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分子量と耐熱性の関係
高分子科学についての質問です。 分子量が大きくなると耐熱性が向上するのは何故ですか? そしてそれは架橋密度に関係しますか? ご教授願います。
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1) 知っているように高分子にも種々の高分子があるので分子量、架橋度だけではいいきれません。 2) たとえばそこらじゅうにある、ポリエチレン(PE) を例にとると、その構造によって、LDPE、MDPE,HDPE などがあり重合方法で、その構造がかわり、 耐熱性はHDPE が高く (130C近く)、MDPE(100C 近く)、LDPE (80C 以下) で、分子量よりその立体分子構造に依存します。 無論同じ分子構造のものなら、ある一定の分子量まで、耐熱性がよくなりますが、それ以上はかわりません、 上のPEの他にもLLDPE ultra HDPE などもあります。 3)ポリプロピレン(PP)を例ニとっても、粘液状みたいなアモーファスPP(APP)、シンジオタクチックPP, イソタクチックPPなどあり、立体構造が違っています。 イソーPPは165C、APPは耐熱性はよくないですが、粘着性があり別の分野で使用。 4) ゴムのようなグッタペルカ、イソブタジエンなどは知ってるように、架橋度をつけて、他にも色々な添加剤をいれて耐熱性をよくしています。 5) エポオキシ、ウレタン系はネットワークポリマーで、3次元の状態にして、2次元(リニヤーポリマー=線状ポリマー)で得られない耐熱性があり、熱すれば、酸化分解してしまいます。ものによって350C位の耐熱性あり 6) 気体から液体から固体になり(多くの物質は)、モノマーから重合してポリマーになりますが、その重合過程、どのようなモノマーを重合させるかで変化があり、その性質(耐熱性も含めて)は同じモノマーでも随分ことなります
お礼
ご回答ありがとうございます。 高分子の耐熱性は多くの因子からなるものなのですね。 非常に参考になりました。