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アイゼンを使った滑落停止

noname#160718の回答

noname#160718
noname#160718
回答No.3

 登山歴30年と少しです。  私はこの遊歩式滑落停止というのはよく知らないのですが、 >何か不都合で、現在は使わてていないのか?  滑落停止時にアイゼンを使う、というのは現在は使われていない、というより、「不都合だらけ」です。  元々のセオリーでは「絶対にしてはならないこと」とされていたことですから、一時的に誰かが提唱しても、一時的にでも広く使われていたという形跡もないです。  滑落停止動作中にアイゼンが雪面に触れると、良くてもんどり打って「滑落停止動作」は最初からやり直す羽目になる、悪いともんどり打ったときにアイゼンやピッケルで自分を傷つける、最悪の場合は足首が折れる、ということになります。  全て実例を目前で見たことがあります。良い場合の「もんどり打つ」は自分でもやってしまったことがあります。  滑落停止訓練では、まず最初に滑落停止の姿勢、すなわちうつ伏せになってピッケルのピックを雪面に刺した状態から、ピックを抜き、しばらく滑ったところで再びピックを刺す、という形から始めます。  そしてだんだん「加速距離」を長くとっていって、どこまで止めることができるか、を身体で覚えていくのですが、学生時代に文部省のリーダー研修会で訓練を受けたときは、これがまたとんでもない急斜面でした。  これでピックを抜いて3つ数えて刺し直しても、もう止まらなかったです。やっと止まったと思ったらもう200mくらい滑落していて、単に傾斜が緩くなったから止まった、みたいな感じでした。  余談ですがその傾斜で、最終的にはザックを背負って頭を下に、しかも仰向けで、さらにピッケルを手から離して飛び込む、ということをやらされました。  その体勢から頭を上にしてうつ伏せになり、ピッケルをたぐり寄せて滑落停止姿勢を作るのですが、体勢を取ろうとしている間にとんでもない速度になっているので、まあ止まるわけないです。  まあその訓練の意義とは、「滑落停止では止まらない」ことを知る、ということだった、というわけです。というより、「滑落停止で止まる程度の傾斜で転ぶようなやつは冬山は無理だからやめろ」と講師は言ってましたが。  「本当にヤバイ傾斜では躊躇なくザイルを出せ」とも言ってましたが。  まあそれはそれとして(そんなこと言ったって転ぶときには転ぶからなぁ)、もうひとつの意義は、「初期制動が何より大事」ということです。  つまり転んだ瞬間に止める、ということです。この時は姿勢はどうでも良いんです。とにかくピッケルのピックを刺して止める、というわけです。  例えばピッケルの持ち方ですが、登りの際はピックを前にして持ちますよね。でも下りの際に登りと同じようにピックを前にして持っていると、転んだときにピックを刺すまでの時間は、ピックを後にして持つときよりコンマ数秒遅れます。このコンマ数秒は傾斜によっては致命的です。  で、この初期制動の時でしたら、アイゼンを使うこともあるでしょう。とにかくピッケルでもアイゼンでも何でも刺せるモノは刺す、というのが初期制動なので。  でも・・・そもそもアイゼンを刺せなかったから転んだわけで、その時にアイゼンをとっさに刺せるの?という疑問と、そのその初期制動には決まった形がないので、それが「○○式滑落停止」というような"スタイル"にはならないだろうな、という気がします。  もうひとつ、頭が下になって滑落しているときはアイゼンが使えます。もちろん止まりゃしませんが(その体勢で止まるような傾斜で転んだのなら、それこそ冬山はやめた方が良いです)、体勢を作るまでの間にできるだけ加速を抑えておく「あがき」はする価値はあるでしょう。  でも、これも「○○式」にはならないなぁ・・・わざわざ頭を下にする体勢を作る、というのはもっとあり得ないし。止まるわけないし、障害物に頭から突っ込むことになるので死亡率が飛躍的に高くなりますよね。  というわけで、結局よく判りません。  私が滑落中にアイゼンを引っかけてしまったときは、それはそれは激しい勢いでもんどり打って雪面に何回か叩きつけられ、その衝撃で意識を失いました。滑落ラインにあったブッシュに引っかかって助かったのですが、まあ単に運が良かっただけです。  同様にアイゼンを引っかけてもんどり打った現場は3回見たことがあります。そのうち1例は元々滑落したら助からない場所だったので、アイゼンを引っかけようが引っかけまいが結果に違いはなかったのですが(当然死亡事故、というか夏まで遺体が発見されなかったそうです)、1例はもんどり打った弾みでピッケルの石突きを腹に刺してしまい、死亡事故になってしまいました。そこは100mほど滑落すれば傾斜が緩くなっていたので、アイゼンを引っかけなければ助かった可能性が高かった場所だったのですが・・・  なので、ぶっちゃけ、「ありえねー」と思いますが・・・

matsukiti81
質問者

お礼

Jagar39様、ありがとう御座います。日頃、Jagar39様のサイトや回答を読ませていただいており、具体的で合理的な分析をいつも参考にさせてもらっています。伝統的な(あるいは正統な)滑落停止中にアイゼンが引っかかってもんどり打った貴重な経験をアップ下さり参考になりました。遊歩式の前田さんも、不用意にアイゼンが引っかかると非常に危険だとの認識があり、体勢を固めた上で、左右同時に雪に刺すという方法をとっておられます。Jagar39様のご体験の通り、、伝統的な滑落停止でもほとんど止まらないなら、別の方法も探す必要があるのでは、との思いで質問致しました。今回の質問でわかったことは、アイゼンを使った滑落停止は、山岳界で広がったこともなく、、その停止の事故も知られてなく、有効性、危険性とも不明だということが、わかりました。

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