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酵素と基質の反応速度
参考書に「基質濃度も酵素濃度も、一方が他方に対して過剰になると、反応速度は増大しなくなる」とありました。 基質濃度が過剰になった場合は、酵素が限られている為、反応速度が増大しなくなるというのはわかります。しかし酵素濃度が過剰の場合ですが、酵素は多くなればなるほど反応速度は増大するのではないでしょうか? 宜しくお願いします。
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反応速度論的には反応速度と酵素量は比例します。しかしあくまで論理的にであって「基質1μgに対して酵素を10g入れても20g入れても大して変わらない、というか変化を観測できない」というような意味で書いているのでは?少なくとも多くの酵素では、現実的な量で実験すれば酵素量と反応速度は間違いなく比例します。 ですから、基質濃度過剰と酵素濃度過剰を同一に扱っているのは少しおかしいと思いますね。 ただし、 「基質濃度が過剰になった場合は、酵素が限られている為、反応速度が増大しなくなる」 これは「酵素が限られているから」というよりも、基質+酵素←複合体の速度よりも複合体→生成物+酵素の反応が遥かに遅いから、と捉えた方が妥当かと思います。まあ突き詰めていけば同じことなんですが。
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- tir70
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酵素反応の反応速度が酵素濃度に比例するのは、たとえば、ミカエリス・メンテン型の反応で言えば、加えた酵素総濃度の増加に伴ってES複合体の濃度が増加するような場合です。 V = kcat[ES] のような場合をお考えください。 一方、思考実験として、基質に対して酵素を大過剰に加えた状況を想像しますと(つまり、[E]total >> [S]total & [E]total >> Kmとしましょう)、酵素と基質を混合した瞬間に、基質はすべてES複合体になってしまうでしょう。こういう状況下では、酵素をさらに加えたところで、ES複合体の濃度はほとんど変化しませんから、酵素反応速度には影響しない(↑の式を参照)、ということではないかと思います。
お礼
回答ありがとうございます。 大変参考になりました。
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