●問題1:1~43までの数字を、重複なしに6つ選びます。並べる順番は関係がない。何通りの選び方があるか。
「並べ方」と「選び方」の概念の違いと、両者の関係が分かればご了解戴けると思います。
(1) ひとつづつ数字を選んで並べてみましょう。
最初の数字は43通りある。2番目は残りの42通りの数字から選ぶ。3番目は残りの41通りから....
とやると
N=43×42×41×40×39×38
通りできる。だから1~43のうちの6個を並べる「並べ方」は丁度N通りあります。
しかしですよ、この中には1,2,3,4,5,6という「並べ方」も、2,1,3,5,4,6という「並べ方」も、別々のケースとして勘定されています。でもロトでは数字を並べる順番は関係がないんでした。だからNでは多すぎる。
(2) 今度は、相異なる6つの数字を並べる並べ方が何通りあるか考えてみます。さっきと同じ考え方で、
最初の数字は6通り選び方がある。2つ目は5通り、.....6つ目は1通り。だから、
M = 6×5×4×3×2×1
通りの並べ方がある。つまり、どんな6個の数字の組み合わせであれ、並べ方を変えるだけでM通りに「水増し」できるわけです。
(3) N通りの「並べ方」のうちの一つ<a1,a2,a3,a4,a5,a6>を取り出してみると、それと同じ数字の組み合わせでできている他の「並べ方」M通りが、N通りのうちに含まれている。ところがロトではこれら(使っている数字が同じで並べ方が違うだけのもの)M通りは全部同じものと考えます。使っている数字の組み合わせ(つまり「選び方」)が違うものが何通りあるか、が問題です。一つの「選び方」についてM通りずつの「並べ方」があるのだから、「選び方」自体は
N÷M 通り
である。これが答です。
(4) 検算しましょう。(N÷M )通りある6個の数字の組(選び方)の一つA={a1,a2,a3,a4,a5,a6} について、M通りの並べ方ができる。別の6個の数字の組(選び方)Bを持ってくると、これはAとは使っている数字が少なくとも一つ違いますから、どう並べ直したってAを並べたものと一致することはあり得ません。従ってAとBのそれぞれの並べかたを合わせて2×M=12通りができ、その中には重複は有りません。同様にして、全部で(N÷M )通りある選び方のそれぞれについて、M通りの並べ方があるのだから、全部で(N÷M)×M = N通りの並べ方がある。
(5) これを式で書いてみましょう。
n ! (nの階乗)というのは n ! = n×(n-1)×.....×2×1の意味です。だから
M = 6!
ですね。一方、
N =43! / (43-6)!
と書ける。分子と分母で余計な数字が打ち消し合って、N=43×42×41×40×39×38になることを確かめてください。
従って答である(N÷M )は
N÷M = 43! / ((43-6)! 6!)
ということになります。これをしばしば記号 43C6 = 43! / ((43-6)! 6!) で表します。"C"は組み合わせ(combination)の頭文字です。)
さて、
●問題2:ロト・シックスで1等を当てる確率は?
全部で 43C6 通りある「選び方」の中で、1等になるのは1通りだけであり、どの選び方が起こりやすいということもない。どんな「選び方」にも同じ当選確率があると考えられます。だから答は
1÷(43C6) = ((43-6)! 6!)/43!
ということです。約600万分の1ですか。1年以内にあなたが交通事故で死亡する確率の方が、これより数百倍大きいわけですね。
お礼
ご丁寧に、説明をしていただき、有難うございました。 色々と参考になりました。 でも、ちょっと、最後のセンテンスの文章怖い。