電子部品とは何かとのことですが、凡そ身近にある電化製品を構成している部品は全てそうであると言ってもいいでしょう。と言ってもこれではあまりにも漠然としているので、私なりに分類してみることにします。これから記述する用語は実際に専門家使用するものと必ずしも一致しませんので、先にお理しておきます。
能動部品
主に半導体です。増幅やスイッチング・変調・記憶など、電源から与えられた電力を、使用者の目的に合うように変換する回路の主役です。トランジスタ(PNP・NPN・UJT・FET・・・)やサイリスタ・トライアック・ダイオード
(ツェナー・フォト・PIN・ショットキー・・・)等の単体部品やゲートICやスペシャルファンクション(電圧測定やアナログスイッチのような特定の機能を持つもの)なども含めて、与えられた指示に対して供給された電力を加工して、目的の出力作り出す原動力になる部品です。
受動部品
コンデンサや抵抗・コイルのような物が一般的に知られている部品です。外部からの指示により入出力の結果が決まるのではなく、部品特有の性質を利用します。たとえばCRまたはLC共振回路では、入力や出力にどういった回路が接続されるか(インピーダンスの問題は無視しています)は問題でなく、回路固有の定数により決まった出力が得られます。回路上の能動部品に適当な電流を流すためや能動部品の日直線性を構成したり、共振回路を構成して特定の周波数(バンドパス)を抜き出したり、ノイズの除去や、入出力のレベル合わせなどにも使用されます。言ってみれば脇役です。
トランスデューサー
最近進歩が非常に早い分野です。これらは物理的な変化を電気的な変化に置き換えたり、電気的な変化を物理的な変化に置き換えるものです。温度や光・加速度・圧力などの物理量を電気信号に置き換えたり、その逆の作用をするものです。一般に入力を受け持つものをセンサーと呼びます。
構造部品
プリント基板やケース・配線・コネクター等ががこれにあたります。いくらすばらしいかろの設計ができても、実際に組み立てるのに、これらの要素を無視することはできません。特に動作速度の高い機器では基盤の設計如何では、まともに動作することができない(高周波を扱う回路では配線同士のインピーダンスやコンダクタンスも無視できません)場合も在りますし、外部からのノイズを抑制するシールド(高周波回路でよく見る基板上に半田付けされた金属の覆い)も重要です。初歩的な部分ではゲートICなどの回路に見られる、Vdd~Vss間に配置されるバイパスコンデンサ(回路図には記載されない、このような回路では電源ライン自体を記載しないのが一般的)などもこの範疇でしょう。
結論
電子部品とは電子機器と呼ばれるものを構成する全ての部品である。
要は、それぞれの部品の特性をよく理解し、必要にあわせ部品の選択をし、シミュレーションが可能であれば実行し、試作品での評価をし、再度ロジックでのチェックをし完成品とすることが肝要でしょう。
お礼
大変詳しく分かり易い回答を有難う御座います。 しばらくログインしていなかった為、確認が遅れて いました。 漠然と捉えていた電子部品の定義を整理する事が出来 ました。