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振動の種類と現象について
- 線形振動と非線形振動の違いについてお教え頂けませんか?連続体において線形と非線形ではどのような現象が起こるのでしょうか?
- 座屈振動について詳しく教えてください。材力の教科書で見たのですが、座屈振動はどのような現象ですか?また、変形が大きい場合は非線形になるのでしょうか?
- 非線形振動、座屈振動、カオス振動の工学上の問題点と具体的な発生例について教えてください。
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1 線形振動は線形微分方程式で表せます。すなわち微分方程式の係数が比例定数になっているものです。 電気自動車の例ではモーター(慣性体)+軸(ねじれ剛体)+タイヤ(慣性体)+軸受け(摩擦)のような系ですが、慣性体の質量が変わらない場合、摩擦が回転角度で異ならない場合、軸のねじればね乗数がねじれ角度により変わらない場合は線形振動系になります。 線形振動系に外力を加えると、ある固有振動数で振動しながら減衰します。 非線形振動系は上記のいずれかの係数が非線形的に変化する場合です。 たとえば軸受けの摩擦が12時の角度の時は大きいが、6時のときは小さいとか、潤滑油の粘性は回転スピードや気温で変わるとか(工業的には一般的ですが)、クラッチを着脱すれば慣性重量自体がステップ的に変化しますし、衝撃的なトルクが軸に加わればひびが入ります。 2 物質に外力を加える場合、小さい外力ではひずみは応力に比例し、外力を除去すればひずみは元に戻りますので、外力とひずみは線形の関係です。ある荷重以上を加えると外力を除去してももとの形状には戻らず、内部にひずみが残ります。さらに大きな外力を加えると物質内部に残る応力が分子間力を超えてしまい大きく変形をはじめます。この現象が座屈ですが、座屈している期間はあたかも地震のように物質の形状は振動的に変化します。 3 カオスについては専門ではないので他を参照して欲しいですが、参考URLの例では外力がSIN関数になっている非線形系になっています。カオスの場合、固有振動数が無数にあるという点、将来が予測できない点があります 4 線形振動している場合、固有振動数が求まります。電気自動車の例であれば停止から最高速度まで加減速する間に固有振動数があればそこで共振してしまい軸が折れたりする危険があります(危険速度という)。そこで摩擦を変えたり、軸の太さを変えたり、支点を変えたり(等価的な軸の長さを変える)して危険速度が運転範囲内にないように設計します。機械的な対策で難しい場合は速度のフィードバック制御系を危険速度前だけゲインをかえるなどの補償をしたり、危険速度をなるべく早く通過するような運転をしたりします。 非線形振動がある場合、非線形要素のモデル化自体が難しいためシミュレーションなどによる予測が困難です。そこで実験的に統計処理したりしますが、カオスのように危険周波数が多数ある場合には工学的な対策は困難なので、カオス的にならないような系に改造することになります。 非線形振動はあらゆる分野で発生します 流体:ハンマリング、渦の発生、ジェット、潤滑、騒音、ガスの燃焼 構造系:高層建造物の地震振動、橋げたのたわみ 材料:熱応力、断熱、摩擦、磨耗、変形、加工
補足
ご回答ありがとうございます。 お礼遅くなってすみません。 座屈についてなんですが、 荷重を加えて座屈する間に振動が起きているという感じでよろしいのでしょうか? つまり座屈してしまったら振動は起きない。 軸方向の振動(左右の動き)もない。 ってという解釈でよろしいでしょうか? なにぶん実験ができないもので、イメージが沸かなくて困ってます。 よろしければよろしくお願いいたします。