• 締切済み

楽器職人に演奏技術は必要ですか?

子どものピアノの先生が変わり、その先生の自宅にあるピアノの音が素晴らしくて感動したのですが、 子どもが「きれいな音を出す楽器って作る人も演奏できるのかな?」と不思議に思ったようです。ピアノだけでなく、いい音色の楽器ってどんな人がどんな風に作っているのか気になります。ご自身でも演奏したりされるのでしょうか。携わっている方、ご存じの方がいらしたら、教えてください。

みんなの回答

  • LB05
  • ベストアンサー率52% (593/1121)
回答No.3

 元・弦楽器の設計者ですけど・・・・製作側に必要なのは、純粋な演奏技術ではなく『演奏者が望むモノ(=好まれる音とか演奏し易い形状とか)が判る能力』『演奏者の主張と楽器の構造を結びつけられる工学的知識』です。 ※『演奏者が望んでいるトーン(=よい音)が出せるか?』『演奏し易いか?』、等々が正確に把握出来なければ、よい楽器は作れません。  その楽器の良し悪しを調べる為には実際に演奏するしかなく、その為の演奏技術は必要ですが、違いが判りさえすればよいので第一線級の高度な演奏技術は必ずしも必要ではありません。 ※更に。  演奏者が自分の楽器に対して何か意見を言ってきた時、『なるほど。それならあそこをこうすれば、彼の好みに近付けられるな』と、演奏者の注文と楽器の構造を結びつけて考えられれば、極論すると演奏技術は全く不要となります。  例として。  ソリッド・ギター(ボディに空洞がない、いわゆる『エレキギター』)の歴史の中で特に優れた設計者の一人として、クラレンス・レオ・フェンダーというギター設計者がいました。彼が設計したギターの多くは、今日では『未来永劫、その魅力が衰えることはない』とされているほどの名器ばかりですが、本職は楽器職人でも木工職人でも、勿論ギター奏者でもなく、ラジオの修理屋でありギターをはじめ楽器類は一切演奏出来なかったと言われています。  彼の楽器開発スタイルは・・・・まず試作機を何本か製作し、それをその時代の著名な演奏者に配布し、彼らの意見を吸い上げ改良を加えて販売モデルにまとめ上げるというもので、ギターは演奏出来なくても振動工学とギターの機械的構造(ギターに限らず楽器は、振動工学や構造力学に基く『機械』です)に長けていたことが窺い知れます。  ギター以外で斯様な開発スタイルを取った楽器製作者は聞いたことがありませんが、理論的にはこのスタイルでもあらゆる楽器の名器が設計出来るはずであり、実際そうやって楽器を作っていた職人もいたと考えられます。(たまたま開発過程の記録が残っていないので、今日では歴史に埋もれてしまっているだけ、ということです。) ・・・・っというワケですが、ワタシの場合はどうだったか?というと。  ワタシ自身はギターやバイオリン等の弦楽器を演奏します。正直なところバイオリン属はよく判らないところが多々あり、設計では『迷走』している点が常にありましたが、ギターに関しては個人的な好みがハッキリしており、故に常に万人向けでないモノばかり作っていました(だからまぁ、あまりもうからなかったワケですが。)  万人向け、というと特に高尚なクラシック系楽器ではあまりよい評価ではない様な気がしますが、しかし万人に認められなければ名器足り得ません。  なまじ製作者が演奏技術を持っているより、フェンダー氏の様に『自分自身はニュートラル』な姿勢の方がよい楽器が作れるのではないかと思います。

yomika4213
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。設計者の方のお話は初めて伺いました。 ギター設計者の名人の話は興味深いですね。読んで思ったのは、当たり前の事ですがああ最後に音(音楽)を作るのは演奏者なんだ、ということです。制作者はそのツールを作るプロなんですよね。 そうするとうちの子が出した音に自分で感動した、ということになってしまうのですが(汗) ただもっとあのピアノ弾きたい、弾きこなしたいと思わせるような楽器を作れるってすごいなあと思ってこのような質問になりました。知らない事ばかりでした。ご丁寧なコメントに感謝します。

回答No.2

一般的には、楽器製作者を志す人はもともと楽器演奏者だった人が大半でしょうし、製作技術を教える学校の多くは演奏に関する課程が必修になっています。その意味では、楽器職人は演奏のプロではないにせよ、一定レベルの演奏技術を持っている、といって良いでしょう。 しかし、その程度は楽器によって様々です。 たとえば、原始的な楽器(たとえば民俗楽器)の場合は、演奏者すなわち製作者というケースが多いでしょう。「自分の使う楽器を自分で作る」ところから始まっていて、「たくさん作って売る」ことは想定されていないからです。貨幣経済が浸透してそういった楽器も商品化してきましたが、生産工程を見れば最初から最後まで1人で作るケースが多いでしょう。そうなると、当然、仕上がりも自分で確かめることになるので、楽器職人は演奏技術を持っていなければなりません。 また、弦楽器にしろ管楽器にしろ、1人で作ろうと思えば作れる楽器の場合も、こだわりのある製作者が1人で工房を開いていることが少なくありません。この場合も、自分で仕上がりを確かめるのですから、職人には演奏技術もあるでしょう。 これに対して、工業製品としての楽器は、職人といっても「ある工程の技術に特化している」という意味での職人が多くなります。パーツを設計図通りに正確に作る技術は重要ですが、最終調整は別の職人が行うので、必ずしも演奏技術が求められる訳ではありません。 この辺りの話は、電子楽器でも変わりません。その電子楽器専用のICとか、回路構成とか、操作パネルの設計とかいった部分は、「どうすれば面白い音が出るか、どうすれば操作しやすいか」に直結します。じっさい、電子楽器の設計者(や企画担当者・営業でさえ)の人たちは、かなりのマニア・変態(褒め言葉)で、ソロやバンドで演奏活動をしている人も少なくありません。 もちろん、実際の生産工程ではほとんどが機械化されているので、そもそも「職人」がいない場合も少なくありませんが。 つまりは、工業化・分業化・システム化の度合いによるでしょう。それが進むほど、最終的な産品(楽器)に対する知識・技術がなくても工程に携われる機会は増えます(だからこそ、楽器を演奏できないロボットがパーツを生産できる訳で)。

yomika4213
質問者

お礼

ご回答ありがとうございました。親子で楽器を作る人=音を作る人、というイメージを持っていましたが 確かに今では量産体制が主ですよね。製作技術を教える学校の多くは演奏に関する課程が必修、というのは知りませんでした。他にいただいた回答も含めて、子供にうまく伝えられればいいなあ、と思っています。(苦笑) ご丁寧にありがとうございました。

回答No.1

味覚に障害があるコックさんに無理があるのと同様、楽器を演奏できない楽器職人には無理があります。 ただ演奏と言っても製品の質(音色)を確認する為の最低限必要な演奏技術があればよく、演奏家である必要は無いでしょう。 とはいえ楽器によって製造工程は様々ですので、工程に関わる全ての人が上記のような最低限の演奏技術を持っているかは分かりませんね。 例えばバイオリンのニスを塗る専門の職人がいます。 一見音色に関係なさそうですが、実はバイオリンにおいてニスは音色を決定する上で非常に重要な要素であり、当然ニス職人さんはそれが分かる「耳」を持っていなければなりません。 「職人」であれば当然、自分で弾いて自分の耳で確認しますね。 ではバイオリンの弦を巻き取るペグを作る職人はどうでしょうか。 ペグの形状は見栄えを左右しますが、音色にはそれほど影響しませんので、ペグ職人にはバイオンリンの演奏技術は無くても良いかもしれません。 しかし、ペグの形状は当然使い易さも兼ね備えていなければなりませんので(装飾的過ぎて手に馴染まないなど)、ペグ職人がバイオンリンを演奏できる人であれば、それに越したことはありません。 このように考えると、楽器の製造工程に携わる職人さんは必要最低限の演奏技術は持っている、と考えるのが妥当でしょう。 (エレクトーンやエレキギターなど、電気を使う楽器は当然この限りではありません。電子部品の製造者には、演奏技術は関係ありませんから。) ちなみに私はジャンベというアフリカの太鼓を演奏しますが、演奏できない太鼓職人はいません。 蛇足ながら、 >子どものピアノの先生が変わり、その先生の自宅にあるピアノの音が素晴らしくて感動した とのことですが、ピアノの場合は調律も重要ですね。 ピアノの調律師に演奏技術と「耳」が必要なのは言うまでもありません。

yomika4213
質問者

お礼

早々のご回答、ありがとうございました。 ピアノや他の楽器でも確かに演奏技術というよりは音感が必要なのですね。 製作過程でも様々な人が関わるのですよね。好奇心からの質問に丁寧にお答えいただき、感謝します。

関連するQ&A

  • 楽器演奏の録音に適したICレコーダ          

    楽器演奏の録音に適したICレコーダ               最近のICレコーダの音質はどんなものでしょうか。 楽器演奏の録音にも最適と書かれているものがありますが, 実際のところ,どれくらいの音質なのかと思います。 楽器の音色にどれくらい近いか(硬い音にならないか), ザワザワと雑音が混じらないか, この点が気になります。 楽器はピアノとヴァイオリンです。

  • タイプライターとピアノが合体したような楽器

    昨日、とある動画で見たことがない不思議な楽器を見ました。 タイプライターのようにボタンが沢山ありましてそれをタイプライターを打つように演奏していました。 音色はピアノに似ていて綺麗でした。 動画で見たのはシンセサイザのような容姿でした。 この楽器の正式名称をご存知の方、教えて下さい。

  • 楽器演奏が可能なマンション

    今年に引越しをしようと考えているのですが、趣味のピアノとギターが弾けるところに引っ越そうと思っています。しかし楽器演奏の可能なマンションに引っ越す事で、騒音問題等のトラブルがあるのではないかと心配しています。実際楽器演奏の可能なマンションは楽器の音とか漏れるものなのでしょうか??

  • 民族楽器ってどんなものがありますか。

    今日珍しい楽器の演奏を聴きました。馬頭琴です。沢山の糸をより合わせた 2本の太い弦で柔らかな素朴な音色がしました。モンゴルの方が奏者で モンゴルの風景を語りながら弾いてくださったので、広い草原を吹きわたる風の様な 大らかさや、かけていく馬の蹄のおとを連想し時の経つのを忘れて聞き入りました。 他に民族楽器ってどんなものがあるのかしら、愛好家はいらっしゃるのかしら と興味がわいてきました。日本の琴や三味線も民族楽器ですね。 演奏される方いらっしゃいますか。ご存知の方民族楽器の魅力についてお聞かせください。

  • 口笛みたいに簡単に演奏できる楽器

    こんにちはー。 口笛みたいに簡単に演奏できる楽器を探しているんですがありますか? 今趣味でピアノをやっているんですが音感がないので、聞いた曲でいいなぁと思ってもすぐには弾けず音探しをして弾いています。 その点口笛は思った音がすぐ出せるので、そんな都合の良い楽器はないかなぁと思い質問した次第です。 簡単に(直感的に)音階を変えられる楽器がありましたら教えて頂けると幸いです。。 でわでわ。

  • 弦楽器をたたいて演奏するグループ教えてください。。

    2年ほど前だと思うのですが、車のCMで 海外のアーティストの5人程のグループが 弦楽器(たしかチェロは必ず入っていた気がします) を演奏していました。そのグループは、楽器の 側面などを叩いてリズム音を出していて、 当時凄く感動したのですがアーティスト名を忘れてしまって… 曲調はクラシック+ポップのような感じでした。 もしご存知の方いましたら教えてくいただけますでしょうか。 よろしくおねがいします。。

  • 楽器を演奏するのが好きな大人の方。

    楽器を演奏するのが好きな大人の方。 皆さん性格は積極的な方でしょうか?私は最近自分が変に消極的な部分があることを知り、悩んでいます。 私は現在30代前半の女ですが、20代後半から打楽器を習っています。それまでは一度も楽器をやったことはなく、完全に趣味で始めました。先生と一対一の個人レッスンなので他の人に聴かれることもなく恥ずかしくないので、下手でも気兼することもなく気楽な感じで2~3年続いている感じです。 今までそんな感じでやってきたのですが、先日先生と生徒達で交流や演奏を楽しむ打楽器の講習会で失敗してしまいました。 何があったかと言うと…参加交流型だったので、やりたい人は手をあげてみんなの前で演奏すると言う機会がありました。しかし自分より年下の上手な人が沢山いたことや、普段人前で演奏しない私は恥ずかしくてどうしても自分から手をあげることが出来ませんでした。 見かねた先生が私を指名して、ようやく周りの様子をうかがいながら演奏したくらいです。 でも当然音楽のプロである先生には、私が周りの人が音を出した後に音を出し始めたこともバレていました(--;) そしてその後のレッスンの日に、先生から「参加交流型の講習会なのに、あまりにも積極性がなさすぎる。そんな風に自分の殻に閉じ籠ってたら、何も変わらないよ!」と注意されました。 これについては私自身ももったいなかったと思うし、もっと自分から積極的に参加すれば良かったと後悔もしています。 先生は私がコミュニケーションも無器用で説明下手なのをよく知ってます。そして当日講習会にいたほとんどは学生で、私は社会人。いい大人がそんな風じゃ注意したくなるのも分かる気がします。 皆で何かやるときは、それぞれ協力しあって楽しむのが一番だと頭では理解できます。 でもなかなか社交的になれません。大勢で集まって話をしたりすると、何を話していいのかわからなくなり何にも言えなくやることも結構あります。ただ隅の方で黙ってるだけじゃいけないと、いざ発言するととんちんかんな事を言ってしまったり…それを笑ってくれる人もいるけど、世の中そんな人ばかりではないから難しいです。後でこうすれば良かったと一人で落ち込んだりもします。 子供の頃は今と逆に自分から話す方だったのですが、今よりもとんちんかんな事を言ったりつい話が一方通行なってしまったり…なので大人になるにつれて空気が読めないと困ると思う気持ちが強くなり、こんなぎこちないコミュニケーションを取るようになって今に至ります。 今までこんな風に過ごしてきましたが数は多くないけど友人もいますし、職場の人間関係もトラブルを起こすこともなく仕事もしてきました。 なので、まさかこんな大人になってから自分の性格の壁にブチ当たるなんて思ってもいなかったです。 でもこの先生(現在40代前半の男性)もただ口先だけでなく実際自分も元々は凄い人見知りで消極的だったらしいのですが、今の私と同じくらいの年齢の頃に必死に努力して積極的になり今に至るそうです。 そして大人になってから自分の殻を破るのは並大抵のことじゃないことも知って欲しいと言っていました。 今までこんなことを言う先生は学校にもいなかったので、最初は戸惑いましたが意地悪で言っている訳じゃないことはよくわかります。本当に私にとって先生は尊敬している人と同時に試練でもあります。 次の講習会では自分から進んで参加していきたい…でも、怖がらずに出来るか心配です。 元々は消極的だったけど積極的になったよ、またはこうすれば笑顔で積極的になっていけるさ!という楽器の演奏が好きな方、何かご意見を頂けるとありがたいです。 よろしくお願いします。

  • 楽器演奏と音痴

    私は今"二胡"という中国の楽器を習いに行っています。 練習する度に不安に思うのが、音痴の私にきちんとした演奏が出来るのか?ということです。 よく知っている歌は大体音を外さずに歌えたりするのですが、 楽器で音を出されただけでは、どの音階かまったく分かりません。 (例:"ミ"の音を出されても"ソ"と答えてしまったり、  音階を口ずさんでもまったく合っていません。) 練習しているときも、なんとなく音が外れているのは分かるのですが、 そのズレた音が正しい音より高いのか低いのかよく分かりません。 調弦なんかも難しくて、手本の音を何度も聴いて長い時間かかって合わせています。 (でもピッタリ合っていることはないです。。そこそこです) 今まで楽器の経験はなく、小さい頃は今よりひどい音痴だったので この先練習してもきちんとした演奏が出来るか不安です。 音痴の人でも頑張って練習すれば、まともな演奏が出来るようになるのでしょうか? 音楽経験者の方、教えてください。

  • 演奏する楽器が増えていく進行の名称

    youtubeで流れてきたので作曲の方法解説動画を見ていたら 「こういう風に音を重ねていけば(下の順番で音楽が流れる)」 (メロディ メロディ+ピアノ伴奏 メロディ+ピアノ伴奏+ギター メロディ+ピアノ伴奏+ギター+ドラム) 「これで曲になりました、でもやり方がわかりませんよね」 というシーンで楽器が増えていってどんどん曲が豪華になっていくのが気持ちよく、ワード検索して他にも聞きたいのですが 演奏する楽器が順番に増えていく曲の構成に名称はあるのでしょうか? 音楽の専門知識は全く無いのでどのレベルの質問なのかすらわかりませんが、よろしくお願いします。

  • 楽器を演奏している人たちの中で・・

    歌手の中で喉を痛める人がいますが、楽器の演奏をする時に(ピアノやギターなど)、演奏しすぎて例えば手を痛めたりした人はいるのでしょうか? もしいたら教えてください。

専門家に質問してみよう