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「○の悲劇」
推理小説やサスペンスのタイトルに「○の悲劇」というのがよくありますが(「Yの悲劇」とか「Mの悲劇」とかです)、あの名前は何が由来なのでしょうか? 私の調べた限り、エラリー・クイーンが1932年に書いた『Yの悲劇』が一番古いように思えます。 私は推理小説はほとんど読まないので分かりませんが、どうもこの『Yの悲劇』が名作として名高いようなので、これをオマージュして「○の悲劇」と名づけているのでしょうか?
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- technatama
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既に、エラリー・クイーンの「悲劇四部作」については、皆さんが説明しておられますので、私から追加することはありません。 私には質問者様が知りたいのは、XとかYとかの意味なのではないかとと思われたのですが。 『Xの悲劇』の「X」とは、第三の犠牲者が死ぬ間際に指をX字に交差させたダイイング・メッセージと思われるものを残していたことに由来します。 『Yの悲劇』の「Y」とは、ハッター家の当主・ヨーク・ハッターの名前の頭文字をとったものです。 『Zの悲劇』の「Z」については、犠牲者の持ち物の中から出てきた一通の手紙に、脅迫の言葉と謎のZの文字が並べられていたことが、その由来となりますが、前2作が「X」「Y」と来たので、無理にでも「Z」をこじつけたような気がしてなりません。 夏樹静子の『Wの悲劇』『Mの悲劇』は、他の方が説明しておられる通りで、クイーンのオマージュです。
- potatorooms
- ベストアンサー率28% (3506/12498)
エラリー・クィーンは、2人が合作したペンネームです。新人のとき、2人合作で、バーナビーロス名義でXの悲劇などの克明シリーズを、エラリークィーン名義で、ローマ帽子の謎などの国名シリーズを発表しました。 2人で2つの名義を持ったわけで、お互いライバルを演出し、会場でお互いの作品を非難し合ったりなどの演出をして、世間を騒がせたようです。 悲劇シリーズの最終巻を刊行した後、種あかしをして、エラリークィーン名義に統一をしました。 悲劇シリーズは、X、Y、Z、最後 の4部作で、私は一番の名作は最後の悲劇(ドルリーレーン最後の事件)だと思います。 以下、ちょっとネタバレを含みます。 推理小説には、犯してはならないタブーが、いろいろな作家さんが定義しています。その中でヴァンダインの20則が有名です。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%80%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%89%87 悲劇4部作は、どの作品も、このタブーに挑戦をした内容です。それに対して、エラリークィーン名義で発表した国名シリーズは正統派の推理小説になっています。新人なのに名義を変えて発表した理由は、多分、ここにあったのだと思います。悲劇シリーズは、発表当時、当然、非難があり、先の自作自演のやつも、この流れに乗ったものです。そのまま推理作家として抹殺される可能性もあったわけで、保険をかけたのでしょう。 当然、タブーに挑戦したため、注目を浴び、名作とも言われるわけです。 推理ファンには、Xを一番という人もいますよ。ちなみに、Xの悲劇の犯人をあてられる人は、残りの3作も当たると思います。私は国名シリーズは1作も犯人は分かりませんでしたが、悲劇シリーズはすべて分かりました。 ついでに他の作家さんの、タブーに挑戦した作品を紹介しておきます。 アイザック・アジモフ 裸の太陽 と 鋼鉄都市 20則をみると分かりますが、SF作品で、この条件を満たすのは至難の業です。これをやってのけた作品とされています。このシリーズは、SF小説であり、推理小説なんです。
- Yumikoit
- ベストアンサー率38% (849/2209)
エラリークイーンによる悲劇四部作のX、Y、Zの悲劇 と「ドルリーレーン最後の事件」については#1の方の言われる通りと思います。 「Yの悲劇」の方が先にあげられることが多いのは、エラリークイーンのファンでもあった江戸川乱歩氏が「Yの悲劇」がとても好きで、国内で紹介するときも「Yの悲劇」を前面に出していたことが原因であったかもしれません。 また、夏樹静子さんの「Wの悲劇」がドルリーレーン4部作のオマージュであることも#1の方の言われる通りです。 Wの悲劇のあとがきの中で、夏樹静子さん自身が「WはWemanのWでもあり…」と書いていたので、「Mの悲劇」は「W」に対比しての「Men」の悲劇であると解釈します。
- kagakusuki
- ベストアンサー率51% (2610/5101)
>『Yの悲劇』が一番古いように思えます。 一番古いのは『Xの悲劇』で、『Yの悲劇』はその続編です。 どちらも、「ドルリー・レーン(Drury Lane)」という探偵を主人公とした「エラリー・クイーン」著の長編推理小説のシリーズの中の作品で、『Yの悲劇』の続編が『Zの悲劇』で、4番目の『レーン最後の事件』がシーリーズ最後の作品です。 YとZに関してはXから続いているシリーズの続編なのですから、オマージュとは言わないと思います。 【参考URL】 Xの悲劇 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/X%E3%81%AE%E6%82%B2%E5%8A%87 Yの悲劇 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/Y%E3%81%AE%E6%82%B2%E5%8A%87 ドルリー・レーン - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%B3 尚、『Wの悲劇』は1982年に刊行された日本の推理小説で、著者である「夏樹静子」は「エラリー・クイーン」と親交があり、前もって「エラリー・クイーン」の許可を得た上で書いた『Xの悲劇』~『Zの悲劇』のオマージュ作品のようです。 【参考URL】 Wの悲劇 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/W%E3%81%AE%E6%82%B2%E5%8A%87 夏樹静子 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%8F%E6%A8%B9%E9%9D%99%E5%AD%90 『Mの悲劇』に関しては、私は存じ上げませんが、著者が『Wの悲劇』と同じ「夏樹静子」である事や、Wという字をひっくり返して上下を逆転させますとMになる事等から考えますと、『Xの悲劇』~『Zの悲劇』のオマージュ作品であるという可能性は高いのではないかと思います。 尚、「~の悲劇」という題名は、戯曲『ファウストの悲劇』とか、ロック曲『ラジオ・スターの悲劇(Video Killed the Radio Star)』、映画『ユナイテッド -ミュンヘンの悲劇-』等々、数々の作品名の題名として使われているようですが、流石にそれらの殆どは、『Xの悲劇』~『Zの悲劇』のオマージュとは言えないと思います。
お礼
回答ありがとうございます。 > 『Xの悲劇』 『Yの悲劇』に前編があるとは知りませんでした。私の調査不足であったようですね。 > 「~の悲劇」 私の説明不足でしたが、「~」に入るのはアルファベット一文字です。 なので、あげられた戯曲や映画はもちろん当てはまりません。 「Kの悲劇」でも「Sの悲劇」でも何でもよいのですが、この手の単語で検索すると大体推理小説かサスペンスがヒットします。 偶然とは思えないタイトルのつけ方なので、何か元ネタがあるのかと思ったのですが、エラリー・クイーンや夏樹静子が元ネタでしょうか。