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未遂の成立時期と既遂の成立時期

教科書を読んでいるのですが、未遂の成立時期と既遂の成立時期がどうも分かりません。 何点か質問させて下さい。 (1)未遂の成立時期 未遂の成立時期は、実質的行為説によると、法益侵害の現実的危険性を惹起する行為を開始した時点とされているようです。 そうだとすると、未遂の成立時期は、保護法益との関係で決まるということなのでしょうか? (2)危険犯の未遂の成立時期 危険犯は、法益侵害の現実的又は抽象的危険の発生を構成要件要素とする犯罪とされていますが、この犯罪類型の未遂の成立時期は、いつなのでしょうか? 危険の発生で既遂に達するとすると、未遂は成立しなくなるように思えるので・・。 (3)既遂犯の成立時期 既遂の成立時期は、どのような基準で決まるのでしょうか? 各犯罪構成要件について、予め犯罪類型(侵害犯とか危険犯)と保護法益を決めていて、それをもとに既遂の成立時期が決めるのでしょうか? 要は、犯罪類型(侵害犯とか危険犯)と保護法益の方を先に決めているのかどうかということです。 例えば、現住建造物等放火罪の場合は、公共の安全という保護法益があって、抽象的危険犯であると決めた上で、既遂時期を決めているということでしょうか? よろしくお願いします。

みんなの回答

回答No.4

朝あわてて引用したので、誤字が多いのをお詫びします。以下に、今一度引用しておきます。 「未遂犯における『結果』として考える場合の危険性は、それが発生すべき客体を想定した具体的なものでなければならない。・・・『およそ結果発生の可能性がありえないのか』を問題にするのではなく、当該被害客体に結果が発生する可能性が一定程度以上に高まったか否かを、正犯者が事実的な行為を行った時点ではなく、まさに未遂処罰を吟味すべき『危険発生時点』を基準に判断しなければならない」 「ただ、『一定程度の(具体的)危険性』という基準は、理念的・抽象的で、未遂犯の処罰範囲の具体的基準としては実践的有用性に欠ける。そして危険犯についても着手時期は問題となる。さらに、構成要件によっては、複数の異種の法益が問題となる場合もあり、また類型化の為に法益侵害性以外の政策的要素が加味された実行行為も存在する。(以下追加です)そうだとすると、各構成要件の文言を基礎に、未遂犯として処罰すべき範囲を具体的に類型化する作業が必要となる」 「当該犯罪の未遂犯として処罰に値するだけの法益侵害の危険性の有無がも最も考慮されなければならないのである」 「多くの説は、故意という主観的事情が未遂犯の危険性に影響を与えると解している。違法性を客観的に構成しようとする立場でも、未遂犯における故意という主観的超過要素は行為の危険性を高めると解する」 なお、別の記述ですが、上記の教科書を書いた先生が、他の方の説を解説している場所からの引用です。 「現在の我が国の社会通念として『この範囲を未遂として処罰するのが相当でしょう』というものを積み上げたものとして、『大体この線でやっている』というものが類型化したら、それを形式として尊重しましょうという意味ですね」 私が評価というのもこのあたりに近いかもしれません。

bougain22
質問者

お礼

遅くなりましたが、ご回答ありがとうございました。

回答No.3

私の理解のもとになる教科書の記述を引用しておきます。ただし、私の手元にあるのが、その最新版ではないことはお断りしておきます。 「未遂犯における『結果』として考える場合の危険性は、それが発生すべき客体を想定した具体的なものでなければならない。・・・『およそ結果発生の可能性がありえないのか』を問題にするのではなく、当該被害客体に結果が発生する可能性が一定程度以上に高まったか否かを、正犯者が事実的な行為を行った時点ではなく、まさに未遂処罰を吟味すべき『危険発生時点』を基準に判断しなければならない」 「ただ、『一定程度の(具体的)危険性』という@基準は、理念的・抽象的で、未遂犯の処罰範囲の具体的基準としては実践的有用性に欠ける。そして危険犯についても着手時期は問題となる。さらに、構成要件によっては、複数の異種の法益が問題となる場合もあり、また類型化の為に法会貴信が異性以外の政策的要素が加味された実行行為も存在する」 「当該犯罪の未遂犯として処罰に値するだけの法益侵害の危険性の有無がも最も考慮されなければならないのである」 「多くの説は、故意という主観的事情が未遂犯の危険性に影響を与えると解している。違法性を客観的に構成しようとする立場でも、未遂犯における故意という主観的超過要素は行為の危険性を高めると解する」

bougain22
質問者

お礼

文献まで引用して頂いて、ありがとうございました。 引用して頂いた内容をもとに勉強したいと思います。 ありがとうございました。

回答No.2

>無関係かどうかをお尋ねしているのではなく、それだけで決定するかをお尋ねしているのですが、どうなのでしょうか? それだけで決まるわけがない。だから、「構成要件実現の現実的危険性を含む行為を開始したとき」といっている。「現実的危険性」の有無を判断しなければならないわけだから。 >例えば、抽象的危険犯というのは、法益侵害の抽象的危険性が発生した時点で既遂に達すると書いてあるのですが、未遂の成立時期を法益侵害の具体的危険性と考えると、未遂の成立余地がないように思えるのですが、危険犯の場合は、未遂は成立しないのでしょうか? 成立する余地はたしかに小さいでしょうが、論理的には「抽象的危険性が発生する現実的危険性のある行為を行ったが、まだ抽象的危険性が生じたとまではいえない段階」があれば、それは未遂でしょう。 >そこで、保護法益と犯罪類型があった上で、既遂時期の判断をしているのか、それとも、保護法益と何らかの基準によって決定された既遂判断基準から、犯罪類型が決定されるのかをお尋ねしました。 前者であれば、保護法益と犯罪類型を暗記していれば、既遂時期の判断ができそうなので。 結局は、危険が生じたかどうかを評価するわけでしょ。その保護法益というか犯罪として類型化された構成要件に記述された危険の発生という結果が生じていると考えられるかどうかの評価・判断ですね。私には、「保護法益と犯罪類型を暗記していれば、既遂時期の判断ができそう」とは到底思えないですね。

bougain22
質問者

お礼

>それだけで決まるわけがない。 未遂の成立時期が保護法益との関係で決まらないのならば、具体的に、どのように判断するのかをお尋ねしているのですが・・。 現実的危険性の有無を判断するというのは、法益侵害の現実的危険性の判断のことですよね?保護法益との関係で決まらないのですか? >成立する余地はたしかに小さいでしょうが、論理的には「抽象的危険性が発生する現実的危険性のある行為を行ったが、まだ抽象的危険性が生じたとまではいえない段階」があれば、それは未遂でしょう。 教科書複数を確認したのですが、未遂は、法益侵害の現実的危険性を惹起する行為と書いてあります。(実質的行為説では) それは、抽象的危険犯の未遂の成立場面でも変わらないと思うんですが、抽象的危険犯の場合は、「現実的危険性」の判断基準が「法益侵害」ではなく、犯罪類型にあわせて「法益侵害の抽象的危険性」に変わってしまうのですか? >私には、「保護法益と犯罪類型を暗記していれば、既遂時期の判断ができそう」とは到底思えないですね。 「到底思えない」とのことで、その点は、不勉強を猛省いたしますが、 「到底思えない」というと、保護法益と犯罪類型は、判断対象にならないということでしょうか? 「結局は、危険が生じたかどうかを評価するわけでしょ。」という、その結局を具体的にどのように判断するのかをお尋ねしているのですが、 ご回答を頂けるならば、その点を教えて頂けますか? こちらは、分からないから質問しているので。

回答No.1

(1)未遂の成立時期 保護法益と無関係に議論できるような刑法の議論はないでしょうから、保護法益との関係はもちろんあるというべきでしょう。構成要件実現の現実的危険性を含む行為を開始したときですからね。そりゃ、法益と無関係なはずがない。 (2)危険犯の未遂の成立時期 危険発生の「現実的」危険性があれば、着手ですね。危険発生の「現実的」危険性がなければ未遂ではないでしょう。まあ、危険にも色々ありますからね。結構評価性の概念ですよね。刑法の概念っていつも評価性が高いけど。 (3)既遂犯の成立時期 法益侵害が「危険性から現実になったとき」が既遂でしょうね。「各犯罪構成要件について、予め犯罪類型(侵害犯とか危険犯)と保護法益を決めていて」といわれても、それを決めてしまっているのが刑法でしょ。既遂・未遂の判断のときにはじめて保護法益を決めるわけじゃないですものね。 何をお悩みなのかが、よく理解できないので、頓珍漢な話になっていると思いますが、失礼しました。

bougain22
質問者

お礼

>(1)未遂の成立時期 >そりゃ、法益と無関係なはずがない。 無関係かどうかをお尋ねしているのではなく、それだけで決定するかをお尋ねしているのですが、どうなのでしょうか? >危険犯の未遂の成立時期 >危険発生の「現実的」危険性がなければ未遂ではないでしょう。 例えば、抽象的危険犯というのは、法益侵害の抽象的危険性が発生した時点で既遂に達すると書いてあるのですが、未遂の成立時期を法益侵害の具体的危険性と考えると、未遂の成立余地がないように思えるのですが、危険犯の場合は、未遂は成立しないのでしょうか? >(3)既遂犯の成立時期 >法益侵害が「危険性から現実になったとき」が既遂でしょうね。 これも同じなのですが、危険犯の場合は、現実にならなくとも、既遂に達するらしいのですが、そうだとすると、既遂の成立時期の判断においては、保護法益と犯罪類型(侵害犯か危険犯か)が重要な要素となります。 そこで、保護法益と犯罪類型があった上で、既遂時期の判断をしているのか、それとも、保護法益と何らかの基準によって決定された既遂判断基準から、犯罪類型が決定されるのかをお尋ねしました。 前者であれば、保護法益と犯罪類型を暗記していれば、既遂時期の判断ができそうなので。 よろしくお願い致します。

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