一定でないはずです。 つまり、等速直線運動は厳密にいえば速さが一定の往復運動などの場合も考えられるのではないでしょうか? このように考えていくと、等速度運動と等速直線運動を同じ意味で用いるのは間違っているように思えてなりません。皆さんはどのように思われますか? (通じればいいという方ももちろんいらっしゃるでしょうが、個人的にはあまり共感できません) ※「速さを一定に保って向きを反対側に変えるためには、無限小の時間に無限大のエネルギーを要するので、現実的にはありえない。だから等速直線運動であっているんだ!」といわれる方もいるかもしれませんが、そう言ってしまうと、現実の世界には完全な直線運動は存在しないので直線運動は考えられない!と言っているのと同じであると思うので、やはり等速度運動と等速直線運動は異なる運動を示している考えるのが妥当であると思います。 ※等速円運動も、右に一回転、左に一回転を交互に繰り返し、速さが一定の運動などの運動も考えられるはずなので、私たちが普段、等速円運動と呼んでいる運動は、上記のように考えると、厳密にいえば等角速度運動と呼ぶべきなのではと思います。

  • 等速直線運動、加速度について

    等速直線運動、加速度について みなさんにとって当たり前な事ですが、 調べようとしても分からなかったので教えてもらえたらとてもうれしいです(+.+) 等速直線運動をしている物体の加速度の値はどうなるのですか?(*_*) 物理はまだ身体になじんでいないというか。。 学校の勉強で困っています。 どうか、よろしくお願いします。

  • 運動の第1法則は必要なのか

    古典力学の学習をしており、運動の3法則について疑問を持ったため、質問させていただきます。 【質問】運動の第1法則(慣性の法則)は、なぜ必要なのでしょうか? 以下、運動の第1法則(慣性の法則)が必要ないと思える理由を記載します。 まず、慣性の法則は運動の第2法則(運動の法則)から導くことができます。 ma=Fという式に対し、F=0を代入すれば、a=0となるので、物体は等速直線運動をするという考えです。 しかし、同じ考えを皆持つようで、「それを踏まえた上でも、やはり第1法則は必要だ」と、ネットや本で調べると書いてあります。 その理由は、「第1法則は、第2法則と第3法則が成り立つための前提条件を提示したものである」とのことでした。 ところが、この主張もおかしい気がします。なぜなら、慣性の法則が成り立つからと言って、運動方程式が成り立つとは言い切れないと思うからです。 慣性の法則の内容は、 「すべての物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける」とのことです。(Wikipediaから引用) しかしこれは、外部から力を加えられない場合について述べたものにすぎず、これを前提条件としたからと言って運動方程式が成り立つ保証はできないと思うのです。 次のような反例を考えてみました。 「1次元座標系Xと、同じく1次元座標系Qとがある。Xは慣性系(慣性の法則が成り立つ系)である。X内に物体Aがあり、それに対して力F(t)を加える。Qは時間に応じてXに対して変移する座標系であり、X上の点をx、Q上の点をqとすると、 q=x+F(t) の関係にあるとする。(つまり、QはAにかかっている力の分だけ変異する座標系です。) Aに力を加えないとき、F(t)=0なので、q=x+F(t)よりQはXと一致している。したがってQ上で見てもAは静止または等速直線運動をしている。(Q上に他の物体があればそれも静止または等速直線運動をしている) 「外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける」という慣性系の定義に従えば、Qは慣性系である。 しかし、AにもしもF(t)=t^2という力を加えると、q=x+F(t)より、QはXに対して加速度運動をする。したがって、Q上で運動方程式は成り立たない。この場合、Qは慣性系なのに、運動方程式が成り立たない系である。」 このような特殊なケースを考えているのが屁理屈なのでしょうか? しかし、仮に第1法則が第2法則の成り立つ前提として必要十分であったとしても、それだとますます第1法則が必要な理由が分かりません。 同値な2つの法則が書かれていることになると思うのですが意味があるのでしょうか? 以上、長くて申し訳ありません。よろしくお願いいたします。 読んでくださりありがとうございます。