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一身的違法身分について

刑法65条1項と2項の関係について勉強しています。 この関係については、 (1)真正身分犯と不真正身分犯の違いだとする説 (2)違法身分・責任身分の違いだとする説 (3)一項は犯罪成立の問題で二項は科刑の問題だとする説 の3つの説があるそうです。 (2)の説に対して、一身的な身分犯があるから適切でないという批判があるそうですが、一身的な身分犯とはたとえば何ですか? また、(1)と(3)がどう違うのかもよくわかりません。 ちょっとした理解のヒントとなるようなものでもかまいませんので、解答よろしくお願いします。

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  • ベストアンサー
  • kikikilin
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回答No.1

 難しい問題ですね。私も気になっていろいろ書物を見たのですが、はっきりかかれていませんでした。  おそらく、一身的違法身分の具体例としては、「同意殺人罪」(刑法202条後段)を挙げることができると考えます。  被害者の同意を得たという地位は一身的な身分であり、違法性に影響があります。被害者の同意を得ることにより違法性が減少しているので、刑も減軽されています。このような事由により刑の軽重がある場合は違法身分であっても、65条2項が適用されるべきであるという批判だと思います。  (1)説と(3説)の違いのヒント  文言のどこを重視するかの違い。(3)は65条1項の「共犯とする」、2項の「刑を科する」を重視。(1)は。。。  (3)は、65条1項(連帯性)と2項(個別性)の矛盾をいずれか一方を徹底することにより解決しようとする論理です。不真正身分犯も「犯人の身分によって構成すべき犯罪」である以上、1項に含まれると考えます。  (1)は判例だと思いますが、どちらかというと、抽象的に論じる態度をとらずに65条1項2項の適用範囲の問題としているそうです。すなわち、1項を真正身分犯の成立および科刑に関する規定、2項を不真正身分犯の成立および科刑の規定として、それぞれの適用領域を示し、その結果として、1項2項の関係についても一定の理解を示しているそうです。

q-q-q-q-q
質問者

お礼

早速の回答、ありがとうございます。 ☆一身的違法身分について…なるほど~。同意殺人があったのですね。でも、教科書で調べてみると、判例の中には、同意殺人の減刑理由を責任減少として理解しているものもあるようです。 ・責任減少として理解する場合・・・死のうとしている者の心情に同情して手を貸すしかなかった ・違法性減少として理解する場合・・・死のうとしている者の同意によって法益性が減少している どちらも納得できる感じがしてしまいますが…この点については、どうお考えでしょうか?できればお聞かせください。 ☆1説と3説の違いについて 『不真正身分犯も「犯人の身分によって構成すべき犯罪」である以上、1項に含まれる』と回答してくださったのですが、難しくて理解できませんでした。もう少し簡単に説明してくださると助かります。 丁寧に回答してくださり、この論点についての理解が深まりました。 本当にありがとうございました。

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  • kikikilin
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回答No.2

 同意殺人罪の減軽理由については、おっしゃるとおり、責任減少も違法性減少のどちらもあると思います。よって、違法身分としての性質を一面として持っていますので、65条2項を適用すべきではないかということができると考えます。  『不真正身分犯も「犯人の身分によって構成すべき犯罪」である以上、1項に含まれる』というのは、  不真正身分犯も身分があることによってはじめて、その犯罪が成立することには変わりないので、「犯人の身分によって構成すべき犯罪」ということができるという文言上の理由です。  さらに、(3)説の実質的な理由として共犯従属性に整合的であることもあげることができます。すなわち、AがBにBの親を遺棄するように教唆した場合、判例・通説ではBは保護責任者遺棄罪の正犯、Aは単純遺棄罪の教唆犯(65条2項、61条1項)となります。  これに対し、(3)説では、Bに保護責任者遺棄罪の正犯が成立するとともに、65条1項によりAにも保護責任者遺棄罪の教唆犯が成立し、65条2項により単純遺棄罪の教唆の限度で科刑されることになります。したがって、罪名までが正犯に従属することになり、共犯従属性説をより徹底することになるのです。

q-q-q-q-q
質問者

お礼

再び回答ありがとうございました。 共犯従属性の説明をしていただき、とても分かりやすかったです!!

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