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映画「ミステリーズ 運命のリスボン」の魅力と謎とは?
- 映画「ミステリーズ 運命のリスボン」は情緒豊かなストーリーで魅了するが、一部の展開がわかりにくい。
- 物語は主人公の恋愛や決闘、エンディングに至るまで謎が多く、意味を読み解くのは困難。
- さまざまなキャラクターの関係や動機、事件の真相など、細部にわたる説明が欠けている面もある。
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質問者が選んだベストアンサー
前回も回答した者です。 質問者さんは最後までご覧になったとのことですので、ネタバレを含みながら書きます。 決闘の場面で自殺した人物について、これは映画を見た人の感想ブログなどを見ても「あれは誰!?」と疑問が多いシーンの一つのようです。私もちょっと調べてみましたが、少なくとも日本語でわかる範囲では、はっきりした答えは出ていないようです。 元々が幻想的というか、いろいろと難解で前衛的な演出を織り交ぜた映画ですので、あれもそういう演出の一環なのかなあ…と思ってます。具体的な人物ではなくて、何かの比喩なのかな?と。 私も答えを知りたい…。 最後のオチは、物語の一番最初、主人公が瀕死の重傷から回復する……というのがすべて彼の死の床での夢だった?というようにも受け取れますが、これまたはっきり夢オチだとも言い切っていないように感じました。これも見た人によって解釈が分かれているようです。 私個人の感想としては、物語全体が、ある登場人物の人生が他の登場人物の人生に繋がって行き、連鎖し、時間も空間も行き来して語られ、そしてすべてが因果で結ばれて……という構成になっていると感じました。原作は日本語訳されていないそうですが、原作では主人公視点で描かれているのを、映画では語り手もその場面での主人公も次々移り変わってゆく構成になっているという違いがあるそうです。 なので、最後も、人も時空もすべてが繋がっており、始まりは終わりに、終わりは始まりに…という締めくくりなのかな?と。 主人公の名前については、ディニス神父の学院にいるときの(おそらく)仮名がジョアンで、本当の名前がペドロです。母親が一緒に匿われたとき、母親が「ペドロ」と呼びかけているシーンがあります。 学院で仮名だった理由はわかりませんが、名字がないのと同様、彼の素性を隠すためでしょうか? その後、母の夫(母を監禁していた伯爵)も死に、母親の名誉も回復されたので、本名を隠す必要が無くなったのでしょう、「ペドロ・ダ・シルヴァ」と、死んだ実の父の姓も名乗っています。(というか、「ペドロ」も彼の父と同名なので、姓も名も父と同じ名前です。ややこしい…) 最後の最後で死んだ男の子が「アントニオ」と呼ばれていたかどうか、私は映画館で見たので、よく覚えていません。誰か他の人(=アントニオ?)を呼んでこさせたのかな?と思ったのですが。もし瀕死の少年が「アントニオ」と呼ばれていたのなら、ジョアン=ペドロの存在そのものも幻想、ということになりますかね。 エリザ(日本版パンフレットではエリーズ)がアルベルトを憎んでいる理由は、アルベルトが「本気になった」エリザを重く感じて逃げた、そのことで彼女のプライドを傷つけたからでしょう。母方はフランス王家の血を引き、父方も公爵、由緒正しい血筋で美貌の持ち主、社交界の花だったという設定ですから、自分の意のままにならない男は初めてだったのでは。 可愛さ余って憎さ百倍、いわばヤンデレストーカーだと思いました。そこへ弟の仇、というのが加わって憎さ倍増(その弟を刺客に差し向けたのは彼女なんですけどね)。 エリザの両親(ブノワ・ド・モンフォール、ブランシュ)と、アルベルト(=もの食いナイフ)には接点はなかったはずです。 エリザとすれ違ったディニス神父は、彼女がブノワとブランシュの娘だと気付き、彼女の許を訪れます。エリザの両親は彼女が生まれてすぐに亡くなったので、彼女は両親についてほとんど知りません。そのことはディニス神父が一番良く知っています。 そして、ディニス神父の視点で、若き頃のディニス神父とエリザの両親の物語が語られます。 ディニス神父は、父親(=バルタザル修道士)が修道院に入った後、父親の従兄弟に預けられますが、その後、先代モンフォール公爵(ブノワの父)に引き取られます。 ディニスとブノワは兄弟のように育ち、二人ともブランシュに恋をしますが、やはり公爵の嫡子であるブノワが有利。ところがブランシュは、ブノワ達が戦場で助けたラクローズ連隊長と恋仲になってしまう。ブノワはあの手この手でブランシュの恋を妨害し、半ば強引に結婚に持ちこむわけです。 いたたまれずに家を離れたディニスが数年後に戻ってみると、ブノワとブランシュの間には悲劇が…という流れですね。 このようなディニス神父の回想の後、アルベルトがエリザの所に乗り込んできます(エリザがアルベルトの不在時に屋敷に押しかけてきて、彼の妻を不安に陥れたため)。 そこでエリザは彼を撃とうとしますが、ディニス神父が彼女の荷物から銃弾をこっそり抜き取っていたので不発に終わり、アルベルトと面識のあるディニス神父は彼を追い返し…という展開です(うろ覚えなので細かいところが違ってたらごめんなさい)。 ちなみに、エリザの母親のブランシュ、本当に不倫していたんでしょうかね? その「現場」は実際には描かれていなかった(と思う)ので、もしかしたら、かなり強引に結婚した妻からの愛を得られず、猜疑心の塊となった夫・モンフォール公爵の妄想なのでは…?という気もしなくはありません。 放火で妻を殺すあたり、モンフォール公爵もかなり病んでいますね。その娘のエリザの執念が病的なのも、なんか納得しちゃいます。 この映画の監督のラウル・ルイスは、幻想的な作風で有名だそうです。 この映画も、映像に実験的な手法が使われている場面があります。ストーリーの整合性よりも、その壮大で幻想的な映像と物語の雰囲気を味わう、そんな作品かなと思いました。 ちなみにポルトガルとフランスでは、6時間のテレビ版が放送されたそうです。映画は4時間半ですから、もしかしたらテレビ版を見れば謎が解けるシーンもあるのかなあ…と思いつつ、でも監督が「これでいい」と思ったのであれば、映画は映画として完結した内容なんでしょうね。 謎だらけの作品ですが、なにしろタイトルからして「Misterios de Lisboa」(リスボンの謎〔複数形〕)ですから。 原作ではどうなっているのか、それも気になりますね。
お礼
エリザとアルベルトってかなり長い間付き合っていたのですか? でも、アルベルトのほうはほかの女性と結婚するつもりだったみたい(というか結婚した)ですから、 エリザをうざく感じるのは当然かもしれません。(家まで押しかけられたらヤッパリ・・・ね) エリザの母親のブランシェの不倫の具体的な場面がなかったので、ほんとに不倫していたのか? と私もちらっと思いましたけれど(だって、自宅の敷地内で不倫しますか、普通・・・?) モンフォール侯爵の妄想という線もありでしょうか? ポルトガルでは6時間で放送がされていたと聞いて、びっくりです。 なんというか・・・4時間でも長いと感じましたからね。 とりとめのない話が続いていて途中だれている感じがしました。