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会社法第370条と業務監査権限のない監査役

会社法第370条についてのお問い合わせです。 とある会社が、この条文について定款に定めているのですが、監査役の権限が会計監査権限のみに限定されているにもかかわらず、 「当会社は、取締役の全員が取締役会の決議事項において書面または電磁的記録により同意した場合は、当該決議事項を可決する旨の取締役会の決議があったものとみなす。 ただし、監査役が異議を述べたときはこの限りではない」 と定めています。 (また、取締役会の招集についても、各取締役および各監査役に対し発する旨、取締役および監査役全員の同意があれば招集手続きを経なくても開ける旨規定しております) この場合、会計監査権限しか有しない監査役が任意に取締役会に出席することは可能だと思います。 しかし、異議を述べる権限はないのではないかと思います。 招集についての条文はともかく、決議の省略についての条文は、ただし以下の異議の部分が無効だと考えてよいのでしょうか。 それとも、任意に条文の条件を加重したということで、決して無効にはならないのでしょうか。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • buttonhole
  • ベストアンサー率71% (1601/2230)
回答No.2

>この場合、会計監査権限しか有しない監査役が任意に取締役会に出席することは可能だと思います。  そのとおりです。出席義務がないだけであって、出席することを妨げるものではありません。 >しかし、異議を述べる権限はないのではないかと思います。  そのとおりです。監査役設置会社において、監査役が異議を述べたときは、みなし取締役会決議をすることかできませんが、監査役の監査の範囲が会計に関するものに限定されている場合、監査役設置会社ではないので(会社法第2条9号参照)、仮に監査役が異議を述べたとしても法的意味はありません。 >招集についての条文はともかく、決議の省略についての条文は、ただし以下の異議の部分が無効だと考えてよいのでしょうか。  そのように考えるのが妥当だと思います。

monntann
質問者

お礼

buttonholeさん、ありがとうございます。 葉玉先生の「千問の道標」にも同趣旨のことが書いてありましたが、無効有効の点についてまでは言及されていなかったので、大変参考になりました。 ただし以下の部分に効力がないとした場合、定款は可能な限りすみやかに変更する必要はあると思います。 とはいえ定款変更になるので、次回株主総会で必ず変更するよう助言したいと思います。

その他の回答 (3)

  • ok2007
  • ベストアンサー率57% (1219/2120)
回答No.4

確かに、業務監査権限のない監査役を任意に招集するのは構いません。 しかし、これを定款で定めると手続上の義務となり、招集通知を欠いた場合には手続上の瑕疵となって決議取消原因となります。業務鑑査権限のない監査役への招集通知を欠いたがために取締役会決議取消となるのは、不合理です。これは、定款の定めを有効と解したための結論ですから、定款の規定は無効と解する必要があります。 招集手続不要の要件としての監査役の同意も、同様です。

monntann
質問者

お礼

ok2007さん、ありがとうございます。 大変よく分かりました。 一部無効の状態を長く放置するわけにも行かないので、定款の変更をお客さんにプッシュします。

  • ok2007
  • ベストアンサー率57% (1219/2120)
回答No.3

No.2のbuttonholeさんのご回答に若干の補足をさせていただきますと、「各取締役および各監査役に対し発する旨」、「取締役および監査役全員の同意があれば招集手続きを経なくても開ける旨」いずれについても、法の趣旨に反するため、監査役に関する部分は無効となります。

monntann
質問者

補足

ok2007さん、ありがとうございます。 監査役についても、業務監査権限がないとはいえ、取締役会に出席させたい、という会社の意思があるのならば、監査役に対し招集すること自体は無効とも言えないのではないかとも思うのですが。 それを定款でまで謳うことは許されない、ということなのでしょうか。

回答No.1

監査役が取締役会に出るのは、可能と言うよりも責務です。 また、異議を述べる権限は当然あります。 これは、383条を参照してください。 会計監査権限しか持たせない場合については、 理由があり、業務の内容については代表取締役の裁量の範疇であり、 また、業務に熟知している人間ではない為に、 それの妥当性を判断できないと考える事からです。 何故かというと、監査役は使用人や他の役員を兼任できないため、 全く畑違いからの来た方の場合は、素人だからです。 ですので、会計監査権限のみに限定される事は合法です。 ご質問の場合も、全く問題ありません。

monntann
質問者

補足

この会社は、株式譲渡制限規定のある会社なので、監査役の権限は定款上会計監査権限のみに制限しています。 これはおっしゃるとおり、合法で間違いないです。 ただ、会計監査権限しか持たない監査役なので、取締役会出席義務もなく、取締役会決議の省略に異議を唱える権限もないと思うのです。 (会社法上の『監査役設置会社』の監査役とは業務監査権限のみを持つ会社ですので) この点はいかがでしょうか。

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