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酸化、還元のマスター方法
- 酸化と還元の基本的な理解方法と諸条件について解説します。
- 酸化数の計算方法や単原子イオン、多原子イオンの酸化数について詳しく説明します。
- 独学で学習している方や理数系が苦手な方でも、酸化、還元をマスターするための学習方法をご紹介します。
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>単原子イオンの酸化数は電荷数に等しいとのことですが これは金属原子においてすべてありえるという事なのでしょうか? 絶対とは言い切る自信がないですスイマセン。ただ、その認識で10中8,9間違いないと思います。たとえば、アルカリ金属はすべて+1 アルカリ土類金属はすべて+2です。 >単体だったらということですよね、HだけOだけなら0ですよね? Hだけが存在してる事はまずありませんが、もしHだけなら0です。 同様にHeも0です >例えば何かと化合している、2H2Sならー2でいいんですよね? 「2H2Sならー2でいいんですよね」何が-2なんですか?Hが-2なら違います。Sは-2で正解ですが。 各原子1個ずつ考えます。あと係数(H2Sの前についてる2)は無視してください。HはH2であろうと酸化数自体は+1です。計算するときに+2になります(計算方法は後述)。H2SではHの酸化数が+1、Sの酸化数は-2になります。 >また化合物中の各原子の酸化数の和は0とはどういう物をいうのでしょうか? 何かの化学式でたとえていただけるとありがたいです。 化合物の各原子の酸化数をすべて足すと0になると言う意味です。 例 KMnO4 酸化数K=+1 O=-2(しかも化合物中に4個あるから計算する時は-8) Mn=+7 ゆえに、和は 1-8+7=0 アルカリ金属は+1 アルカリ土類は+2 酸素は-2 水素は+1 化合物の各原子の酸化数をすべて足すと0になる これらの法則を利用すれば化合物中物質の酸化数を計算できます。 例えば、KNO3のNの酸化数を求めるには、Nの酸化数をXと置いて。 K=+1 O=-2(3個あるので-6として計算) N=X 和が0なので 1-6+X=0 よって X=5 このように計算できます。 >多原子イオン中の酸化数の和はイオンの価数に等しいとは どういうものなのでしょうか? 化合物の各原子の酸化数をすべて足すとそのイオンの価数になると言う意味です。 例 硫酸イオン(SO4^-2)では、各原子の酸化数はO=-2(4つあるから計算では-8とする)S=6であるため、その和は-8+6=-2 このように和がイオンの価数等しくなります。 これを利用して化合物中の原子の酸化数を求めれます。 例題 HCO3-のCの酸化数を求めよ Hの酸化数は+1、Oの酸化数は-2(計算上では-6)、Cの酸化数をXとすると、酸化数 の和は-1になるので 1-6+X=-1 X=4 この先参考書で出てくると思いますが、この酸化数を計算できると、式を見ただけで何が酸化され何が還元されたか分かるようになりますよ。 あと、半反応式って言うのをこの先勉強することになりますが、これが多分一番難しいと思います。めげずに頑張ってください。 因みにお薦め参考書は「大宮理の化学(理論化学)が面白いほど分かる本」です。
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- htms42
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>ですね、あと諸条件、 ここから後がよく分かりません。 「諸条件」とは何でしょうか。 >何かと化合していたらHは+1、Oは-2、 これは「酸化数」です。「酸化数」は化合物の中に含まれている元素の酸化の程度を何とか数字で表したいということで考えだされた「便宜的な」数字です。 酸化・還元を電子の移動で考えるという立場と酸素や水素の移動で考えるという立場をつなぐために必要になったものです。電子の移動が関係する場面が出てくる重要な例が電池・電気分解です。従って物が燃えるような反応と電池や電気分解で起こっている化学反応とを1つの枠組みで理解していきたいということのために必要になった数字だということになります。化学結合とか、酸・塩基とは別の話であるとして考えることが必要です。 酸化数とはどういうものかについて説明してみます。 銅線をバーナーで加熱してから炎の外に出すと黒くなっています。表面に酸化銅ができています。 2Cu+O2⇒2CuO この反応では銅が酸化されているという判断は酸素がくっついたというから出てきます。 この時、銅と酸素で起こった変化を別々に考えてみます。 CuはCu^(2+)に変わっています。 O2はO^(2-)に変わっています。 Cuから電子が出て行ってO2に渡されるという変化が起こったと考えられます。 Cu⇒Cu^(2+)+2e^- (1) O2+4e^-⇒2O^(2-) (2) 「酸素と化合することと電子が出ていくこととは同じ内容のことではないだろうか」という考えが出てきます。 酸化銅を水素を使って還元します。 CuO+H2⇒Cu+H2O(3) (これは先ほどの表面の黒くなった銅線をバーナーの強い炎の中に入れるときれいな銅に戻っていくことが観察されることで確かめることができます。・・・都市ガスの成分は水素H2ではなくメタンCH4ですが同じような反応が起こっているとして下さい。) この場合、Cuイオンは元のCuに戻るのですから電子が再び入ってきたことになります。 Cu^(2-)+2e^-⇒Cu (4) 単原子イオンについては酸化・還元と電子の移動の対応は分かりやすいものになっています。 酸化:電子が出ていく 還元:電子が入ってくる ところがこの立場で見てみると酸素も変化していることも分かります。 式(2)でO2は電子を貰ってO^(2-)に変わっています。「酸素は還元されている」と考えなくてはいけなくなります。これは酸素の移動で酸化・還元を表現する立場では考えていない事です。一歩踏み出していることになります。 式(3)で考えます。Cu^(2+)が電子を貰ったのであれば残りの物質から電子が出ていなければいけません。 無理に分離して考えます。 O^(2-)+H2⇒H2O+2e^- (5) になります。 この式で電子はどこから出てきたのでしょう。 O^(2-)から来たとも考えることもできるでしょうがH2から出てきたとも考えることができます。よく分かりません。よく分からなくてもこの式は成り立っています。 よく分からないというままでは不便ですから何とか基準を設けて変化の主になっている元素がどれかが分かるようにしたいですね。そこで出てくるのが「酸化数」です。だから「酸化数」はこう考えましょうという「基準がなければ決められない数字」なのです。実験や観察で決められたものではありません。原理でもありません。(酸化数の規則を原理のように受け取っている高校生がたくさんいます。だから酸化数の規則からイオンの価数も求めることができると思ってしまうようです。でもこれはできません。イオンの価数に合わせて酸化数を決めるのです。イオンの価数の決まり方の方が先です。イオンの価数は酸化数とは別の原理で決まるものです。) 単原子イオンであれば電子の移動の判断は分かりやすかったのですから「イオンではない分子に対してもイオンのような扱いをしよう、そうすれば電子の移動の判断ができるようになる」というものです。 「化合物中のHの酸化数を+1、Oの酸化数を-2とする」というのは化合物の中のH,Oをイオンであると仮に考えたらという時の数字です。化合物の中の原子に対して電荷を割り振るのですから酸化数の合計は元々の全体の電荷に一致していなければいけません。中性の分子に対して当てはめた場合は0になります。多原子イオンに対して当てはめたのであればそのイオンの価数に一致していなければいけません。単体は同じ元素が集まっているのですから皆性質は同じはずです。イオンとみなすということができません。酸化数が0というのはイオンではない(イオンであるとはみなすことはできない)ということです。 単体の酸化数は0とするというのは金属であるか、非金属であるかには関係しません。単体を基準にして電子の移動を考えていくのです。 酸化数の変化している元素があればその元素が電子の授受の主役になっているだろうと考えることになります。 こういう基準で考えると式(5)では電子は酸素イオンから出てきたのでなくてH2から出てきたとみなすことになります。Oの酸化数は変わっていませんがHの酸化数は変化しています。式(3)で還元の主役がH2だというイメージとも合います。H2は銅イオンが還元されたことの跳ね返りで酸化されてしまったと考えることともうまく合います。しかしH2がH2Oに変わったからと言ってイオンになったわけではありません。H2⇒2H^++2e^-と書くのは「?」です。酸化数は結合についての判断ではありません。式(5)はそのままの方がいいのです。 水溶液中の反応でよく出てくる 4OH^-⇒2H2O+O2+4e^- という反応もこういう立場のものです。 酸化数の変化はOで起こっていますが式としては実際に存在するイオンのままで書いています。 >また化合物中の各原子の酸化数の和は0とはどういう物をいうのでしょうか? 何かの化学式でたとえていただけるとありがたいです。 > 多原子イオン中の酸化数の和はイオンの価数に等しいとは どういうものなのでしょうか? 上の例ではH=+1, O=-2という酸化数は 中性の分子H2O、1-の電荷を持つイオンOH^-に対して矛盾のないものになっています。矛盾しないように電荷を割り振ったのです。 これを手掛かりに酸化数の考えをH,O以外の元素に対しても当てはめて行きます。 H2Sであれば、全体=0、H=+1を当てはめるとS=-2が出てきます。 SO2であれば,全体=0、O=-2を当てはめるとS=+4になります。 SO2を水に溶かした時にできる物質H2SO3は,全体=0、H=1、O=-2を入れるとS=+4が出てきます。SO2を水に溶かすとH2SO4ができる反応では酸化数の変化する元素がありません。酸化・還元反応ではないという判断が可能になります。 よく似た化合物に硫酸H2SO4があります。同じように計算するとS=+6が出てきます。 硫酸は強い酸性を示す物質です。化合物もたくさんあります。その場合SO4^(2-)というイオンになります。このイオンの中のSの酸化数は+6です。H2SO4の中のSの酸化数と同じです。 H2SO4+2NaOH⇒Na2SO4+2H2O という中和反応ではH2SO4からHが離れますので酸化であると考えてしまうかもしれません。 酸化数は「中和反応は酸化・還元反応ではない」という判断をするために有効な数字であるとも言うことができます。 長くなりましたが参考書の代わりに読んで下さい。 酸化数は高校生だけでなくて大学生や、中学、高校の先生でも誤解している人がかなりいます。 酸化数と原子価を混同している人もいます。 資格試験の解説書の中に硫酸の中のSの原子価は+6であると書いてあるのを見た事があります。 炭素は4+のイオンになると書いてある本もあります。 中学校でそのように習ったと言っていた生徒もいます。 4+の炭素イオンなど存在しません。 過酸化水素H-O-O-Hの中の酸素はO-Oという結合を持っています。この部分は単体の結合と同じです。 H-[ ]-Hとして考えると[ ]の塊について酸化数が-2になります。そこで「O1つについては酸化数が-1であるとしましょう」という事になります。Oの酸化数が-1になるのは例外であると教科書には書かれていますが特殊な例ではありません。結合する相手が変われば酸化数も変わります。Hが相手であるかOが相手であるかで変わるのですからOとHが混ざって相手になっていればまた変わってくるのです。チオ硫酸ナトリウムNa2S2O3の中には結合状態の異なるSがありますのでSの酸化数としては2つの数字が出てきます。酢酸の中の炭素でも事情は同じです。
お礼
詳しい説明ありがとうございます、 少し専門的ですがしっかり読み込んでマスターしたいと 思います。(先は長いですが。。。) ご丁寧にありがとうございました。
- nezusuke
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仕事、子育てしながらの独学とのこと 頭が下がる思いです。 以下のところが 分かりやすいと思いましたのでご参考までに。 お身体にはくれぐれもお気をつけて、頑張ってくださいね。
お礼
検索をかけてもなかなか思うようなサイトが見つからなかったのですが こちらはわかりやすそうです。 今日職場にプリントアウトしたものを持参してじっくり読んでみます。 ありがとうございました^^
お礼
お礼が遅くなり申し訳ありません。 わかりやすく説明していただきありがとうございます、 ただ私が思った以上に奥深いですね、 しっかり読み込んでいきたいと思います。 どうもありがとうございました。