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共有に係る特許権に関する問題について
こんばんは。特許法(民法、民訴にも関係する)についての質問です。 共有者は単独で、共有に係る特許権に基づく差止め請求訴訟の原告適格を有するか?という論点に対して、保存行為を理由に認める説明があります。この説に対して、一種の処分行為をしたのと同様の結果となるから妥当ではない、と反対する説明があります。 なぜ、保存行為→処分行為と同じ結果、となるのですか?以下のように考えると、必ずしもそうならないように思います。 有体物の保存行為は、その結果の如何によっては滅失等を招くので、一種の処分行為と同様の結果となるかもしれません。一方、特許権は無体物を支配する権利であるから、その性質上、有体物と同列に論じることはできないと思います。 つまり、物権と特許権は絶対権という点では物権のアナロジーを適用できそうですが、有体物と無体物の相違があってもそのアナロジーが妥当することの根拠が示されていないように思います。無体物であるが故に共有に係る特許権の特則が設けられているという点で異質な点も見受けられます。そういった観点からの十分な説明が必要だと感じます。 以上が、質問の内容です。 なお、民法、民訴知識は皆無も同然です。特許法に至っては、そこそこ勉強した程度です。ですから、勉強不足であることを十分承知の上の質問です。 ちなみに「一種の処分行為をしたのと同様の結果となるから妥当ではない」は、弁理士試験の予備校が発行する典型的レジュメに記載されていました。出典の記載はありませんでした。なので、出典・参考となる文献の提示だけでも助かります。
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- koukisou
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すでにご覧になっているか解りませんが・・・ ★保存行為 例えば他社が侵害しているときに、全員で差し止め出来ないとしてしまうと「独占状態」という地位が維持出来ないためです。従って単独であっても、保存行為に基づいて差し止め可能です。 ★処分行為 ただ、差止訴訟において認められなかった場合。他の共有者にとって不利益となります。甲乙の共有特許で、甲の訴訟が下手くそで負けてしまい差し止めが認められなかった。しかし、その既判力は乙にも及んでしまいます。 この点が妥当では無いという判断です。
失礼しました。人によってどこの部分の知識が足りないのか、誤解しているのかを見抜くのは極めて難しいなと改めて感じました。 >なぜ保存行為と解した場合に敗訴の既判力が他の共有者におよぶのか? ここでいう保存行為というのは民法252条でいう保存行為です。252条は共有物の管理を定めた条文であり、保存行為という言葉の中に既に、共有物全体に対して行使する行為であって、共有者全員に影響を及ぼすという意味が含まれています。 (共有不動産について売却したり抵当権を設定する行為は保存行為か処分行為か?という問題があったとします。各共有者が自己の持分につき、売却したり抵当権を設定する行為は、当然に単独にできます。ただし、共有物全体(つまり他の共有者の持分を含めてすべて)を売却したり抵当権を設定する行為は、処分行為として全員の同意が必要となります。) >普通に法律用語の辞書に載っている定義です。 同じ用語であっても、法律が変われば定義は変わりることは多々ありますし、同一の法律の中であっても、条文が変われば定義は変わることも多々あります。例えば、民法上「取消し」というのは極めて重要な用語で多くの条文で使われますが、条文ごとに意味が異なります。
度々失礼します。改めて質問文を拝見して、気づいたことを追加します。 >有体物の保存行為は・・・ 民法上は物権だけでなく、債権というものもあります。債権とは一定の行為を請求することを内容とする権利などと説明され、不法行為による損害賠償請求権も債権です。そして、債権も共有することができ、時効の中断は保存行為です。 有体物・無体物をどのような定義で使われているかは不明ですが、債権はどちらかと言えば「無体物を支配する権利」という風に考えられそうなので、「有体物と無体物の相違があってもそのアナロジーが妥当することの根拠が示されていないように思います。」というのは、それほど意味がある議論とは思えません。
>差止請求権(100条)も、各共有者がその持分権に基づきなし得ると解する。各共有者は。共有物全体に及ぶ権利を有しているため、所有権に基づく妨害排除請求と同様に考えることができるからである。なお、保存行為と捉える説もあるが、敗訴のときに他の共有者に対してその判決の効力が及び、一種の処分行為をしたのと同様の結果となるから、妥当ではないと解する。 というのは、差止請求権は各共有者が単独でできるが、その理由としては2つ考え方がある。 前者の説が、共有物全体に及ぶ権利を有しているため、所有権に基づく妨害排除請求と同様に考える説。 後者の説が、保存行為と捉える説。しかし、これだと前回書いたとおり、敗訴の時にその既判力が他の共有者に及ぶので、(他の共有者に影響がある以上、単独で行える保存行為ではなく)一種の処分行為である。そのため保存行為と解するのは妥当ではない。 ということでしょう。
補足
>後者の説が、保存行為と捉える説。しかし、これだと前回書いたとおり、敗訴の時にその既判力が他の共有者に及ぶので、(他の共有者に影響がある以上、単独で行える保存行為ではなく)一種の処分行為である。そのため保存行為と解するのは妥当ではない。 それはわかってます。 これじゃ堂々巡りじゃないですか>< だから、なぜ保存行為と解した場合に敗訴の既判力が他の共有者におよぶのか?の答えになってません。
お礼を拝見しました。私が問題の所在を読み取れませんでした。 保存行為が何故共有者の単独でできるのか?これは他の共有者が不利益を被るものではないから。他の共有者に影響がないから、単独でできるものと説明されます。他の共有者に影響があれば、(正確には悪い影響と書くべきかも知れない)単独でできないです。 >そこでなぜ、保存行為と解すると他の共有者に既判力が及ぶのか? ここは誤解があります。これは、保存行為と解すると他の共有者に既判力が及ぶと言っているわけではありません。 文献に「保存行為と解すると、敗訴のときその既判力が他の共有者にも及ぶので、一種の処分行為と同じ結果になるから、そのように解するのは妥当ではない」と書いてあったとするならば、その意味は、 「敗訴の時にその既判力が他の共有者に及ぶので、(他の共有者に影響がある以上、単独で行える保存行為ではなく)一種の処分行為である。そのため保存行為と解するのは妥当ではない。」 ということです。
お礼
再度の回答ありがとうございます^^ >「敗訴の時にその既判力が他の共有者に及ぶので、(他の共有者に影響がある以上、単独で行える保存行為ではなく)一種の処分行為である。そのため保存行為と解するのは妥当ではない。」 え~と、これを要するに、処分行為なので保存行為と解すべきではないとなりますが・・・。もしそうだとすれば、共有に係る特許権についての差止請求訴訟は、固有必要的共同訴訟ということになりませんか?? 該説明は、単独提訴を認めることを前提としています。すなわち・・・ 差止請求権(100条)も、各共有者がその持分権に基づきなし得ると解する。各共有者は。共有物全体に及ぶ権利を有しているため、所有権に基づく妨害排除請求と同様に考えることができるからである。なお、保存行為と捉える説もあるが、敗訴のときに他の共有者に対してその判決の効力が及び、一種の処分行為をしたのと同様の結果となるから、妥当ではないと解する。 と記述さされています(最初から引用すればよかったかも・・・)。少なくとも、保存行為VS処分行為という構造をとっていません。
質問文を拝見するに、大きな誤解があるのではないか?という気がします。民法上、保存行為と処分行為は大きな違いがあります。 ・保存行為 財産の現状を維持する行為のことで、家屋の修繕、消滅時効の中断などです。これは共有者が単独でできる行為です ・処分行為 権利変動を直接の目的とする行為で、売買などです。共有者単独ではできず、共有者全員の同意が必要です。 >共有者は単独で、共有に係る特許権に基づく差止め請求訴訟の原告適格を有するか?という論点に対して、保存行為を理由に認める説明があります。この説に対して、一種の処分行為をしたのと同様の結果となるから妥当ではない、と反対する説明があります。 というのは、 当該論点につき、原告適格有する説と、反対説があり、 ・有する説 当該差止請求訴訟は、家屋の修繕や消滅時効の中断などと同じく、財産の現状を維持する行為つまり保存行為にあたるから、共有者は単独で原告適格を有する ・反対説 当該差止請求訴訟は、売買等と同じく、権利変動を直接の目的とする行為であり、共有者全員の同意が必要であって、単独では原告適格を有さない ということです。
お礼
回答ありがとうございます。 >民法上、保存行為と処分行為は大きな違いがあります。 もちろんそうですね。一応、辞書で調べた上での質問です。 >当該論点につき、原告適格有する説と、反対説があり・・・ えーと、まぁそうなんですけど、共有者の単独提訴の可否について疑問があるわけではありません。 もっとも、説明不足は否めませんが・・・ 保存行為と解すると、敗訴のときその既判力が他の共有者にも及ぶので、一種の処分行為と同じ結果になるから、そのように解するのは妥当ではないと説明されています。そこでなぜ、保存行為と解すると他の共有者に既判力が及ぶのか?というのが、自分の疑問です。
- patent123
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民法252条は下記の通りです。 (共有物の管理) 第二百五十二条 共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。 特許権の差止請求権の行使は、民法252条但し書きの保存行為なので、各共有者ができることが通説です。 ところで、民法の保存行為の例としては、第三者が共有の不動産を占拠しているときに、全員の合意がなくても、共有者の一人が立ち退きを要求できるとされています。 特許の差止請求権も、不法に不動産を占拠している人に対する立ち退きの請求と同様と考えられています。 処分行為という説は、共有者の一人が訴訟を提起して、差止請求権の行使が認められなかったとき、即ち、敗訴したときには、特許権の侵害と訴えられた者に対して、処分行為をしたのと同様であるという意味で使われていたと思います。
お礼
民法の条文を添えた懇切丁寧な解答ありがとうございます^^少しパズルのピースがハマった感じです。 >差止請求権の行使が認められなかったとき、即ち、敗訴したときには、特許権の侵害と訴えられた者に対して、処分行為をしたのと同様であるという意味で使われていたと思います。 説明不足でした><敗訴したとき、その既判力は他の共有者にも及ぶから、一種の処分行為と同じ結果となる、として保存行為説を批判しています。これに対して、なぜ処分行為と解した場合に既判力が他の共有者におよぶのかな?と疑問に思いました。その理由は前述の通りです。 なにせ、受験機関のレジュメは中途半端な引用(特に出典不明記)で、実質的な理解が得られにくいなと感じております><
補足
>有体物・無体物をどのような定義で使われているかは不明ですが 普通に法律用語の辞書に載っている定義です。 >債権はどちらかと言えば「無体物を支配する権利」という風に考えられそうなので う~ん。債権は相対権です。物権及び特許権は絶対権です。また、今議論しているのは差止請求権です!!損害賠償ではないですよ!!!忘れないで下さい>< >それほど意味がある議論とは思えません。 ぐえ~>< だから、言ってるじゃないですか~。特許法に共有に関する特則があるって~(73条)>< 有体物と無体物という相違によって明文上取扱がことなっているって~><