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オーディオ機器における「dB」について
オーディオ機器における、ダイナミックレンジを表す単位としてdBが用いられていると思います。 このdBは「識別可能な信号の最小値と最大値の比率」のことで相対的なものだと思います。 ところがdBFSのように絶対的基準を定めて絶対的なものとして使用しているケースもあるようです。 オーディオ機器においては相対的なものか、絶対的なものかどちらがよく用いられているのでしょうか? 例えばCDのダイナミックレンジは約96dBというのは私は相対的なものとして捉えていますが… 詳しい方、よろしくおねがいします。
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「デシベル」と聞くと「何か専門的で難しそう」と身構える人が多いですが(私自身、少し前まではそうでしたが)、要するに「xxx倍」という意味でしかありません。「xxx倍」というのは「比較して」という意味ですから、そもそもデシベルとは「相対的な表し方」です。「絶対値としてのデシベル」は、本当は例外的なのです。 ただ、技術的・物理的に最初から限界が決まっている場合は、その限界値を基準として固定してしまって、「その基準からxxx倍」と言った方が分かりやすいので、そういう例外ケースが頻繁い登場する訳です。 たとえば、dBFSは、量子化の場合には常に問題になります。CDの場合、大小さまざまな音量(正確には音圧)の音を16bitの幅に収めなければなりません。17bit目に突入すると歪みになるからです。従って、上限値である「16bit分で記録できる音量」が真っ先に決まります。従って、これが基準なので、0dBと設定されます(0dBFS)。そこから16bit分小さい音、つまり「マイナス96dBの音」までが記録でき、それより小さい音は記録できません。これが、「CDのダイナミックレンジ」の正体です。 他方で、人間の聴覚の限界も物理的に(生物学的に)決まっています。最も感度の高い1000Hzにおいて、平均的な最小値は2×10^-5Pa(20マイクロパスカル)とされており、これを基準(0dB)として、おおむね120~130dB程度が上限といわれています。これを絶対値化したものがdBSPLです。 その他、dBuやdBV、dBmなども頻繁に使いますが、いずれも「便利だから絶対値化した」だけであって、要するに「約束事で決めた基準値と比べてxxx倍」という意味で相対値なのです。 さて、dBSPLと機器のS/N比は、確かに単純比較できません。ただ、現実問題として、S/N比120dBのアンプで120dBSPLの音を鳴らしたとすると、ノイズは0dBSPLという訳なので、実用上問題ないとは言えるでしょう。 もっと増幅して、150dBSPLの音量を出していればノイズも30dBSPL出ますが、果たしてそれだけの大音量を出せる環境があるか、という話です。現実的には、一般家庭ではせいぜい100dB程度しか出せないでしょうから、アンプのS/N比もその程度で十分とは言えるでしょう。 まして、「人間の聴覚の限界」ではなく、「同時に識別できる音量差」となると、せいぜい20~30dB程度と聞きます。つまり、仮に40dBSPLのノイズがあったとしても、80dBSPLの音楽が聞こえていれば、まずノイズは気にならない、という訳です。
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- iBook 2001(@iBook-2001)
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再び iBook-2001 です♪ 補足をいただき、ありがとう御座います。 「人間の耳のダイナミックレンジは約120dBなので、機器やソースのダイナミックレンジは120dBで必要十分ということになる。」 一般的にこのように言われます。 この場合は人が聞こえる最小音量を0dBとして、そこから120dB分の大きい音までが聞こえると言う意味ですし、同時に音圧としてdBSPLとしても絶対音量として利用される場合も有ります。 もう、大先輩のYorkminster様が詳しく解説くださっていますね。 ちなみに、大きな音の工場等では安全基準として最大130dBSPLとしています。 つまり、130以上になると、健康上の問題が出てくるという事ですね。 ちなみに、超指向性スピーカーで150dB以上を出す、音響兵器が実用化されています。 (聴覚障害は起こしても、人命には影響しないという、人命尊重の兵器だそうです、怖いですねぇ。) なお、大きい音が鳴っていると、会話が聴き取りにくく成るように、同時に成っている音の大小に関しては広い範囲を聴き取る事が出来ません。 つまり、大きな音と一緒の小さい音は聞こえないだろう、と言う考え方から音声信号を分析して、同時に鳴る小さい音や周波数依存瀬の聞こえないであろうと言う音の情報を切り捨ててしまうのが、ATRACやmp3やAAC等の高圧縮技術に利用されています。 簡単に言えば、小さい音の時は大きい音の分は無視し、大きい音の時は小さい音の分を切り捨ててしまっている、非常に敏感な人には音のニュアンスが変わっていると感じられるが、一般的には同じ音と感じられるように、とても複雑で上手にデータを切り捨てるんですね。 これはデータ解析で違いが見つかるが、人の聴感特性を利用していて、大半の人には気付かれにくいようにしている、瞬間瞬間のダイナミックレンジは非常に狭いと考えられます。 あぁ、本題からかなりズレちゃいましたね。失礼致しましたぁ~(汗)
お礼
返信遅れてすいません。 何度もありがとうございます。 「音の大小に関しては広い範囲をききとれない」というのは目からうろこでした。何もダイナミックレンジが広いのだけが優れているというわけではないのですね。 また、それを利用した高圧縮技術も勉強になりました。ALACはまだまだアップル製のものでしか使えませんし、その点MP3にして使用するのが楽だけど、不可逆圧縮は音質が悪いというし…と悩んでたいましたが、そんなに差を感じることもなさそうなのでMP3に移行できそうです。 ありがとうございました。
- iBook 2001(@iBook-2001)
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はじめまして♪ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%B7%E3%83%99%E3%83%AB もうご存知でしょうね。 http://okwave.jp/qa/q4346855.html これももう検索済みでしょうか、、、 http://www.circuitdesign.jp/jp/technical/designguide/guide71.asp こちらは高周波系のを主眼に解説でしょうかね。 http://blogs.yahoo.co.jp/boorankenko/44270834.html ちょいと変わった解説ですが、まぁ良いかなぁ? ダイナミックレンジと言うのは最大値と最小値なので、デジタルの場合は1ビット6dBとし、16ビットのCDなら6×16=96dBとします。 SN比は文字通り、シグナル(基準値)とノイズ(ノイズフロア)の比を表示します。最近はデジタルの計算値で表示する機器も多いのですが、アナログ出力する限り、必ずノイズが存在するので論理値の数値は表示できないはず。そのため、デジタル出力を設けた安価な製品が多く成り、光入力の有るPC用パワードスピーカーの方が数字的に高性能と勘違いしているパソコンマニアも多いようですね。 オーディオと一概に言っても測定や利用状況等の前提が変われば、表記の基準が違います。dBは単なる対数圧縮した単位の一つで、相対の場合も有れば絶対値の場合も有ります。 簡単に「時速50Km」 と言っても、絶対値の50km/hの場合も有れば、200Km/hと250Km/hの差と言う場合も有るのと同じです。
お礼
すぐに回答して頂いてありがとうございました。
補足
素早い回答ありがとうございます! 貼って頂いたURLも見させてもらい勉強になりました。 やっぱり、というかdBはその状況等によって意味合いが変わってます…。 私がそもそもこの質問をしたのは、あるサイトで 「人間の耳のダイナミックレンジは約120dBなので、機器やソースのダイナミックレンジは120dBで必要十分ということになる。」 という記述を見かけたからです。 このdBが相対的ならば、 人間の耳のダイナミックレンジ = 人間の聞ける最大音量と最小音量の比 機器 = 最大出力と残留ノイズの比 ということになり、単純な比較はできない。この文章は違うのじゃないか?と思ったことによります。 改めて考えて、この文章は間違いなんじゃないかと思っておりますが、どうなのでしょうか。 また、そうなると機器同士でも単純にダイナミックレベルの比較では良し悪しがわからないということになる、という解釈でいいのでしょうか? よろしくお願いします。
お礼
本当に詳しい回答ありがとうございました。
補足
返信遅くなりまして、申し訳ありません。 私が本当に知りたかった質問に答えてくださってありがとうございます。 ただ、まだ理解できていないところがあります。 「S/N比120dBのアンプで120dBSPLの音を鳴らしたとすると、ノイズは0dBSPL」とあり、その後「150dBSPLの音量を出していればノイズも30dBSPL出ます」と記述があります。 私は機器のダイナミックレンジは、最大出力と残留ノイズの比と捉えていますので、出力される音量にかかわらず残留ノイズは一定であり、出力が120dBSPL出力 → 150dBSPL出力という風に変化しても残留ノイズは変わらないのではと思うのですが…それは間違いなのでしょうか? 間違いだとすると機器のダイナミックレンジは「その時点での音量とノイズの比」という意味になると思えるのですが。 よろしくお願いします。