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[w]は有声軟口蓋接近音の唇音化とは違うのですか?

IPAでは[w]を有声両唇軟口蓋接近音としていて 日本語の/わ/の子音はこの音に近くはあるが、唇の丸みを伴わない軟口蓋接近音[ɰ]として発音されることが多い。(wiki) とありますが [kp]無声両唇軟口蓋破裂音 [gb]有声両唇軟口蓋破裂音 [ŋm]両唇軟口蓋鼻音 これらの音も円唇が必要なのでしょうか? 単純に[k]と[p]の二重調音なら円唇は必要ありません [β下寄り]と[ɰ]の二重調音が[w]ならば、[β下寄り]に円唇が含まれているということでしょうか?

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  • cherry77_
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回答No.4

>[w]は有声軟口蓋接近音の唇音化とは違うのですか? 回答としては 「IPAで[w]は両唇近接と軟口蓋近接の二重調音点を持つ有声音である」。 w : voiced labialzed velar approximant http://commons.wikimedia.org/wiki/File:IPA_chart_2005.png よって、理屈上は「有声軟口蓋接近音の唇音化」と同義とも言えるが、 イギリスの言語学者が中心となって自国の方言を含むヨーロッパ諸語の音素を比較することから発展してきたIPAへとつながる音韻学においては、[w]がまずありきなので、基本的に「有声軟口蓋接近音の唇音化」という発想はない、ということです。 加えて、英語における綴り字"w"の発音は円唇であり、IPAにおける[w]も円唇を基準に置くほかない、ということを指摘します。IPAにおいて同じく[w]であるとされる仏語の綴り字"oi"[w a]や"oui"[w i]は、強い円唇を伴った/ワ/、/ウィ/であって、日本語の/わ/とはかなり異なります。これは私見ですが、私がフランス語を聴く限り、仏語の[w]に必須なのは円唇近接であって必ずしも軟口蓋近接を伴っていなのではないかと思うくらいです。もしご存じでしたらフランソワーズ・モレシャンさんのカタコト日本語での「わたしたちのくにでは」の発音を思い出していただければと思います。 英語や仏語の[w]を[w]の基準音とするならば、日本語の/わ/は異音にならざるを得ません(当然話者による個人差はありますが)。では、日本語の/わ/で両唇が近接していないか、と問われれば、大抵の日本人は「日本語の/わ/は円唇ではないかもしれないが両唇は近接している」と答えるでしょう。ですから日本語版Wikipediaの「日本語の/わ/の子音はこの音に近くはあるが、唇の丸みを伴わない軟口蓋接近音として発音されることが多い。」という記述(敢えてここでは記号表記[ɰ]を除きました)自体は間違っていないことになります。 そうすると、非円唇の有声両唇軟口蓋接近音を表す記号がIPAにあるか、ということになりますが、単独の記号としては存在しません。あなたの仰る通りに「有声軟口蓋接近音の唇音化」と解釈して補助記号[ʷ]を用いて[ɰʷ]としてもあまり意味はありません。補助記号[ʷ]もまた円唇を想定しているからです(cf. wiki X-SAMPA, [ _w] )。そう表記してもおそらく間違いではないのですが、ここまで細かい話になると実際に日本語話者の/わ/を聴いた方が早い「百読は一聞に如かず」状態になってしまい、混乱したり読解を妨げるようであれば[ɰ]に集約させてしまった方がIPA上は都合がよい、ということになるのです。(蛇足ですが、非円唇後舌狭母音[ɯ]と軟口蓋化音[ˠ]で[ɯˠ]と書いたら恐らく余計に混乱します。) むしろ、一億人を超える話者が日常会話において発音している非円唇での唇音化を伴った日本語の/わ/の子音を以って[ɰ]の基準音としたほうが合理的でしょう。 >[kp]無声両唇軟口蓋破裂音 >[gb]有声両唇軟口蓋破裂音 >[ŋm]両唇軟口蓋鼻音 >これらの音も円唇が必要なのでしょうか? 必要ないでしょう。 少なくとも両唇軟口蓋破裂音に関しては円唇・非円唇を区別する言語も弁別する話者も想像できません。両唇軟口蓋鼻音に関しては実音を聞いたことも使用している言語も存じ上げないので解りませんが、IPAの[m]に円唇・非円唇の区別がないわけですから二重調音において区別するすべはないと考えます([kp], [gb]においても[p], [b]に円唇・非円唇の区別がないという関係性は同じです)。

48946
質問者

お礼

回答ありがとう御座います ヨーロッパの都合ということですね そんな厳密に区別出来ないものだとは分かっていますから じゃあ仕方が無いかくらいで納得しました

その他の回答 (3)

  • mide
  • ベストアンサー率44% (333/745)
回答No.3

>これらの音も円唇が必要なのでしょうか? いいえ。そういう子音連続あるいは二重調音が行われるからといって円唇の性質が付加されるというわけではありません。[w]は両唇軟口蓋接近音ですが二重調音であることから円唇が帰結されるわけではなく,円唇になるのは[w]自体の性質です。 [β]は両唇摩擦音なので(「下寄り」の意味がよく分かりませんが)別の話だと思います。

48946
質問者

お礼

回答ありがとう御座います IPAに両唇接近音のマークとして[β]の後ろに「下より」の補助記号を付けてあったので こう表現させていただきました

  • Oubli
  • ベストアンサー率31% (744/2384)
回答No.2

[kp]とか[gb]は重子音ないし子音クラスターでしょうか。でしたら円唇というよりも口唇破裂が必要だと思いますが、たまたま前後に連続した単語による場合以外、私はそういう音素を使う言語を知りません。世の中にはありえるとは思いますけど。

  • wy1
  • ベストアンサー率23% (331/1391)
回答No.1

英語のWやドイツ語のU”ウ”(仮名で書くと)は唇を円くして突き出すように、と学生の頃よくネイティーヴの教師に注意されましたね。 子音では(ドイツ語)sch、の時に同じように注意された記憶がありますね。n、m、ng、g、k、p、bなどでは唇を円くする必要は無いはずです。

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