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ひげ剃り機のモータ容量ってどうして出しているの?
剃り歯が往復運動してヒゲを剃るひげ剃り機を使っていて、ふと疑問が湧いてきました。 これは縦溝のある運動器を偏心モータを回すことで往復運動させているものですが、例えば歯の重量がG(g)で往復振動数がN(Hz)、往復ストロークがL(mm)、偏心回転半径がR(mm)としたときモーターのトルクはどのように計算するのだろうか、と思ったのですが、さっぱりわかりません。 モータの回転数は往復振動数N(Hz)と同じになるであろうと思えますが最終負荷は回転でなくなっていますので余計わからないのです。 動力学なんかに素養のない者でも分かり易く教えていただければとても嬉しいです。
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こんにちは。 追加のご質問をいただいていましたね。 >>1本だけ切る場合のトルクがストローク1mmとして10g・cmと計算結果がでていて複数本の時ストロークを1cmにしたから10倍の100g・cmだと理解してよろしいのでしょうか? ・・・ご指摘の内容は私のの回答の趣旨とは異なっています。また、私もあわてたせいもあって、先の回答に間違いがあったので訂正も含めて。 「100g・cm」としたのは、「一本だけの切断に100gの力が必要とする。1本だけなら0.1mm程度のストロークだが回転運動から0.1mm分の直線運動を安定した切断力で実現する場合の所要の回転”半径”1mmとすると所要トルクは100g・mm(=10g・cm)となる。しかし、実際に0.1mm程度のストロークで動作したのでは使いにくいので5mmのストロークを実現するとした場合には回転”半径”は1cm程度。そしてこの場合でも切断の瞬間に必要な切断力は100gで変わらないので所要トルクは100g・cmと置いた」ものです。 >>ただ、気になるのは刃などの構造物の重量やその他の因子が計算に反映されていないことです。 ・・・私からの先の回答の中での"円盤カムやモータ巻き線ロータの「慣性力」として蓄積し、"の部分がこれに当たります。私もきちんとできないので手抜きをしましたが(笑) まず、「回転する円盤カムの重量は、運動の邪魔(損失)にならないのか」「往復運動する刃の重量は運動の邪魔にならないのか」という課題ですが、摩擦を無視できる理想の機械として考えると「邪魔になりません」(加速時は除く) したがって、基本モデルとしてはこれらの重さはモーターの能力において考慮する必要がありません。 「円盤」についていえば「一定速度の回転運動は単純にエネルギーを消費しない」(したがって無限に重い円盤も無限に弱いモータで回し続けることができる))、 また、「往復する刃」についていえば「往復する刃もエネルギーを消費しない」(無限に重い刃を無限に弱いモータで回し続けるとき、円盤カムに一定の重量があれば加速と減速を繰り返しつつも動作は永遠に維持できる(往復運動の刃は加速時はエネルギーを吸収するが減速時には円盤にエネルギーを与える)) 次に、「このような重さを持つ機構は髭きり作業に役に立つのか」でいえば「役に立つ」ことになります。 もし、1ストロークの中で髭を1本しか切らなければ5mmのうち0.1mm分しか速度損失の区間がない(さらに正しくは半径10mmの円盤の回転運動で説明して、片道180度の回転の本の一部(外周移動距31.4mmのうち、0.1mm分)だけが減速でほかは加速)であるので、長い時間をかけてエネルギーを蓄積し、瞬間的に放出することができます。 この場合にはモーターの能力は小さなものとすることができます。(当然、単位時間(例えば1秒)当たりの出力(W)が単位時間当たりの髭きり仕事量より小さければだめですが、これを超えてさえいれば慣性力のある機構に蓄積して瞬間的な負荷に負けずにすむ) さて、計算の例ですが・・・私もちょっと息切れがして計算ができませんでしたのでごめんなさい(笑) (刃の重さと円盤の慣性力mrωからエネルギー損失のない条件下での回転速度の変動の度合いは計算できるでしょう。これに対して髭1本を切るエネルギー損失(J)が100gwと0.1mmから計算できて回転の変動に加算され、これを埋め合わせるために必要なモーターの能力が予測できます。先の回答では、加速区間約31mmと減速区間約0.1mmをもとに所要トルクが瞬間最大トルク(髭切りの瞬間)の1/10~1/100としています。) さてさて、再び長くなってしまいましたがご質問の趣旨にあっていたでしょうか。 お役に立てば幸いです。
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- joshua01
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こんにちは。 おや、比較的単純な設問なので回答が集まるかと思ったのですがなかなか回答が集まっていませんね。 次のような回答ではいかがでしょう ポイントは、「円盤の回転速度とその外周での"髭切りトルク”の問題」 さて、最終的には、「髪の毛」である髭を、「剪断力」によって切れば良い問題ですから、これが基本になりますね。 剪断力の計測を正確に行うためには、本来はきちんとした計測装置などの条件設定が必要でしょうが目安を得るためにちょっと実験してみました。 髪の毛を鋭利なカッターで切ってみたところ、静かに押しつけた場合には100g近くまで切れなかったのですが、ちょっとだけ刃をひきずる(引き切り)と10gくらいの荷重でも切れました。 なかなか幅がありますね。これは刃の作りの善し悪しによってモーターに要求されるトルクが大きく異なることを示しています。 極端なモデルでいえば、「きわめてゆっくり押し付けるだけの剪断ならば100gの力が必要。一方、ストロークは毛の太さである0.1mm程度動かせば良い」。 モータの回転運動と直線運動の変換は質問者さんのおっしゃるとおり偏芯カム(円盤(軸)状のカム)で行いますが、ストロークは最大で円盤の直径になるので所要の最小直径は0.1mm。トルクは偏芯の半径(円盤の外周)で発生させ、その一部が直線運動として取り出されることになりますがトルクが十分に出せるのはカムが直線運動の中央に来たときだけなので、仮に円盤の直径1mmをとし、そこで100gの力を出したとすると、所要トルクは「100g・mm(10g・cm)」になり、回転速度は「無視」(髭1本切るのに1時間かかっても良い)。いわばこれが「最も単純な結論」になりますね。 さて、もう少しマシなモデルを考えてみましょう。 さすがに1時間かかって1本の毛が切れても役に立たないし、1個だけしかない直径1mmの穴に1本だけ通った髭を切るようなストロークも役に立たないので、実ストロークを5mmとし、でもやはり円盤カムの直径全部が使えるわけでないので円盤カムの直径は余裕をもって1cmとしましょう。また、往復速度も1秒に最低10回、可能なら100回くらいほしいとすれば・・・・モータの所要特性は、「回転速度6000rpm、トルク100g・cm」となります。 さらに考慮を現実的にするためには、次のようなことも考えるべきでしょう。 ・髭は3本や4本同時になっても切れる余裕があるべき・・・所要トルクは5倍程度? ・髭を切っている時間は回転時間のうちわずかなので、残りの時間は空転させて円盤カムやモータ巻き線ロータの「慣性力」として蓄積し、トルクを補助できるのでモータの所要トルクは1/10~1/100程度?(カムや巻き線の重さによる。なお、刃は両端では瞬間的に停止してしまうので、ひとまず慣性力は考えない) ・摩擦ロスもばかにならない・・・所要トルクは3倍程度? ・刃が振動して複雑な微小変形しているので、単純な剪断でなく、引き切り効果もある・・・所要トルクは1/3程度? で、”乗数・除数を打ち消しあわせると、所要トルクが1/5~1/10程度になるのかな。”と考慮すると、 結果として「回転速度6000rpm、トルク10g・cm」という感じになりました。 というところで、マブチモータのHPで確認してみました。 ひげそりなどの小型家電品やかつて流行したミニ四駆にも使用されるFA130(いわゆる130系モータ)では、 3Vの印加したとき、停止直前の最大トルクは36g・cm(実用時にはこの1/2程度)、空転時の最大回転速度は12300rpm(実用時はこの1/2程度)で、概ね予想と一致しました。 http://www.mabuchi-motor.co.jp/cgi-bin/search/j_model.cgi さてさて、ちょっと長くなってしまいましたが、ご質問の趣旨に合っていたでしょうか お役に立てば幸です。
お礼
詳しい解説をありがとうございました。 結局、ヒゲを切るのに必要なトルクからの計算になるのですか。 1本だけ切る場合のトルクがストローク1mmとして10g・cmと計算結果がでていて複数本の時ストロークを1cmにしたから10倍の100g・cmだと理解してよろしいのでしょうか? ただ、気になるのは刃などの構造物の重量やその他の因子が計算に反映されていないことです。 不要なんでしょうか、よろしければ追加的に教えていただければ幸いです。
お礼
ご回答ありがとうございました。 丁寧に説明いただき、理解できたのではないかと思います。(やっぱり物理というか力学に弱いので失礼します) 邪魔云々は実際には摩擦などで理想的になならないだろうと想像しています。 今後とも、よろしくお願いいたします。